下の符号は、中倉彰子女流初段と私との指導対局で現われた終盤の一局面である。ここで中倉女流初段は…?
(95手目☗3一同飛成まで)
上手・中倉女流初段:1一王、1二香、1三歩、2一桂、2三歩、3四歩、3六桂、4三歩、4四桂、5一角、5四歩、6三歩、8九竜、9一香、9三歩、9八金 持駒:金2、歩
下手・一公:1七歩、1八玉、1九香、2七歩、2九桂、3一竜、3七歩、3九銀、4七歩、4八銀、5六歩、5七角、7六歩、8四歩、9七歩、9九香 持駒:金、銀2、歩2
昨年12月11日のLPSA金曜サロン、昼は中倉女流初段、夜は大庭美樹女流初段の担当だった。
中倉女流初段はいつもさわやか、20代と言ってもまだ誤魔化せる、ピュアピュアな女流棋士である。金曜サロンには会社帰りに寄る会員も多いが、中倉女流初段はおもに昼の担当なので、そういう方はほとんど指せない。もっとも会員でなくても、中倉女流初段に教えを乞いたいファンは全国にいるわけで、こうして指導対局いただける境遇をありがたく思っている。
対局開始。いつものように緊張している私は、初手を誤って☗6六歩、と指してしまった。これは悪手ではないが、あとの手を限定してしまった意味がある。
中倉女流初段は4手目に☖8四歩と突き、私は飛車を振る。いつもとは逆の戦形になった。
中倉女流初段が☖1二香と居飛車穴熊を明示したので、私は前週の悔しさを晴らすべく、再び向かい飛車に振り直す。そして☗8六歩。以下☖同歩☗同角☖8四歩に、今回は☗9五角と、図々しくこの歩を取りにいってみた。上手が7三歩型だったので☖7三銀はないが、☖8五歩と伸ばす手はある。しかし中倉女流初段は☖2四角とのぞいたので、☗8四角☖5七角成☗6五歩☖8四飛と、華々しい戦いになった。やはり女流棋士との将棋は、こうした展開でなくては面白くない。
しかし局面は、私が優勢になる手を逃し、敗勢になった。しかし中倉女流初段も多面指しゆえ、決め手を逃す。そこでやや私が指し易くなったと思った。
そして最終盤、上手・2二銀、下手・3二金、4一飛の局面で、中倉女流初段が☖3一金と指し、☗同金☖同銀☗同飛成となったのが冒頭の局面である。
なんとここで中倉女流初段は「負けました」と投了してしまった。
私はまだまだむずかしい形勢だと気を引き締めていたのだが、☖2二金は☗5一竜と角を取られて、攻防ともに見込みがないらしい。まだ対局者が控えていたことも投了の一因だったかもしれないが、妹の宏美女流二段や船戸陽子女流二段なら、間違いなく☖2二金と指す。3人とも美人だが、ここがおふたりとの違いである。
中倉女流初段はそのお顔と同様、勝っても負けても、いつもさわやかな手順で来られる。大いに見習いたいと思う。
言うまでもないが、宏美女流二段や船戸女流二段がさわやかな指し手ではない、という意味ではない。ここは強調しておかないと、あとあとめんどうなことになる。念のため。
(95手目☗3一同飛成まで)
上手・中倉女流初段:1一王、1二香、1三歩、2一桂、2三歩、3四歩、3六桂、4三歩、4四桂、5一角、5四歩、6三歩、8九竜、9一香、9三歩、9八金 持駒:金2、歩
下手・一公:1七歩、1八玉、1九香、2七歩、2九桂、3一竜、3七歩、3九銀、4七歩、4八銀、5六歩、5七角、7六歩、8四歩、9七歩、9九香 持駒:金、銀2、歩2
昨年12月11日のLPSA金曜サロン、昼は中倉女流初段、夜は大庭美樹女流初段の担当だった。
中倉女流初段はいつもさわやか、20代と言ってもまだ誤魔化せる、ピュアピュアな女流棋士である。金曜サロンには会社帰りに寄る会員も多いが、中倉女流初段はおもに昼の担当なので、そういう方はほとんど指せない。もっとも会員でなくても、中倉女流初段に教えを乞いたいファンは全国にいるわけで、こうして指導対局いただける境遇をありがたく思っている。
対局開始。いつものように緊張している私は、初手を誤って☗6六歩、と指してしまった。これは悪手ではないが、あとの手を限定してしまった意味がある。
中倉女流初段は4手目に☖8四歩と突き、私は飛車を振る。いつもとは逆の戦形になった。
中倉女流初段が☖1二香と居飛車穴熊を明示したので、私は前週の悔しさを晴らすべく、再び向かい飛車に振り直す。そして☗8六歩。以下☖同歩☗同角☖8四歩に、今回は☗9五角と、図々しくこの歩を取りにいってみた。上手が7三歩型だったので☖7三銀はないが、☖8五歩と伸ばす手はある。しかし中倉女流初段は☖2四角とのぞいたので、☗8四角☖5七角成☗6五歩☖8四飛と、華々しい戦いになった。やはり女流棋士との将棋は、こうした展開でなくては面白くない。
しかし局面は、私が優勢になる手を逃し、敗勢になった。しかし中倉女流初段も多面指しゆえ、決め手を逃す。そこでやや私が指し易くなったと思った。
そして最終盤、上手・2二銀、下手・3二金、4一飛の局面で、中倉女流初段が☖3一金と指し、☗同金☖同銀☗同飛成となったのが冒頭の局面である。
なんとここで中倉女流初段は「負けました」と投了してしまった。
私はまだまだむずかしい形勢だと気を引き締めていたのだが、☖2二金は☗5一竜と角を取られて、攻防ともに見込みがないらしい。まだ対局者が控えていたことも投了の一因だったかもしれないが、妹の宏美女流二段や船戸陽子女流二段なら、間違いなく☖2二金と指す。3人とも美人だが、ここがおふたりとの違いである。
中倉女流初段はそのお顔と同様、勝っても負けても、いつもさわやかな手順で来られる。大いに見習いたいと思う。
言うまでもないが、宏美女流二段や船戸女流二段がさわやかな指し手ではない、という意味ではない。ここは強調しておかないと、あとあとめんどうなことになる。念のため。