昨日あった、故ジャニー喜多川氏の「少年への性加害者行為」の記者会見。
その会見について、様々な意見が飛び交っている。
様々な考えがあるので、多様な意見が出てくるコトは良いことだと思うし、これらの意見から「芸能プロダクション」としての在り方を考え直していけば良いと思っている。
その記者会見で驚いたコトがあった。
そしてそのことが、故ジャニー喜多川氏の「加害行為」を止めるコトができなかったのでは?という、気がしたのだ。
それは、前社長の藤島ジュリー景子氏が「ジャニーズ事務所の株は100%私が持っている」という趣旨の発言だ。
おそらく、藤島ジュリー氏は、叔父である故ジャニー喜多川氏と実母の故ジェリー喜多川氏から、「ジャニーズ事務所」の株を全て受け継いだのだろう。
その結果として、藤島ジェリー氏が100%ジャニーズ事務所の株を取得したのだと思われる。
同族会社であれば、よくあるパターンだと言われれば、それまでだが、このような経営形態の危うさは「企業側と企業で働く側」との関係が、「従属的なモノ」に陥りやすい、と言われている。
株式公開されている株式会社であれば、株主と経営者は基本別の人物だ。
だからこそ、株主は株主総会で企業側(=経営者)に経営についての質問や改善を求めるコトができる。
非公開の株式会社であって、最近では「社外取締役」のような、同族外の人物を経営に携わらせるような傾向が、出てきている。
同族会社が問題なのではなく、同族会社独特の「経営の危うさ」があり、企業の不正などが表ざたになりにくく、隠ぺい体質を生みやすい、という問題がある、ということなのだ。
そのような問題を認識し、意識的に変えようと努力をし続けているのであれば、同族会社という企業の在り方に問題は少ないはずだ。
そして「ジュリー氏が100%、ジャニーズ事務所の株を持っている」という発言から思い出したのが、タレントの郷ひろみさんがジャニーズ事務所を辞めた時の話だった。
当時の郷ひろみさんは、寝る時間もないのでは?というくらいの活躍ぶりで、「新御三家」として毎週・毎月女性週刊誌やアイドル雑誌の表紙を飾り、テレビ出演をされていた。
その活躍とは程遠い金額しか、支払われていなかったのだ。
当時は「銭ゲバ」のように、郷さんが言われたような記憶があるが、おそらくその根本的な体質は、今も同じなのでは?と、想像している。
確かに、小学生の高学年くらいから踊りや歌、時には演技のレッスンを事務所負担でさせ、デビューしたからと言っていきなり「金のなる木」になるわけではない。
「投資に対して似合うだけの回収をする」という考えからすれば、実に非効率的だ。
そしてこのような問題は、今でも若い所属タレントが事務所を辞める時に問題となっている。
その所属事務所の経営と株式保有をしているのが、同一人物であるということは、タレントが稼いだお金や人気、ブランド価値など全てを一人の人物が有する、ということになる。
グループ会社についても、ほぼ同じだと思われる。
すなわち、所属タレントさんは「貢だけの立場」、ともいえるのではないだろうか?
当然その先にいる、ファンの存在が「金のなる木」ということでもある。
そのような関係性の中で、所属タレントさんが理不尽な行為をされたとしても、声を上げられなかったのは当然かもしれない。