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日本はどこへ向かうのか?‐海外から買いたたかれる?日本‐

2023-03-24 20:06:21 | ビジネス

「コロナ禍」で、何となく経済全体の話題が、減っていたような印象を持っている。
その経済の話題が突然クローズアップされたのは、おそらく昨年の「円安」だったのではないだろうか?
「新型コロナ」の世界的感染拡大のために、経済そのものが世界的に停滞していたように思う。

それが、ワクチン接種だけではなく、「withコロナ」という考えに舵を切った欧米各国が、「コロナ禍」によって停滞していた経済活動に刺激を与えるために、金利を上げるなどの経済政策を行ったことで、日本の円は急激な円安になってしまった。
それでも、日銀をはじめ政府そのものは国内の経済政策に手を付ける、ということが無く時間だけが経過する、という状況になった。
ここ1ヵ月ほどの間で、米国・シリコンバレーの銀行破綻やスイスのクレディ銀行などの経営問題が浮上したことで、一時期円が高くなるという状況にはなったが、「安い円」という状況が続いていると言っても良いのでは、ないだろうか?

そんな経済状況の中、「海外から買いたたかれる日本」という話題も、目にするようになった。
朝日新聞:ニセコへ流れる海外富裕層マネー「日本の中の外国と弱い円の功罪 

もちろん、日本の不動産に目を付け、不動産を購入する外国の人たちは、以前から多かった。
特に、記事にある北海道などでは、中国人をはじめとする海外の富裕層が積極的に不動産購入をしている、という話は「コロナ禍」になる前からあり、一部の人たちからは「外国の人が日本の不動産を購入できないようにするべき」という、声も上がっていた。
その理由の一つが、「水資源」だった。
ニセコに限らず、自然豊かなリゾート地周辺には「水資源」となる場所が、数多くあると言われている。
そのような「水資源」を外国の人たちが所有することで、日本人が得られる「豊かな水資源を失う」という、懸念というか危機感を持った人達が、再三指摘をしてきている。

そもそも国土保全という観点から考えた時、自然豊かなリゾート地はある種の国土保全の価値が高い場所、という考えもあるはずだ。
豊かな自然林などがある事で、水資源が守られ、その水資源によって農水産業が支えられている、
リゾート地だけではなく、その周辺地域に与える影響が大きい、という指摘であり、複数の産業にかかわる問題につながる、という指摘だ。

そのような指摘を知ってか知らずか?日本は「インバウンド」という「観光」の名のもと、海外からの不動産投資を規制することなく動いてきた。
結果として、ニセコのような「日本でありながら外国」というような場所が、出来上がってしまった、ということなのだ。

そして「国土」だけの問題にとどまらず、日本が得意とされてきた「モノづくり」に関しても、同様の状況になりつつあるのでは?という気がしている。
シャープが経営不振に陥った時、救済のために手を挙げたのは台湾の半導体メーカーだった。
元々は、日本のメーカーの下請けのようなカタチで、大きくなった海外の企業に飲み込まれたような救済劇だった。
シャープの場合、結果オーライになったが、そのような企業ばかりではない。
アパレルのレナウンなどは、見る影もなく市場から消え去ってしまった。
M&Aon-line:レナウンだけではない、中国企業に買収された日本企業とその後は? 

日本で経済の話題となると、トヨタ自動車などの販売台数注目されることが多いように感じるのだが、実は「海外から買いたたかれる日本」という現実を、受け止める時期にきているのではないだろうか?
「勝ちしゃもじ」を持って、ウクライナに電撃訪問をすることも大事だったかもしれないが、この30年間放置し続けた日本の経済政策に本腰を入れないと、ますます「買いたたかれる日本」になってしまうのではないだろうか?