ここ2,3日ジャニーズ事務所の話題を取り上げているのだが、意外なところでジャニーズ事務所が炎上している。
正しくは、ジャニーズ事務所に所属している木村拓哉さんのInstagramに投稿された「言葉」で炎上している。
Huffpost:木村拓哉さんのインスタグラムでの投稿が消える。ジャニーズ事務所の記者会見後『show must go on!』とつづっていた。
既に削除されているので、現在は見ることができないが、英語の得意な方や洋楽・洋画の好きな方ならこの「show must go on!」という言葉そのものは、よく聞いたコトがある言葉だと思う。
私が初めてこの言葉を知ったのは、英国のシンガーソングライター・レオセイヤ―の楽曲タイトルだったと思う。
TopPop(YouTube):Leo Sayer「The Show Must Go On]」
やや奇抜なピエロの衣装に身を包んで歌う、レオセイヤーの雰囲気を見て分かると思うのだが、歌詞の内容は「人に笑われ、嘲られても、ショーを続けなくてはならない」というピエロの孤独と苦悩を描いている。
ピエロに限らず、「人は生きていく中で、嘲笑われ、いじめられる様なことにいくつも出会い、その苦悩を持ちながらも生きていかなくてはならない」、というある種の「人生訓」のような内容でもある。
そしてレオセイヤ―だけではなく、Queenのフレディー・マキュリーやピンクフロイドも、同じ「Show Must Go On」というタイトルの楽曲を作っている。
それほど、英語圏では一般的な言葉であり、時には勇気を与えてくれる言葉でもある。
日本が英語圏ではない、ということもあるのだが、炎上した理由は「show must go on」という意味が理解されていない、というだけではないように思うのだ。
その理由として挙げられるのは、
①この言葉が加害者である故ジャニー喜多川氏がよく言っていた言葉だった。
②木村拓哉さんがこの言葉を付けたInstagramを投稿したのが、謝罪記者会見の直後であった。
③SMAPの(解散)騒動中のフジテレビ系「スマスマ」での、4人のメンバーのジャニーさん側への謝罪に対し、そのような言葉が無かった木村さんへの違和感や反発が今でも続いている。
等が考えられる。
随筆家の若松英輔さんは、「言葉は贈る人を守るものとなる。だから、大切な人へは言葉を贈れ」と、著書「言葉の贈り物」の中で書かれている。
何気ない言葉であっても、その言葉を使う人・場所・時によって、不快に感じたり、勇気づけられたりするのだ。
それは言葉を贈られた側の気持ちに影響されている、と思われがちだ。
しかし本当は、言葉を使う側に対する信頼や共感性によるところが、大きいのではないだろうか?