タイトルを獲るのは難しい。毎年毎年当たり前のようにタイトル数を増やしている羽生善治名人は例外中の例外であって、棋士人生で1期でも獲れれば、大いなる勲章となる。
そこで今日は、1回だけタイトルを獲得した棋士を調べてみた。
すると、以下の7名が判明した。
有吉道夫九段…1972年後期・第21期棋聖(3-2)中原誠→翌期(1-3)米長邦雄
大内延介九段…1976年・第1期棋王 内藤國雄、高島弘光との三者リーグによる→(0-3)加藤一二三
森安秀光九段…1983年前期・第42期棋聖(3-2)中原誠→(1-3)米長邦雄
田中寅彦九段…1988年前期・第52期棋聖(3-2)南芳一→(2-3)中原誠
島朗九段…1988年・第1期竜王(4-0)米長邦雄→(3-4・1持将棋)羽生善治
塚田泰明九段…1987年・第35期王座(3-2)中原誠→(0―3)中原誠
広瀬章人八段…2010年・第51期王位(4-2)深浦康市→(3-4)羽生善治
有吉九段は名人戦、王将戦などのタイトル戦に何度も登場しているが、意外にもタイトルは第21期棋聖の1期のみ。全盛時の大山康晴十五世名人に当たったのが不運だった。もっとも有吉九段にとってこの師弟戦は、タイトル以上の勲章であったろう。
大内九段も棋史に残る名棋士だが、タイトルは1期しかない。第1期棋王戦は第1期ということもあって、リーグ戦の勝者がタイトルホルダーとなった。前年の名人戦七番勝負であまりにも痛い敗戦を喫したが、腐らずにタイトルを獲ったのは特筆に値する。
森安九段もタイトル1期。1980年代前半の森安九段は脂が乗って、本当に強かった。第42期棋聖戦は当時の中原棋聖に2連敗から3連勝。うれしい初タイトルとなった。しかしその2年後の王座戦五番勝負では、中原王座に2連勝のあと3連敗して大魚を逸した。第4局は優勢からの逆転負けで、ここで勝っていたら、もう少し違った人生になっていたかもしれない。
田中九段は将棋大賞の勝率一位賞を4回も獲っているが、意外にもタイトルは第52期棋聖の1期のみである。勝率がタイトルに関係しないのが、難しいところである。
将棋界最高の公式戦・竜王戦の初代覇者は、当時26歳の島九段。島九段は翌年の防衛戦の対局場で、奥様を見初めた。私から見れば、この2年間だけで十分という感じである。
塚田九段は22歳で初戴冠。中原王座との五番勝負は●●○○○だったが、これは上の有吉九段、森安九段と同じ星の並びである。ちなみに中原十六世名人は屋敷九段にも同じ星で棋聖位を獲られており、意外とやらかしている(ほかに、山田道美棋聖に2連勝3連敗というのもある)。塚田九段は高校1年で棋士になったが、若いころは本当に輝いていた。それを思うと、タイトル1期のみという実績や、C級1組という現在のクラスは、ちょっとさみしい。
広瀬八段は王位1期。それがもう4年前というのだから、月日の経つ早さに驚く。広瀬八段はまだ27歳の若さであり、これからタイトル数を増やしていくだろう。
そこで今日は、1回だけタイトルを獲得した棋士を調べてみた。
すると、以下の7名が判明した。
有吉道夫九段…1972年後期・第21期棋聖(3-2)中原誠→翌期(1-3)米長邦雄
大内延介九段…1976年・第1期棋王 内藤國雄、高島弘光との三者リーグによる→(0-3)加藤一二三
森安秀光九段…1983年前期・第42期棋聖(3-2)中原誠→(1-3)米長邦雄
田中寅彦九段…1988年前期・第52期棋聖(3-2)南芳一→(2-3)中原誠
島朗九段…1988年・第1期竜王(4-0)米長邦雄→(3-4・1持将棋)羽生善治
塚田泰明九段…1987年・第35期王座(3-2)中原誠→(0―3)中原誠
広瀬章人八段…2010年・第51期王位(4-2)深浦康市→(3-4)羽生善治
有吉九段は名人戦、王将戦などのタイトル戦に何度も登場しているが、意外にもタイトルは第21期棋聖の1期のみ。全盛時の大山康晴十五世名人に当たったのが不運だった。もっとも有吉九段にとってこの師弟戦は、タイトル以上の勲章であったろう。
大内九段も棋史に残る名棋士だが、タイトルは1期しかない。第1期棋王戦は第1期ということもあって、リーグ戦の勝者がタイトルホルダーとなった。前年の名人戦七番勝負であまりにも痛い敗戦を喫したが、腐らずにタイトルを獲ったのは特筆に値する。
森安九段もタイトル1期。1980年代前半の森安九段は脂が乗って、本当に強かった。第42期棋聖戦は当時の中原棋聖に2連敗から3連勝。うれしい初タイトルとなった。しかしその2年後の王座戦五番勝負では、中原王座に2連勝のあと3連敗して大魚を逸した。第4局は優勢からの逆転負けで、ここで勝っていたら、もう少し違った人生になっていたかもしれない。
田中九段は将棋大賞の勝率一位賞を4回も獲っているが、意外にもタイトルは第52期棋聖の1期のみである。勝率がタイトルに関係しないのが、難しいところである。
将棋界最高の公式戦・竜王戦の初代覇者は、当時26歳の島九段。島九段は翌年の防衛戦の対局場で、奥様を見初めた。私から見れば、この2年間だけで十分という感じである。
塚田九段は22歳で初戴冠。中原王座との五番勝負は●●○○○だったが、これは上の有吉九段、森安九段と同じ星の並びである。ちなみに中原十六世名人は屋敷九段にも同じ星で棋聖位を獲られており、意外とやらかしている(ほかに、山田道美棋聖に2連勝3連敗というのもある)。塚田九段は高校1年で棋士になったが、若いころは本当に輝いていた。それを思うと、タイトル1期のみという実績や、C級1組という現在のクラスは、ちょっとさみしい。
広瀬八段は王位1期。それがもう4年前というのだから、月日の経つ早さに驚く。広瀬八段はまだ27歳の若さであり、これからタイトル数を増やしていくだろう。