岩手県大船渡市で発生した山火事。
発生から1週間経過しても、鎮火できていない。
鎮火の期待は、今日関東から東北にかけ降っている(?)雨や雪に期待するしかない、という。
NHK NEWS:岩手 大船渡 山火事発生から1週間 鎮火のめど立たず 健康への影響懸念
これで鎮火できれば良いのだが、これだけ広範囲となると、鎮火したように見えて、どこかでくすぶっている可能性がある。
まだまだ、予断を許さない状況になるだろう。
この山火事で思い出されるのが、今年米・カリフォルニア州のハリウッド近郊で発生した、大規模な山火事だ。
元々、雨がなかなか降らないと言われるカリフォルニア州の冬に起きたため、鎮火までに約1ヵ月を要している。
時事通信:米 LA山火事が鎮圧 29人死亡 1万6200棟超損壊
大船渡での山火事の原因は、まだまだ不明な点が多いので何とも言えないのだが、海外で発生している山火事の中には、自然環境の変化によるものがある、という指摘もある。
例えば、2020年に発生したオーストラリアでの山火事だ。
この山火事もまた、鎮圧するまでに相当の時間を要した。
その原因として挙げられているのが、焚火の不始末などのような人的災害発生だけではなく、落雷による自然火災だ。
オーストラリアについては、コアラの主食(?)となるユーカリが、油性の成分を多く含んでいたため、燃え広がりやすく鎮圧までに時間がかかった、という。
落雷は自然発生するものだから仕方ない、とも言えるが、これほどの森林火災や山火事が起きる偶然性に、疑問を持つこともまた必要なのでは?という気がしている。
それは「自然環境の変化」だ。
何となくだが、今年カリフォルニア州で発生した山火事によって、煙とともに微細な灰が空気中に放出されているはずだ。
それが季節風などによって、遠くに運ばれ雪や雨となり降ってくる。
その微細な灰の中に有害な物質が含まれていれば、農作物だけではなく人にも被害を及ぼすかもしれない。
それは1シーズンの問題ではなく、長い時間をかけて起きてくる可能性の方が高い気がするのだ。
もっとわかりやすい例を挙げるのであれば、平成5年に起きた「冷夏による米不足」だ。
Diamond on-line:日本人が絶対忘れてはならない「平成の米騒動」とは
この時は、緊急米としてタイから輸入するなどしたのだが、タイ米が口に合わない、と政府に苦情が出たりしたので、覚えている方もいらっしゃると思う。
「米騒動」が起きる前の年の夏は、梅雨が明けても気持ちの良い夏晴れの日が極端に少なく、代わりに冷たい雨が降り続いた。
結果、お米の収穫量が激減し、その年の秋から翌年にかけ「米不足」が起きたのだ。
この前の年に起きた「冷夏」の要因として挙げられたのが、冷夏となった平成3年に起きたピナトゥボ火山の噴火によるもの、といわれている。
火山の噴火によって発生した大量の噴煙が長時間に渡り大気中にとどまり、ラニーニャ現象を引き起こすだけではなく、偏西風にのって長期的な雨と冷夏を引き起こした、という分析がされている。
このことから、世界各地で人的であろうと自然発生的であろうと、大規模な山火事は来年以降の天候に大きな影響を及ぼす可能性がある、ということなのだ。
「火山と山火事は違う」と言えば、確かにそうなのだが、1ヵ月近く燃え続ける山林が吐き出す煙も相当量であり、その中には上述した通り微細な灰がある、ということも知っておく必要があるのではないだろうか?
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