一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

将棋ペンクラブ関東交流会2012(後編)

2012-06-09 00:24:59 | 将棋ペンクラブ
「大沢さんだ」
と田村真理子さんがつぶやく。私のことをご存じなのだろうか。感激である。
田村さんの先手で▲7六歩△3四歩▲7五歩。田村さんの石田流になった。私は△6三銀~△5四銀と腰掛け仕掛けを狙うが、田村さんは慎重に陣容を整え、そのチャンスを与えない。
痺れを切らした私は△8六歩から飛車交換を目指したが、これは無謀だったかもしれない。△8九飛に田村さんは▲6五歩。悔しいが△5三銀と引いた。
しかし▲8五飛に△8七飛成が大悪手。8五飛にヒモがついているのをうっかりした。▲5三角成とボロッと銀を取られ、ここで私は投了した。
感想戦では、△5三銀で△8五歩を指摘された。▲8五同桂と取らせておけば、あとの▲8五飛がない。指摘されればナルホドという手で、まったく読んでいなかった。
告白すれば、対局するまで田村さんは、せいぜいアマ二段程度の棋力とフンでいた。昨年の「LPSA将棋パーク」で田村さんの将棋を拝見したが、あまり手が見えるふうでなかったからだ。それで私は棋友に、「田村さん相手なら角落ちで勝つ」と豪語した。
今回それを証明するチャンスだったが、角落ちはおろか、平手で吹っ飛ばされてしまった。まったく田村さんに失礼な話で、己の不明を恥じるよりない。
田村さんが今後どこに行くのか分からぬが、これからも女流将棋界で頑張ってもらいたい。
6局目はKun氏と。Kun氏とは前週の将棋合宿でも指しているし、いまさらという感じなのだが、前局は痛い敗戦を喫しているので、早くもリベンジのチャンスがやってきたと考えた。
Kun氏の石田流。これで3局連続石田流だ。アマプロ問わず石田流が席巻し、泉下の升田幸三実力制第四代名人も苦笑いしているのではなかろうか。
私は棒金模様に構える。数手後、Kun氏の▲6五歩が疑問だった。ただでさえこちらから△6五銀とぶつけたいところだったからだ。本譜は△6五同銀▲同銀△同金と棒金が捌け、以下勝つことができた。
実力者のKun氏に勝てれば自信になる。しかしきょうのKun氏は調子が悪かった。
時刻は2時半を過ぎている。●○●○●○、と来て最終7局目はIshi氏と。Ishi氏の筋違い角。序盤早々一歩を取られるのはシャクに障るが、防ぎようがない。
▲2四歩△同歩▲2三歩△同銀▲2四銀△同銀▲同飛△2三歩▲2八飛。
先手は棒銀が捌けたようだが、一歩を損しているので、この取り引きは私が得をした。
以下私が手堅く指し、圧勝形。逆の立場だったら、とうに投了しているところだ。
△7九銀▲9八玉△6八金(と金を取る)。これで私の勝ちとフンでいたら、▲2三飛成とされ、飛び上がった。△2三同金は▲4三銀△3一玉▲3二金までの詰み。先手玉の詰みを探すが、よく分からない。局面の一部を記すと、

先手・Ishi氏:2三竜、5五桂、6七桂、7五歩、8七歩、9六歩、9八玉、9九香 持駒:金、銀…
後手・一公:3九角、4二玉、6八金、7九銀、7一飛、8五歩、9二角、9四歩 持駒:金、銀…

だった。
ここから△8八金▲9七玉△8七金▲同玉△6五角まで、私の勝ち。
△9七銀や△8九銀では、一枚足りない。いまはこれまでか、と観念したが、私は△8八金の俗手から△8七金と捨て、△6五角と飛び出した。これが4三の地点に利くから、それで竜を外して勝ち、と見たものだが、△6五角の局面は、これで先手玉が詰んでいる。我ながらうまい詰めがあったものだ。
交流会将棋大会は、4勝3敗で終了。今年は可もなく不可もない成績だった。
同じ大広間で、3時50分から懇親会開始。今年も80人近い出席があったようだ。
勝ち星の多い順から前に出て、欲しい品物を選び、一言自己紹介する。
今年は7勝がひとり、5勝が3人いた。私の番が来る。4勝は何人かいたが、みんなが賞品の選択に迷っているスキに、私はさっさと森内俊之名人の「希望」を頂戴した。
「大沢です。きょうはあこがれの田村さんと将棋を指すことができました。しかし50手ほどで吹っ飛ばされました…」
4時20分ごろ、木村晋介将棋ペンクラブ名誉会長の音頭で乾杯。あちこちで歓談の輪が広がった。
声楽家・宮本聡之氏が見事な喉を披露する。宮本氏はかつて「近代将棋」にエッセイを連載していた。
神谷広志七段の姿がある。神谷七段は「将棋寄席」でも拝見したことがある。将棋ペンクラブに理解を示してくださっているようだ。
5時少し前に、渡辺明竜王・王座が見えた。こうして顔を見せてくれるだけでもありがたい。
少し経って、バトルロイヤル風間さんが来場。将棋女子に、無料で似顔絵を描いていた。いつも思うのだが、バトルさんの似顔絵は天才的である。
さらに窪田義行六段も登場。来るべき人が来た、という感じである。
私の左にはミスター中飛車氏、向かいはKi氏、Kuw氏。しばし歓談していると、湯川博士幹事が来た。
「君、ブログで暴れてるんだって?」
「いえ」
「君がなんか書くと、ワタシがいろいろ言われるのよ」
「ああ、すみません」
なんだか似たようなケースをほかにも聞いたことがある。そうだ、私がブログで脱線すると、某女流棋士から、棋友のW氏に抗議?のメールが行くらしい。
三遊亭とん楽師匠がきた。とん楽さんには鯨料理の店を紹介していただいたことがあるのだが、いまだに女流棋士を連れていっていない。今度中井広恵女流六段を誘っちゃおうか。
そんなとん楽さんには、癒していただいた。感謝に堪えない。
楽しい話は続き、盛況の中、6時半ごろに中締めとなった。
このあとは二次会に流れ、当初は私も参加するつもりだったのだが、なんだかテンションが下がり、私はそのまま帰宅した。
来年は将棋会館で開かれるかどうか甚だ怪しいが、また皆さんに会えることを楽しみにしている。
コメント (2)
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