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日本の司法を揺るがす出来事

2025-02-15 21:13:59 | 徒然

一昨日、検事総長が訴えられる、という報道があった。
多くのメディアは「袴田事件弁護団、名誉棄損で国を提訴」というような、見出しだったように思う。
この見出しを見ると、昨年無罪判決を受けた袴田さんが、長期にわたる収監により精神的苦痛だけではなく、その間の名誉を失ったことに対する国への提訴のように思える。
だがこの提訴は、袴田さんが無罪判決となった時、検事総長が発した言葉が「袴田さんに対する名誉棄損である」という、提訴だったのだ。
時事通信:検事総長談話は「名誉棄損」 袴田さん弁護団、提訴へ‐静岡 

おそらく、検察庁始まって以来の出来事なのでは?という、気がしている。
それにしても、何故検事総長という役に就きながら、このような談話を出してしまったのだろうか?
余りにも不用意というか、考え無しの談話のように思えるのだが、この検事総長、いわくつきの人物なのかもしれない。

というのも、昨年政界を揺るがせることとなった「政治家の裏金問題」。
覚えていらっしゃる方も多いと思う。
自民党の旧安倍派の国会議員やその会計担当者など65人が起訴されたが、昨年暮れ東京地検は全員不起訴という判断を下したのだった。
NHK:自民 旧安倍派の国会議員など65人を不起訴 東京地検特捜部 

旧安倍派という見出しになっているが、自民党の派閥全体に及ぶような事件であった、ということを考える必要があるだろう。
現在「弱小与党」と言われる、自民党だがこの事件が発覚した時は旧安倍派が政治の中心にいて、ある意味「好き勝手放題」だった、という印象があった。
そのような事に忖度した結果、不起訴となったのでは?ということまで、言われていたのだ。
この時の検事総長が、今回袴田さんの弁護団から「名誉棄損」を提訴された人物なのだ。

この二つの出来事は、それぞれ別のこととして考える必要があると思うのだが、一人の検事総長の時に、立て続けに国民から不信感を持たれる、ということは前代未聞のような気がする。
検察庁というところは、司法の中心だからだ。
あくまでも政治とは切り離されていなくてはいけないし、どのような立場であっても「公平性」ということが求められるからだ。
それだけではなく、戦後起きた「冤罪事件」に対しての責任を持つ必要もある。
その「冤罪事件」の一つが、「袴田事件」であり、本来であれば検察庁のトップである検事総長が、責任ある談話をする必要があったはずなのだ。
実際、過去の「冤罪事件」で被疑者が無罪となった時の検事総長の談話は「被疑者に対しての謝罪」が最初にあったように思う。

とすると、現在の検事総長は職務に沿った考えや力があるのか?という、疑問符を持たれるのは、当然かもしれない。
検事総長初の女性として、話題になった方だが、ネガティブな話題だけで終わってしまうとすれば、女性が司法機関で活躍する場を閉ざしてしまうような気がしてならない。

昨年の前期朝ドラ「寅に翼」にあやかったような、人事だったのかもしれないが、実話を基にしたとはいえドラマのようにはいかない、ということだろう。



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