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女性マーケターから見た日々の出来事

ネーミングやデザインは大事

2022-10-05 20:07:22 | マーケティング

朝日新聞のWebサイトを見ていたら、「ネーミングって、大事だな~」と感じる記事があった。
朝日新聞:「ミシンは女性」のイメージ払拭へ 厚手縫える「オトコミシン」発売 

まず、「ミシンを使うのは女性」という、イメージを今の若い人たちは持っているのだろうか?
俳優の菅田将暉さんは、時折奇抜なファッションで周囲を驚かせることがあったが、その理由の一つにファッションデザインをする友人の影響で、自分で服を縫っている、という話を随分前にされていた。
確かに大学となると、「服飾系学部」を持っている大学の多くが女子大ということもあり、男子がミシン等を扱う機会が少ないように思えるのだが、ファッション系の専門学校等になると、男子学生も多いのでは?という気がしている。
かつて「女子しかいない」と思われていた分野、例えば「美容学校」のようなファッションとの関連が強い専門学校に関していえば、男子がどんどん進出しているような印象を持っている。
そう考えると、ファッション関連の分野では既に「ジェンダーフリー」という状況になりつつあるのでは?ということなのだ。

そしてファッション系の専門学校で出会うミシンというのは、一般的な家庭用ミシンではなく、職業用ミシンと呼ばれるミシンだ。
職業用ミシンは、家庭用ミシンと違い動力パワーが強い。
そのため、厚物等もグングン縫えてしまう。
ただし、家庭用ミシンのような刺繍ができたりするような「多機能」ではない。

ただ、一般的には「縫物=女性」というイメージが強いのは、確かだろう。
だからこそ、あえて「オトコミシン」というネーミングにして、家庭用ミシンの市場を拡大させたい、ということなのだと思う。
「オトコミシン」という発想そのものは面白いと思うのだが、そこに何故「TOKYO」とつけるのか?意味が分からない。
まして、大阪の企業が「TOKYO」というネーミングにすることに、ある種の違和感を感じる。
何故「オトコミシン」だけに、しなかったのだろう?

ネーミングは、その商品のイメージをカタチつくるキーワードとなる。
「TOKYO」とつけるには、それなりの理由があってのことだろうとは思うのだが、海外を意識するのであれば「NIPPON」とした方がよかったかもしれないし、より日本的なイメージを与えるのであれば、漢字表記という方法もあったはずだ。
アルファベットにすることで、モダンな印象を与えたかったのかもしれないし、職業用・家庭用問わずミシンの商品名表記にアルファベットが使われているということも、あったかもしれない。
デザインや色等を見てみると、いわゆる「アンティークミシン」と呼ばれる、古い足踏みミシンを思い起されるようなミシンなので、アルファベット表記にこだわる必要はなかったのでは?という、気がしている。

そしてもっというなら、上述したように男性向けと謳うのであれば、家庭用ミシンのようなデザインの職業用ミシンというという発想もあったのでは?
このメーカーが、家庭用ミシンメーカーということもあるとは思うのだが、ミシンの構造そのものは家庭用も職業用も大きく違う訳ではない。
むしろ、職業用の方がつくりがシンプルだと言われている。
その代わり、家庭用のような刺繍ができる等の「多機能さ」は無いが、男性向けに特化するのであれば「多機能」である必要はないはずだ。
というのも、縫いたい生地が家庭用ミシンでは縫うのが難しい生地を想定しているからだ。
とすれば、デザインやネーミングが「道具」っぽくしたほうが、ミシンを欲しい男性に訴求することができたのでは?という、気がしている。







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