一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

冬の北海道旅行・最終日

2010-02-18 00:20:19 | 旅行記・北海道編
13日(土)午前6時、デスク備え付けのアラーム音で、起こされる。私は寝ぼけ眼で布団から顔を出すと、傍らのリモコンを取り、テレビを点けた。早速チャンネルをビデオ設定に切り替える。
月見栞が出ていた。動く彼女を観るのは、DVD発売記念イベント以来である。ビデオを観賞するのは今回が初めてだった。
冒頭から、どうでもいいインタビューをやっている。月見栞のまぶたが一重に見えるのは気のせいか。スッピンに近い薄化粧だ。彼女はもっと綺麗だったはずだが、これが彼女の真の姿なのだろうか。まあよい。これからがお楽しみである。
いよいよ演技に入る。しかしこれがちょっとわざとらしい。彼女はこんな高い声ではなかった気がする。おかしい。こんなはずではない。イメージが違う。こちらは10日の夜からこの番組を楽しみにしていたのに、ちょっと興醒めしてきた。
もうひとつの番組も観てみるが、こちらも大同小異だ。
けっきょく何もせず、1時間が経ってしまった。やむを得ず、後続の番組を観る。今度は穂花が出ている。どこかのお金持ちのマダムという設定だが、これもどうしようもない。この日は8時10分の上り列車に乗らないと、以降の予定が瓦解する。
何か釈然としないまま、7時40分ごろチェックアウト。予定通り8時10分の普通列車に乗り、9時49分、終着岩見沢に着いた。
岩見沢は瀟洒な駅舎だったが、2000(平成12)年12月に火事に遭い、全焼してしまった。その後は長らくプレハブ駅で営業を続けていたが、現在は建て替えが完了しているはずである。その全貌を観たい。
当時はなかった「2階」のみどりの窓口で「1日散歩きっぷ」を買い、外へ出てみて、驚いた。レンガ造りのようなデザインの、シャレた2階建てのビルが東西に長く伸びている。10年前の雰囲気は消滅し、「新・岩見沢駅」という趣だった。
区間快速「いしかりライナー」が、10時05分岩見沢を発車。10時44分、札幌駅に着いた。ここからすぐ余市方面に向かいたいが、私はまたも途中下車し、駅横のネットカフェへ向かう。今回の旅行で3度目の入店だ。
そそくさとシートに座ると、前夜旭川で書いたブログの推敲をして、「公開する」のボタンを押した。
いままで旅行中の更新は、書き込み中の事故に備え、少し書いては更新していたのだが、「未公開」ボタンがあるのを知ってから、1回にまとめてから公開するようになった。
駅に戻ると、JRタワー1階の東コンコースに、高倉健らのポスターが貼られている。
JRタワー映画祭の宣伝を兼ねた「懐かしの映画ポスター展」で、高倉健主演のポスターが51枚、洋画のポスターが240枚も掲げられている。映画はおカネがかかるので私は観ないが、これらのポスターを見るだけで、時間が経つのを忘れてしまう。
高倉健を見るたび、森内俊之九段に似ていると思う。森内九段が高倉健に似ているというべきか。「エマニエル婦人」のポスターがある。将棋界のエマニエル婦人は誰だろう。洋画のポスターは、男女の愛がテーマなら、それをストレートに現わすデザインが多いようだ。
名残惜しいが、余市へ向かわなければならない。札幌駅のホームで立ち食いそばを食べ、列車を乗り継ぎ、午後12時43分、余市着。
昨秋に続いてわざわざここまで足を伸ばしたのは、駅前にある「ニッカウヰスキー・余市蒸留所」で、船戸陽子女流二段へのお土産を買うためであった。私は彼女を「私が勝手に選ぶ女流棋士ファンランキング」の最新版で、1位にした。しかしそれは必ずしも名誉なことではなく、半分ストーカーのケがある私に選ばれることは、迷惑千万であろう。今回はそのお詫びといえる。
1時から蒸留所内の無料案内がある。前回も参加させていただいたが、こちらの案内嬢は美人揃いで、何度案内されてもよい。今回も参加することにする。
待合室へ入ると、先客がひとりいた。案内数分前なのに、こんなに閑散で大丈夫かと心配をしていると、やがてぞくぞくと人が集まり、10人以上になった。
案内嬢は、長身で髪の長い美人だ。フジテレビの松尾翠、加藤綾子両アナウンサーと、タレントの上原美優を足して3で割ったようなお顔だ。余談だが、加藤アナは船戸女流二段と同じ4月23日生まれである。
敷地内は雪一面だ。前回と視点が違うと感じたのは気のせいではなく、雪の厚みのぶんだけ、目の位置が高くなったのだ。
さて案内は、前回と同じ説明になると思いきや、初めて聞いた話もあった。
ニッカウヰスキーは創業時、ウイスキーが熟成されるまで数年を要するため、それまでは果物をジャムに加工したりして売っていた。それで当初の社名は「大日本果汁株式会社」といった。ニッカウヰスキーの「ニッカ」とは、「大日本」の「日」と「果汁」の「果」を取ったものである。
30分ほどの案内を受けたあと、試飲会場へ向かう。ここで美味しいウイスキーの作り方を教えられる。1フィンガーのウイスキーに2フィンガーの水を足す。それに3個の氷を入れる。「1、2、3の法則」である。水はもちろんだが、氷もミネラルウォーターが望ましい。より美味しく飲むために、労を惜しんではいけない。
マドラーでかき回す回数は21回。かき回し終えたら、中央に立てて、スッと抜く。遠心力によって、ウイスキーが中央に溜まっているため、それを拡散させる意味がある。
これで42度が14度に薄められ、かき回されたことで少し氷が解け、12度まで下がる。飲んでいるうちにさらに氷が解け、10度になる。このときがいちばん美味しいそうだ。
いよいよ試飲である。3種類のウイスキーのほかに、ジュースやアップルワインが用意されている。私は昭和15年発売のロングセラー「アップルワイン」をチョイスしたが、コクのある甘みで、美味かった。
先ほどの案内嬢が、いかがでしたか? と笑顔で話しかけてくれる。
「いえもう、素晴らしい案内を、ありがとうございました」
ニッカウヰスキーの従業員はみな対応がしっかりしていて、感心する。この気遣いが、私のようなリピーターを生むのだ。LPSAの女流棋士も、この気概を持つことが大事である。
船戸女流二段には、アップルワインを買った。これは市場に出回らず、ここでしか買えない商品だ。とはいっても720ml・940円だから、ほかの女流棋士が羨むことはないはずである。
蒸留所を出て、駅前の小汚いそば屋でもりそばを食べる。これが意外に美味かった。何においても外見で騙されてはいけないが、そば屋はとくにそうで、なんの変哲もない店が、美味いそばを供してくれるときがある。遠軽(えんがる)駅前、名寄市内で食べたもりそばがそうで、その味は忘れられない。
余市駅に戻る。構内の土産物コーナーで、190mlの瓶コカコーラを飲む。昨秋の北海道旅行記をお読みいただければ分かるが、これも「お約束」のひとつである。
3時29分、小樽に着く。改札口前で、ホットワインの無料提供があった。赤ワインに紅茶とハチミツを混ぜたものだ。「おたるワイン」を買ってください、というPRである。ここでもワインか。また船戸女流二段を思い出す。
(ワインを飲むにはワイングラスが必要じゃないかしら?)
という船戸女流二段の声が聞こえたような気がする。
(せ、先生はワイングラスは、いっぱい持っているでしょう?)
と、天の声をかき消す。
アーケード街で喫茶店に入り一休みしたあと、けっきょく北一硝子へ向かうことにする。我ながら、バカじゃなかろうかと思う。
小樽美術館の市民ギャラリーで、小樽潮陵高校美術部の作品を観賞する。そのまま坂を下ると、小樽郵便局だ。20年前の「愛のバレンタイン事件」を思い出す。そこを右折すると北一硝子が見えてくる。といっても本館のほかに分館がいくつもあって、全部見ようと思えばけっこうな時間を要する。
北一硝子を出ると、ほどよい暗さになってきた。今度は小樽運河へ向かう。
小樽では「小樽雪あかりの路」が開催中だ。早いもので、今年で12回目になる。第1回は小樽運河に球状のキャンドルを浮かべる程度でパッとしなかったが、旧手宮線の廃線跡を有効利用し、雪のトンネルを造ったりして、集客に成功している。
小樽運河は観光客でいっぱいだ。こんな味気ない運河のどこがいいのかと思うが、運河に浮かぶキャンドルが幻想的だ。運河脇の倉庫群も古色蒼然たる味を出していて、たしかに写真を撮りたくなる。運河を1枚だけ撮って、引き返す。
旧手宮線に出た。「スノートンネル」に寄って、また写真を1枚撮る。これで冬の北海道旅行は、実質的に終わった。翌日のLPSA「ミネルヴァファンクラブイベント」に参加するので、あとは新千歳空港へ向かうだけである。
まだ時間があったので、駅前にあるデパート地下のラーメン屋へ入る。テレビは冬季オリンピックの開会式を流している。出されたラーメンは美味かったが、ちょっと切ない味がした。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする