一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

中井広恵と行く稚内ツアー(第0手)・ついに実現

2012-06-12 00:05:42 | 将棋イベント
中井広恵女流六段は、ご存じ北海道稚内市の出身である。
稚内には将棋の稚内支部があり、日々精力的な活動を行っている。中井女流六段はつねづね、稚内に飛んで、稚内支部と東京の将棋ファンとの交流を図りたい、と口にしていた。
しかし中井女流六段も多忙で、月日はむなしく経つばかり。今年こそは実現したいと、中井女流六段が声明を出したのが2月上旬であった。
日程は土日を含む4日間。土曜日に交流戦&懇親会を開き、それをメインとする。稚内まで行くわけだから観光も入れる。ガイドは中井女流六段直々である。
そこで私たち有志も、ジョナ研&大野教室などで、棋友に参加を呼びかけた。
平日に2日間休みを取れる社会人は多くないし、現実的におカネもかかる。対抗戦をやるには最低でも5人はほしいが、そこまで人数が集まるかどうか。
ところがフタを開けてみると、目標の5人どころか、8人まで参加者が集まった。なおこの中には、2泊3日組も含まれている。
3月、「中井広恵と行く、稚内支部との対抗戦&食い倒れツアー」の日程が6月7日(木)~10日(日)と決まった。話がついに現実のものとなり、私たちは興奮を抑えきれなかった。
4月7日。渡北2か月前になるのを待って、私たちは「いっしょにマイル割」等を駆使して「東京←→稚内」のチケットを購入した。
5月、当初は不参加の予定だったFuj氏が、2泊ながら参加の運びとなった。
また2泊での参加予定だったHon氏が、奥さんへのお土産を充実させるという条件込みで、3泊での参加に変更した。さらに中井女流六段のご両親も室蘭から参加のことで、これに植山悦行七段、大野八一雄七段、観戦記者の大矢順正氏も合わせて、総勢15人の大団体となったのである。
6月2日(土)、大野教室に出向いた折、中井女流六段お手製の「ツアーの手引き」をいただいた。
行きの飛行機は、12時05分発ANA573便である。集合場所は羽田空港第2ターミナル2階の「とらや」前、ということは事前に聞いていたが、集合時間が銘記されていない。そこで私は、「午前11時集合」と、某ブログに書き込みをした。
ただしこれが参加者の目に留まったのかどうかは、確認できなかった。
そんな経緯があり、ついに7日を迎えたのである。

7日(木)午前10時、自宅を出る。ちょっと迷って、近くのスーパーに寄った。500mlの緑茶が78円だったので、これを手に取る。
ベビースターラーメンがあった。ベビースターラーメンは、ゴールデンウィークの旅行中、鹿児島県指宿で昼食難民になったとき、空腹を慰めてくれたスナック菓子である。先月の合宿でも、お菓子の中にあった。
「ツアーの手引き」には、「お菓子は各自500円以内でお願い致します」とあったから金額的には問題ないが、続けて「ベビースターラーメンは中井女流ダイエット中の為、持ち込み厳禁となっております」とあった。
ベビースターラーメンのチキン味は一口頬張ると癖になるが、規則とあらば仕方ない。私は購入を控えた。
結局お茶のみ買って、袋を要求しなかったから2円引きの76円。これはお値打ちだった。
最寄駅からは山手線に乗った。しかし京浜東北線は車両故障だか人身事故があったかで、不通になっていた。中井・植山両先生は大丈夫だろうか。
浜松町に着いた。Suicaの残金が20円なので、改札を出た後、東京モノレールの券売機に向かう。「羽割きっぷ」なるものが窓口で売られている。浜松町と羽田空港を往復して800円。通常より140円おトクだ。ほかにも企画切符があるので煩雑は避けるが、この切符を買っておけば間違いない。
10時40分の区間快速に乗る。終点の羽田空港第2ビルには11時02分に着いた。この時点で遅刻が確定しているが、負い目はない。しかしみんなは「とらや」にいるのだろうか。
エスカレーターで2階に上ると、植山七段とHis氏が私に向かって歩いてきた。
「とらや、分かりませんでした?」
と植山七段。
「すみません、いま来たところなんで」
「ダメですよオ、遅刻しちゃ。今回は団体行動なんですから」
植山センセイには言われたくないが、それはもっともである。中井・植山両先生は、40分も前から待っていたという。それは少し早すぎだろう。
とらや前に行くと、中井女流六段を始め、みんなが揃っていた。中井女流六段に会うのは先月の合宿以来。相変わらず魅力的だ。
ここで今回の参加者を改めて記すと、中井女流六段、植山七段、大野七段、大矢氏、W氏、His氏、Hon氏、ミスター中飛車氏、Kub氏、私。そして室蘭からは中井女流六段のご両親。翌日はKun氏、Is氏、Fuj氏が合流する。
なお先月の合宿に参加したR氏とKaz氏は都合により欠席。当人はいまごろ悶えているだろうが、彼らには幸せな家庭があるので、私は同情しない。
私はみんなにお詫びし、チェックインを済ませる。私が選んだのは「後方席」。「43F」はどこになるのだろう。
手荷物検査場を抜ける。植山七段が遅いが、ベルトのバックルが反応してしまったらしい。
待合室でしばし待つ。これ、と中井女流六段が小冊子をくれた。「将棋クイズ」とあり、50の設問が書かれていた。機内でヒマをつぶしてください、との意である。これも中井女流六段の自作である。中井女流六段、ヒマなのか熱心なのか分からぬが、ともかくありがたい配慮であった。
搭乗するために搭乗口の前で列を作ったが、前にいたオジサンが私たちをチラチラ見ている。そして私に話かけてきた。
「あの方は将棋の中井さんですか?」
先月の秩父合宿でもそうだったが、中井女流六段は全国区である。飛行機へは連絡バスに乗ったが、オジサンは中井女流六段とずっと話していた。
その中井女流六段と、私たちはこれから、4日間行動をともにするのだ。夢のようだと、改めて思う。
「43F」は最後尾だった。こんな後方しか残っていないということは、満席を意味する。稚内直行便は1日2便しかないこともあるが、これはめでたいことだ。
左にHis氏、右にKub氏が座り、12時19分、ボーイング767-300は離陸した。
(つづく)
コメント (2)
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