政府の後手後手新型コロナ対策を嘆いていても、遅々として進まない現状から気分をチョッと変えてみたい。
そんな気持ちで、「日本の伝統文化」を紹介することをコンセプトにしている、「和楽」という雑誌のWEBサイトを見ることがある。
雑誌の「和楽」は、美術館情報や和服の着こなし等「日本の伝統文化」を様々な切り口で紹介をしているのだが、WEBサイトは、一変やや暴走気味な位の内容になる。
当然のことながら、紹介される「日本の伝統文化」も違った視点になり、時にはファッション誌のような錯覚を起こしそうになる。
例えば、日本の冬の大定番家具・こたつを取り上げているのだが、紹介されているこたつは「インテリア」としてのこたつであり、こたつという機能を持った新しい家具、という印象だ。
和楽WEB:こんなこたつが欲しかった!だらだらライフをスマートに楽しめる、無垢材こたつが超カッコいい!
日本の生活スタイルが、畳からフローリングになって20年以上だろうか?
生活スタイルが畳からフローリングに代わったことで、冬の暖房器具はこたつからエアコンに代わった。
今でもストーブを使う家庭はあっても、こたつを使う家庭は少なくなったはずだ。
何故なら、フローリングの床にこたつをおいても、暖かくないからだ。
ホットカーペットと併用とか、厚めのラグを置き、その下にはアルミシートを敷く等の工夫をするのだが、インテリアとしてのこたつには、なりえない…という気がしている。
そのような「こたつ事情」でありながら、あえて「こたつ」を作っているのが。日美という香川県にある家具メーカーさんだ。
東京にデザイン・企画の事務所を置いているようだが、製作などを行っているのは香川県の本社で、数少ない職人さん達のバックグランドも様々というのが、これまでの「職人」と大きく違うところだろう。
これまでのような「師弟関係」の中から、技術を学び職人となるのではなく、様々な経験をしてきた人たちが「職人集団」となることで、これまでとは違う「モノづくり」をするようになってきているように感じるのだ。
もちろん、モノづくりにおいては「師弟関係」のようなところから、モノづくりの技術を学んだのでは?と、想像するのだが、モノづくりの中に「こんなモノをカタチにしたいな~」とか「こんなモノがあったら面白いのでは?」という、柔軟な発想(から生まれたデザイン)が、これからのモノづくりには重要となっていくだろうし、そのような指摘はこれまでもされてきたことだ。
そう考えると、これは「こたつ」という小さなイノベーションなのかもしれない。
ただ、生活を少しだけ快適にすることで、私たちの生活スタイルも変わるだろう。
それが香川という地域の活性化にもつながるのではないだろうか?