日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

分かりやすく説明をする。説明をする責任。それが大人の役目

2020-03-17 19:28:51 | 徒然

朝日新聞のWEBサイトに、ノルウェーのソルベルク首相の記事があった。
朝日新聞:「コロナ怖がっていい」首相が子どもたちの質問に回答

この記事を読んで、日本の首相とは大きな違いだな~と感じた。
ソルベルク首相が、子どもたちに「新型コロナウイルス」についての質問に対する対応が、日本の首相とあまりにも違ったからだ。

まず、ソルベルク首相は「コロナウイルス」について、「怖い(感染症)です」と言っている。
「感染拡大が懸念される怖いウイルスです」という説明は、今の欧州の流行状態から考えて、当然の説明だろう。
それを「怖いウイルスです」と言い切ってしまうことで、子どもたちに注意喚起となっている。
ただそこで終わりにはしていない。
「多くの人にとっては、コロナウイルスは危険なわけではない。(何故なら)私たちには優秀な医師や看護師がおり、優れた病院がある」という説明を加えることで、子どもたちを安心させている。

「新型コロナウイルス」に感染すると、どのような症状が出て、何日休んで経過を見る必要がある、という回りくどい説明ではなく、「怖いモノは怖い」と話しながらも、「安心をしてください」という、説明を加えている。

この「安心をしてください」という一言があるかないかで、首相としての言葉の重みが、随分変わってくる。
何より使われている言葉そのものが「平易で分かりやすい」。
この「平易で分かりやすい言葉」を使う、ということはとても難しい(と感じている)。

今回の「新型コロナウイルス」のように、いつ収束するのか分からず、ワクチンも治療薬も無い、という状況では人の不安は増大するばかりだ。
その増大している不安を如何にしずめ、安心感を与えるのか?ということが、今とても求められていることだからだ。
その意味で、子どもに対して「注意喚起→今分かっていること→安心感を与える話」という順番で話すことで、受け手となった子供たちは「注意をすべきこと」と「安心感」が得られている。

一方日本のリーダーの説明は、どうだったのだろう?
先日14日の記者会見もその前の記者会見でも、「原稿を読む」ということに集中し、「伝える」ということにはあまり興味が無かったような気がしている。
相手となるのは、カメラの向こう側にいる生活者だ。
その生活者に届く言葉、説明をまずすることで、安心感を与えることができる。
そのためには、原稿に書かれている言葉ではなく、話す人の平易な言葉で話しかける、ということが必要なはずだった。
そんな言葉を使った記者会見だったような印象は、残念ながらなかった(ように思う)。

使う言葉によって、その人の印象は大きく変わる。
ソルベク首相のように、子どもにも分かりやすい説明をする、ためにはそれなりの語彙力と教養が必要かもしれない。
特に政治家という職であれば、その資質は重要だと思うのだ。

 



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