3日前だっただろうか?東京オリンピックで金メダルに輝いた、日本女子ソフトボールの選手が金メダルの報告に訪れた、名古屋市役所で河村市長が、選手の金メダルを首にかけてもらい、その金メダルを噛む、ということがあった。
その経緯については、既に様々なところで報道され、河村市長の謝罪等も報道されている。
しかし、河村市長が謝罪をしても、一度炎上したこの問題は収束とは程遠い状況にある。
Huffpostu:河村市長のメダルかじり、波紋広がる トヨタが社長名で抗議文
そもそも河村市長の場合、決して「市長」という行政の長らしいタイプの人ではない、ということだけ先に述べたいと思う。
特にイベント等で呼ばれて、挨拶をする時等はいきなり「燃えよドラゴンズ」という、地元プロ野球団・中日ドラゴンズの応援歌を歌いながら、登場する、ということ等はほぼ定番となりつつある。
そして演壇に登壇して話す時等も、市民がいる時等は「名古屋弁」を、まくしたてるようにして話すことが、多い。
「名古屋弁」と言っても、タレントのタモリさんが揶揄するような、あるいは含み笑いをするような表情で話す、あの「名古屋弁」だ。
生まれも育ちの名古屋の人が、あのような「名古屋弁」を話しているわけではない。
相当「誇張」した「名古屋弁」を、実は話しているのだ。
それは、おそらく「庶民派」というイメージをつくる為の「演出」なのだろう、と思っている名古屋人は多いと思う。
もちろん、そのような態度や言葉遣いを「下品」と、感じる方も多くいる。
特に生まれも育ちの名古屋の下町、という人などは「あんな下品な言葉遣いはしない」と、憤慨する人も少なくない。
その傍若無人さも含めて「河村たかし」という人物像を作ってきた、ということなのだ。
そのため、あのような暴挙に出た時でも「あ~~、やっちまったな~」感を持った名古屋の人は、少なくないと思う。
私も「あ~~、やっちゃったよ。相手のことも考えず、下品を庶民派と勘違いして(苦笑)」というのが、最初の感想だった。
何となくだが、河村さん自身は「金メダル」を掛けてもらい、テンションマックス!という状態になったのだろう。
元々自分と相手の距離感も考えず、ズタズタと相手の心理的テリトリーに入ってくる人なので、メディアで報道される「メダルを噛む写真」を見て、自分もやりたくなった、というところが本当のところなのでは?と、思っている。
ただやはり選手が努力をして得た「金メダル」を、テンションマックス!だからと言って、このような「暴挙」をしてよい、などということはない。
今のトヨタ自動車の社長である豊田章夫氏は、「スポーツ」を切り口に自社の製品イメージを作ってきている。
例えば、それまでの「ファミリーカー」という位置づけで、若い母親世代をユーザーの中心として考えてきた「シエンタ」を、いきなり「スポーツ」を言う切り口でCM展開をする等、やり過ぎ感がありながらも「スポーツ」ということにこだわってきたし、スポーツ支援もしてきた。
その一つが今回のソフトボールであったり、選手のサポートだったのだ。
これまでのスポーツ支援を穢された思いがあるからこそ、抗議文を社長名で出す、ということにもなったはずだ。
今回の件で、河村さんが「男尊女卑的考えを潜在的に持っている」等の指摘をする記事等もあるようだが、男尊女卑というよりも、これまで作り上げてきた「セルフイメージ=庶民派」を勘違いし、自分と選手を同化したような感覚で、あのような暴挙に出たのでは?と、考えている。
元より、その「庶民派」のイメージ演出には、どこか下品なところがあり、それが一部の人たちに受けていたことが、成功体験としてあったのでは?
そもそも、今の日本の国政に携わってきた政治家って、それほど品格のある人がいらっしゃったのかな?と思うのだ。
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