日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「低迷する日本経済」を示す一例か?

2023-03-31 21:43:47 | アラカルト

日経新聞のWebサイトを見ていたら、「今更?でもやっと?」という記事があった。
日経新聞:東証、低迷日本株に警告 FBR1倍割れで改善策要請

いきなりFBRなどという言葉が登場するのも、日経新聞らしい。
まずこのFBRという意味について、理解をする必要があるだろう。
日本取引所グループ(JPX)用語集:株価純資産倍率 

「株価の相対水準を示す指標の一つ」で、「投資判断指標の1つ。株価を1株当たり純資産で除したもので、株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているのかを示すもの」ということのようだ。
この数値が低いということは、株価としての魅力が無い(と言っては乱暴だが)ということになる(のでは?と解釈をした)。
株価が企業の力を示す物差しの一つだとすれば、日本の上場企業の多くが「株価として魅力のない企業になっている」ということになる。
違う言い方をするなら、東証一部に上場している企業でさえも、日本企業は投資先として魅力が無い、ともいえるのでは?

投資先として魅力が無い、ということは株式市場での資金調達が難しい、ということでもある。
資金調達が難しいとなれば、新規の設備投資や新規事業などが難しくなる。
企業そのものが縮小していっている、とも考えられるのではないだろうか?
それを「本業を大事にして堅調である」と考える方もいらっしゃるかもしれないが、このような状況が続けば企業そのものが株式という市場から、相手にされなくなってしまうのでは?という、懸念も出てくるはずだ。
だからこそ、東証が改善策を要請したのだ。

もう一つは、株価ではなく企業そのものが持っている技術やブランド力のようなものに価値を見出した、海外の企業が買収などに乗り出すという可能性もある。
このような状況になった時、買収先の企業が日本企業に厳しいリストラ策を行ったり、技術などだけを取得し「空洞化した企業」に陥る可能性もゼロではないだろう。
世界的に見て、まだまだ日本企業が有している技術や開発力に魅力を感じている海外の企業はあるのでは?と、感じているからだ。

問題なのは、その魅力的な技術や開発力を「市場の需要」にマッチさせていない、ということなのでは?という、気がしている。
拙ブログで何度か取り上げてきた「半導体」にしても、技術そのものはありながら「その半導体を使ってどんな将来像を描くのか?」という、部分が抜け落ちていたのでは?という、印象を持っている。
高度成長期のように「良いものをつくれば自然にものは売れていく」という「ものづくり神話」に、とらわれ過ぎた結果「市場需要=生活者が欲しいモノ・コト」を理解しようとしてこなかったツケが、今の日本企業の弱さのようにも思えるのだ。