一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

勝負師の彼女じゃ…イヤですか?Vol.3(後編)

2014-09-16 00:29:59 | LPSAイベント
先手・島井女流二段&涼崎プロ&ブルー連合軍
後手・宏美女流二段&万波三段&ピンク連合軍

▲7六歩△8四歩▲7八金△3四歩▲6九玉△8五歩▲6六歩△8六歩▲同歩△同飛▲7七金△8五飛▲8六歩△8二飛▲7八銀△6二銀▲2六歩△3五歩▲2五歩△3二銀
▲2四歩△同歩▲同飛△3三角▲2二歩△2四角▲2一歩成△同銀▲6七金△3二銀▲6五歩△8六飛▲1一角成△8七歩▲7七馬△8八歩成▲8六馬△7九飛▲5八玉△7八と
▲5九金△3六歩▲6八金引△同と▲同馬△8九飛成▲3四香△6六桂▲6七玉△5四歩▲3二香成△同金▲2一飛△4二玉▲2四飛成(図)△8七竜▲7七銀△7八銀▲6六玉△5五金
▲7五玉△7四香
まで、62手で宏美女流二段&万波三段&ピンク連合軍の勝ち。

私の△8六歩に、涼崎いづみプロは▲7七金と指そうとした。さすがにこれは周りが止めて、△8七歩成とされたときの被害の大きさを、中倉宏美女流二段と島井咲緒里女流二段が説明した。
当然の▲8六同歩も、超初心者には当然ではないのだ。いやこれは勉強になった。
△8六同飛に▲7七金が、横歩を取らせない手。局面は若干違うが、この1か月後に指された名人戦七番勝負第1局にもこの手が出てきて、私は唸ったものだった。
ちなみに名人戦では、羽生善治挑戦者はここで△8七歩と指したが、万波奈穂三段は△8五飛。なかなか個性的な手である。
客は番号順に当てられていき、当たった人は絶対に指さなければならない。しかし指し手の見当がつかない人もいて、ふつうに将棋が指せるのは、それだけで将棋が「強い」のだと認識した。
局面。△3三角の飛車取りに、別のお客が▲2二歩! ふつうなら「待った」だが、それをやっていたら将棋が終わらないので、そのまま進める。後手は飛車をありがたくいただいて、早くも勝勢になった。
しかし34手目△8七歩の応手は重要なところ。ここで島井女流二段がたまらず名乗り出て、▲7七馬と引いた。これに△8二飛なら、▲8六香が厳しく、先手が盛り返せる。
そこで、対抗で宏美女流二段が名乗り出て、△8八歩成とした。なるほどこの攻め合いがいい手か。私は全然分からなかった。
改めて、▲7七馬と△8八歩成。この2手の応酬は、さすがプロと唸らされた。
39手目▲5八玉で、再び私の番になった。「ああ…」と宏美女流二段の声。ここで大沢さんの手なら安心です、の意味だったろう。私は△7八とと銀を取った(正確には、指し手を発した)。ここで△7八飛成は、8八のと金が活用できず、面白くない。
先手も▲3四香から反撃し、▲2一飛の王手。ここで宏美女流二段が、強く△4二玉と上がる。合駒を使わなかったのは、先手玉に寄りがあると見越していたからだ。
先手は予定通り▲2四飛成(図)。しかし島井女流二段も、この局面は自信があるように見えた。
ここでミスター中飛車氏の番になり、氏は△8七竜と引く。宏美女流二段も納得の一手だったが、ここでは△7八銀とベッタリ打つ手があった。以下▲同馬は△同竜▲6六玉△7七角▲7五玉△7四金まで、綺麗に詰む。本譜の△8七竜でもいいが、若干紛れが生じている。
しかし実戦は単に▲6六玉だったので、△5五金▲7五玉とし、あと一手で詰みの局面となった。
ここで万波三段がこわごわと△7四香と指し、熱戦?に終止符が打たれた。
棋力がごちゃまぜの、ゴールが分からない展開だったが、終わってみれば妙な名局だったと思う。これも二人の女流棋士のリードのおかげだった。
でもこういう対局は楽しい。また体験してみたいと思った。

以下、再びトークとなる。万波三段は、精神的に疲れているときは、逆にいい囲碁が打てると言った。これは私もそうで、日常生活が満足していないときほど、いい将棋が指せる。いわゆる現実逃避で、別世界に没入してしまうのが大きい。
宏美女流二段と島井女流二段は、「二人の女勝負師」の話。これは4月から公開される映画で、LPSAが制作に協力しているのだ。宏美女流二段も友情出演しているという。
私の左にひっそりと座っていたおじさんが紹介されたが、彼が監督の池田眞也氏だった。あまり存在感がないので、分からなかった。
LPSAは3月23日(日)に、府中で「武蔵府中の国けやきカップ」が行うが、その前日と前々日に先行上映されるという。
その前売り券も1,000円で売られた。これを宏美女流二段直々に手売りされたらヤバかったが、その場限りで収まったので、買わないでおく。なお「二人の勝負師」は現在も公開中で、きのう9月15日は、大阪の映画館で上映された。
ここまで予定が滞りなく進み、最後はお楽しみの抽選会となった。賞品は4人の私物などだ。
私は1枚の抽選券にすべてを賭ける。しかし、ダメだった。中には2回当たったお客さんもいたが、これはどういう運の配分なのだろう。
これにてイベントは終了。今回も面白かった。基本はトークショーゆえマンネリ化は避けられないが、Vol.4も期待している。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする