※稚内将棋道場より投稿します。
6月2日(土)は、久しぶりに「大野教室」に行った。前回お邪魔したのは4月22日(日)だから、40日以上も間が空いたことになる。
午後1時45分ごろ入室。室内にはパラパラッと人がいた。きょうはお客が少なめである。
大野八一雄七段はKun氏らと3面指し。奥の植山悦行七段は2面指し。そのほかに自由対局があった。それにW氏もいるので、やっぱりそこそこ生徒はいる。
私の対局だが、現在感想戦を行っているI君が高校竜王戦に出場するとかで、そのスパーリング相手として、私が指すことにした。
振り駒で私の先手。I君は居飛車党だが、後手番だと一手損角換わりでくる。
その相手はしたくないので、私は石田流に出た。私は▲5五銀~▲4六角と数の攻め。△8四飛▲7四歩△同歩▲6四銀△同銀▲同角△7五銀▲同飛△同歩▲9一角成まで、私も指せる棋勢となった。
△7五銀の両取りは指したくなるところだが、ここは軽く△7五歩と突き、▲同角△7四飛なら、私の飛車角が釘づけになり、具合が悪かった。
▲9一角成からは私がわずかなリードを保ち、終盤戦に突入した。▲9二飛の王手に△4二金打なら▲5四桂で先手が勝つが、△3三玉と立たれて分からなくなった。そこから少し進んだ局面が下である。
先手・一公:1七歩、1九香、2五銀、2七歩、2九桂、3六歩、3八銀、3九銀、4七歩、5二竜、5三成香、5七歩、6一成桂、8五歩、9六歩、9九香 持駒:金、銀、桂、歩4
後手・I君:1一香、1五歩、2一桂、2三歩、3一金、3二金、3三玉、3四歩、4四歩、4九と、6四角、7九飛、8七角、8九と 持駒:金
ここで私は▲3五歩と突いたが、少し軽かった。以下△3九と▲3四銀△2二玉▲2三銀成△同玉▲3二竜と進んだが、全然詰まなかった。
感想戦では、△3三玉の次▲3六桂が詰めろで、こう指されたらイヤだったとI君。なるほど▲3六桂か。私は全然見えなかった。
▲3五歩では▲2六桂だったと、これは私の主張。これには△2四金だろうが、▲同銀△同玉▲3七桂…でどうか。というところで、3時休みになった。
きょうは第6期マイナビ女子オープンのチャレンジマッチが、千代田区のパレスサイドビルで行われている。すでに何回戦か進んでいるが、1回戦の渡部愛アマ(ツアー女子プロ)と田村真理子アマの一局面を、Fuj氏が私に見せた。同棋戦のサイトに画像でアップされたものを、Fuj氏が書き写したらしい。
その局面は、愛ちゃんの敗勢。この将棋は愛ちゃんが勝ったことは知っていたが、ここからよく逆転したものだ。Fuj氏はそれが信じられないようで、どうやったら逆転するか、その手順を私に問う。そんなもの知るか。
こんなもん考えたって無意味で、実戦の手順を聞くしかないのである。ところがFuj氏はそれでは納得せず、自分で解を見つけないと気が済まないのだ。Fuj氏はかつてジョナ研で、馬付き四枚穴熊を原始棒銀で崩せるかを真剣に研究してたことがあるが、アレと同じだ。
Fuj氏の将棋好きはたいへん結構だが、この辺りがついていけない。
3時休みに出された詰将棋は実戦形で、解図意欲がわいた。といっても解くことはなく、私は表へ出て、Hon氏と雑談する。そこへ大野七段と植山七段も、外の空気を吸いに来た。私は先ほどの局面を見せる。むずかしいが、先手に勝ちがありそう、が植山七段の見解だった。
3時休みが終わったあとは、大野七段に教えていただく。手合いはいつものように角落ち。私は矢倉を構築した。しかし下手玉には欠陥があり、まだ居玉だった。
△5二飛▲5八飛△5五歩▲同歩に△同飛! 中盤までで上手から飛車交換を挑んでくる場合は、100パーセント上手に利がある。私は▲5六歩と謝ったが、△6五飛と歩を掠め取られ、形勢を損ねた。
私は▲8四角と出て歩損を解消。数手後の局面が下である。
上手・大野七段:1一香、1三歩、2一桂、2三歩、3二玉、3三銀、4二金、4四銀、4五歩、5四金、5五歩、7三歩、8一桂、8五飛、9一香、9三歩 持駒:歩4
下手・一公:1七歩、1九香、2九桂、4七歩、5八飛、5九玉、6六銀、6七金、7五角、7六歩、7八金、8七歩、8九桂、9七歩、9九香 持駒:歩3
以下の指し手。▲7七桂△8二飛▲6五銀△同金▲同桂△7四銀▲3四歩△同銀▲5四金△7五銀▲4四金△6六歩▲7七金寄△6四銀▲3四金△2五歩▲2八飛△3四角▲3五歩△4三角▲3四銀△6五角▲6六金△4七角成▲4三歩△3三金▲5八銀△1四馬▲3三銀成△同玉▲2五金△同馬▲同飛△2四金▲4二角△同飛▲同歩成△2五金▲3二飛△4四玉▲3四飛成△5三玉▲4三と△6三玉▲6五歩△8九飛▲6九銀△5七銀▲6四歩△7二玉 まで、大野七段の勝ち。
▲7七桂と跳ねて△8五飛を8二に引かせ、▲6五銀と5四の金にブツケていった。これが大野七段の意表を衝いた。
△7四銀と打って大野七段は十分と見ていたが、私の▲3四歩~▲5四金が好手。下手がおもしろい形勢になったようだ。ただし対局中は私も自信がなく、それが後の手順に現れる。
△6六歩に▲7七金寄が疑問手。当然▲6八金引だった。続く△2五角に▲2八飛も覇気のない手。手順に金、桂を取られ、△4七角成と馬を作られ大損した。感想戦では、▲3三歩△同桂▲3五金を推奨された。以下△4七角成▲3四歩で下手十分。私は△4七角成ばかりを恐れ、正確な読みを欠いた。
しかし感想戦での教えはためになる。この瞬間だけ、自分が香一本強くなった気がする。
マイナビチャレンジマッチは、ぼちぼち勝ち抜き者が出ている。Fuj氏の報告によると、中倉彰子女流初段が3連勝で抜けたという。マジか!?
(つづく)
6月2日(土)は、久しぶりに「大野教室」に行った。前回お邪魔したのは4月22日(日)だから、40日以上も間が空いたことになる。
午後1時45分ごろ入室。室内にはパラパラッと人がいた。きょうはお客が少なめである。
大野八一雄七段はKun氏らと3面指し。奥の植山悦行七段は2面指し。そのほかに自由対局があった。それにW氏もいるので、やっぱりそこそこ生徒はいる。
私の対局だが、現在感想戦を行っているI君が高校竜王戦に出場するとかで、そのスパーリング相手として、私が指すことにした。
振り駒で私の先手。I君は居飛車党だが、後手番だと一手損角換わりでくる。
その相手はしたくないので、私は石田流に出た。私は▲5五銀~▲4六角と数の攻め。△8四飛▲7四歩△同歩▲6四銀△同銀▲同角△7五銀▲同飛△同歩▲9一角成まで、私も指せる棋勢となった。
△7五銀の両取りは指したくなるところだが、ここは軽く△7五歩と突き、▲同角△7四飛なら、私の飛車角が釘づけになり、具合が悪かった。
▲9一角成からは私がわずかなリードを保ち、終盤戦に突入した。▲9二飛の王手に△4二金打なら▲5四桂で先手が勝つが、△3三玉と立たれて分からなくなった。そこから少し進んだ局面が下である。
先手・一公:1七歩、1九香、2五銀、2七歩、2九桂、3六歩、3八銀、3九銀、4七歩、5二竜、5三成香、5七歩、6一成桂、8五歩、9六歩、9九香 持駒:金、銀、桂、歩4
後手・I君:1一香、1五歩、2一桂、2三歩、3一金、3二金、3三玉、3四歩、4四歩、4九と、6四角、7九飛、8七角、8九と 持駒:金
ここで私は▲3五歩と突いたが、少し軽かった。以下△3九と▲3四銀△2二玉▲2三銀成△同玉▲3二竜と進んだが、全然詰まなかった。
感想戦では、△3三玉の次▲3六桂が詰めろで、こう指されたらイヤだったとI君。なるほど▲3六桂か。私は全然見えなかった。
▲3五歩では▲2六桂だったと、これは私の主張。これには△2四金だろうが、▲同銀△同玉▲3七桂…でどうか。というところで、3時休みになった。
きょうは第6期マイナビ女子オープンのチャレンジマッチが、千代田区のパレスサイドビルで行われている。すでに何回戦か進んでいるが、1回戦の渡部愛アマ(ツアー女子プロ)と田村真理子アマの一局面を、Fuj氏が私に見せた。同棋戦のサイトに画像でアップされたものを、Fuj氏が書き写したらしい。
その局面は、愛ちゃんの敗勢。この将棋は愛ちゃんが勝ったことは知っていたが、ここからよく逆転したものだ。Fuj氏はそれが信じられないようで、どうやったら逆転するか、その手順を私に問う。そんなもの知るか。
こんなもん考えたって無意味で、実戦の手順を聞くしかないのである。ところがFuj氏はそれでは納得せず、自分で解を見つけないと気が済まないのだ。Fuj氏はかつてジョナ研で、馬付き四枚穴熊を原始棒銀で崩せるかを真剣に研究してたことがあるが、アレと同じだ。
Fuj氏の将棋好きはたいへん結構だが、この辺りがついていけない。
3時休みに出された詰将棋は実戦形で、解図意欲がわいた。といっても解くことはなく、私は表へ出て、Hon氏と雑談する。そこへ大野七段と植山七段も、外の空気を吸いに来た。私は先ほどの局面を見せる。むずかしいが、先手に勝ちがありそう、が植山七段の見解だった。
3時休みが終わったあとは、大野七段に教えていただく。手合いはいつものように角落ち。私は矢倉を構築した。しかし下手玉には欠陥があり、まだ居玉だった。
△5二飛▲5八飛△5五歩▲同歩に△同飛! 中盤までで上手から飛車交換を挑んでくる場合は、100パーセント上手に利がある。私は▲5六歩と謝ったが、△6五飛と歩を掠め取られ、形勢を損ねた。
私は▲8四角と出て歩損を解消。数手後の局面が下である。
上手・大野七段:1一香、1三歩、2一桂、2三歩、3二玉、3三銀、4二金、4四銀、4五歩、5四金、5五歩、7三歩、8一桂、8五飛、9一香、9三歩 持駒:歩4
下手・一公:1七歩、1九香、2九桂、4七歩、5八飛、5九玉、6六銀、6七金、7五角、7六歩、7八金、8七歩、8九桂、9七歩、9九香 持駒:歩3
以下の指し手。▲7七桂△8二飛▲6五銀△同金▲同桂△7四銀▲3四歩△同銀▲5四金△7五銀▲4四金△6六歩▲7七金寄△6四銀▲3四金△2五歩▲2八飛△3四角▲3五歩△4三角▲3四銀△6五角▲6六金△4七角成▲4三歩△3三金▲5八銀△1四馬▲3三銀成△同玉▲2五金△同馬▲同飛△2四金▲4二角△同飛▲同歩成△2五金▲3二飛△4四玉▲3四飛成△5三玉▲4三と△6三玉▲6五歩△8九飛▲6九銀△5七銀▲6四歩△7二玉 まで、大野七段の勝ち。
▲7七桂と跳ねて△8五飛を8二に引かせ、▲6五銀と5四の金にブツケていった。これが大野七段の意表を衝いた。
△7四銀と打って大野七段は十分と見ていたが、私の▲3四歩~▲5四金が好手。下手がおもしろい形勢になったようだ。ただし対局中は私も自信がなく、それが後の手順に現れる。
△6六歩に▲7七金寄が疑問手。当然▲6八金引だった。続く△2五角に▲2八飛も覇気のない手。手順に金、桂を取られ、△4七角成と馬を作られ大損した。感想戦では、▲3三歩△同桂▲3五金を推奨された。以下△4七角成▲3四歩で下手十分。私は△4七角成ばかりを恐れ、正確な読みを欠いた。
しかし感想戦での教えはためになる。この瞬間だけ、自分が香一本強くなった気がする。
マイナビチャレンジマッチは、ぼちぼち勝ち抜き者が出ている。Fuj氏の報告によると、中倉彰子女流初段が3連勝で抜けたという。マジか!?
(つづく)