今朝、FM番組を聞いていたら、「今更、世襲政治の典型的起用をするんだ」と、驚いたニュースがあった。
ご存じの通り、岸田首相がご長男を総理秘書官として起用する、という報道だ。
朝日新聞:岸田首相、31歳の長男・翔太郎氏を秘書官に 官房長官「適材適所」
「適材適所」の人事なのか分からない、というのが世間の見方なのではないだろうか?
というのも岸田首相の長男・翔太郎さんという方を知らないからだ。
知らない人に対して「適材適所」と言われても、「はぁ~?」という感じしかないのだが、それよりも自分の息子を秘書官に起用した、ということに違和感を感じた方のほうが多かったのではないだろうか?
個人的にこの話を聞いたとき、思い浮かべたのが、故田中角栄氏と娘・田中真紀子氏の関係だ。
田中角栄氏は、首相という立場の時だけではなく、大臣時代から様々な場所に行くとき、娘である田中真紀子氏を連れて、出かけていた。
それは、田中角栄氏の妻であり田中真紀子氏の母が、表舞台に出る事を拒んだためとも言われている。
田中真紀子氏は、ファーストレディの役として、父親である田中角栄氏に随行していた、という訳である。
そして田中真紀子氏は、父親である田中角栄氏の随行をしていく中で、独特の政治センスを身に着け、政界へと進出をしている。
その時は、後援会等の支持基盤となる人たちからの、強い後押しがあったということも、知られた話だろう。
もう一人挙げるとすれば、小泉進次郎氏だろう。
変人とも言われた総理・小泉純一郎氏の次男で、自身も政治家になり政治家デビューの時には、人気タレント並みの注目を常に浴びていた。
小泉家等は、それこそ「世襲」という言葉が当てはまるような「政治家一家」であり、「政界のサラブレッド」という枕詞が、常についていた。
しかし、その期待に対して、現状はと言えば「・・・」という感じだろうか?
それに対して、今回の岸田首相がご子息を秘書官に抜擢した、ということとはニュアンスが大きく違う。
あくまでも個人的な印象なのだが、岸田首相の後継者として長男・翔太郎氏を指名し、政界デビューの準備のような印象を受けるからだ。
このような印象を与えると、世間ではネガティブなイメージの「政治家の世襲」ということが、言われるようになる。
このような人事は、選挙区では期待の次期政治家となるとは思うのだが、選挙区以外では、今回の人事に関しては良い印象を持っていない、という人の方が多いのでは?という、気がしている。
それは、岸田首相自身が首相という座について1年経っても、これといった実績や成果が感じられないからだ。
唯一の実績があるとすれば、国民の約半数以上が反対をしていた、安倍元首相の国葬を押し切ったことくらいだろう。
その国葬でさえ、弔問外交という目的がありながら、主要参列者は岸田首相ではなく今上陛下への挨拶が、目的だったのでは?というほど、岸田首相の存在感は薄かったように感じている。
岸田首相のこの1年を振り返った時、あまりにも実績となるモノがなく、首相としての存在感を感じられないのだ。
そのことは岸田首相ご本人が一番わかっているからこそ、ご子息の政治家への道筋をつけたい、という気持ちがあるのでは?と感じる、ご子息の秘書官起用だ。
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