16日(金)は「第28回将棋ペンクラブ大賞贈呈式」。私もそんなにヒマではないのだが、ここで顔を売っておくことが後のためになると考え、出席することにした。
場所は東京・四ツ谷。もう何度も書いているが、ここは私がサラリーマンだったころの勤務地だった。ちょうど20代後半から30代前半にあたり、6年半務めた。
ここの会社がいまでいうブラック企業で、それは以前もブログに書いたから重複を避けるが、呆れるのは、未だに「残業は月10時間」とか書いて職安に掲示しているらしいことだ。実際は月に何十時間もあり、それでいて残業代は1円も出さなかった会社がよく言うよと思う。つぶれろよ。
四ツ谷の駅に降りたのが午後6時少し前。開場は6時だがすぐに行っても部屋には誰もいないのだ。それで「小諸そば」をたぐっていくことにした。少しでも近い出口をと赤坂口に出たのだが、改札口も出口付近も、見たことのない景色で、動揺した。
あれほど四ツ谷を利用しておきながら、こちらの出口を利用したのは初めてだった。なんだか異次元の世界に迷い込んだようである。しかもいつもの四ツ谷口と比べて、「小諸そば」はより遠くなっていた。
小諸そばに入り、二枚もりを選択。コシがあって相変わらず美味かった。この味と量で320円はおトクである。
会場のスクワール麹町に着くと、自動ドアの前に上野裕和五段がいた。上野五段はかつて将棋ペンクラブ大賞を獲ったことがあり、会員仲間ではヒーローである。私も「魚百」や大野教室などで面識があり、挨拶をしていっしょに中に入った。
上野五段「(会場は)何階ですか?」
私「はぁ…私も知らないんです」
4階か5階だと思うのだが、私はいつも忘れる。と、ロビーにいたTod氏が「5階です」と言った。彼は贈呈式初参加ではあるまいか。この参加費は8,000円だが、大丈夫か?
3人でハコに乗る。
私「先生、今は何か著書を書いていらっっしゃるんですか?」
上野五段「今は相振り飛車の本を書いています」
出版が楽しみである。
5階で降りて、私は受付を済ます。もう6時20分ごろだろうか。でもこの時間でも、どうせ会場には誰もいないのだ。
私はドアを開ける。と、すでに参加者であふれていて、ビックリした。奥を見ると、今回の受賞者もすでに待機していた。開演時間を過ぎてからゆるゆると入場するイメージがあったので、これも意外だった。
知った会員に一通り挨拶。これは「最低限」で、お互い名前は知っているが話をしたことがない人は無視している。私は極度の人見知りなのだ。ヒトと話さずに済むならそれに越したことはない。
渡部愛女流初段の顔が見える。本日の指導棋士だが、今年は彼女のみ。スタッフは2人目も探したのだろうが、適わなかったのだろう。
司会の長田氏が25分ごろに一言述べ、30分になるとすぐに会が始まった。今年はなんだかスピーディーだ。
まずは最終選考委員・所司和晴七段の講評。
これはスタッフの妙手だった。ここ、以前は文芸評論家の西上心太氏がやっていて、所司七段は乾杯の挨拶だった。
だが、表彰式で木村晋介会長の短評が挟まれ、乾杯の際に所司七段も長々と講評をやってしまうので、ダブリ感がハンパなかったのだ。贈呈式は2時間しかないから、無駄は省かねばならぬ。今回はそれが改善されたということである。
もっともそれは、恐らく乾杯に回るであろう西上氏が、サッと乾杯を済ましてくれれば、という条件付きではあるが。
では所司七段による短評を簡単に記す。
観戦記大賞・佐藤圭司氏「観戦記の王道をいく、とてもマジメな文章です」
同優秀賞・先崎学九段「これはインターネットで発表されました。時代の流れで読む媒体も変わってきています」
文芸大賞・佐藤康光九段「将棋の世界が奥深く書かれています。将棋ファン以外の人にも読み応えのある、素晴らしい観戦記でした」
同優秀賞・白鳥士郎氏「棋士がハチャメチャに描かれていますが、骨組のストーリーが素晴らしいです」
技術大賞・鈴木大介八段「鈴木大介八段の開設がとてもおもしろい。それを引き出した編集者もよかったということでしょう」
同優秀賞・大平武洋六段「内容がユニークで、棋力向上においても素晴らしい著書です。後半がとくにおもしろいと感じました」
「…ですぅうー」と語尾を伸ばす所司七段独特の語りで、以上6作品の講評が終わった。
(つづく)
場所は東京・四ツ谷。もう何度も書いているが、ここは私がサラリーマンだったころの勤務地だった。ちょうど20代後半から30代前半にあたり、6年半務めた。
ここの会社がいまでいうブラック企業で、それは以前もブログに書いたから重複を避けるが、呆れるのは、未だに「残業は月10時間」とか書いて職安に掲示しているらしいことだ。実際は月に何十時間もあり、それでいて残業代は1円も出さなかった会社がよく言うよと思う。つぶれろよ。
四ツ谷の駅に降りたのが午後6時少し前。開場は6時だがすぐに行っても部屋には誰もいないのだ。それで「小諸そば」をたぐっていくことにした。少しでも近い出口をと赤坂口に出たのだが、改札口も出口付近も、見たことのない景色で、動揺した。
あれほど四ツ谷を利用しておきながら、こちらの出口を利用したのは初めてだった。なんだか異次元の世界に迷い込んだようである。しかもいつもの四ツ谷口と比べて、「小諸そば」はより遠くなっていた。
小諸そばに入り、二枚もりを選択。コシがあって相変わらず美味かった。この味と量で320円はおトクである。
会場のスクワール麹町に着くと、自動ドアの前に上野裕和五段がいた。上野五段はかつて将棋ペンクラブ大賞を獲ったことがあり、会員仲間ではヒーローである。私も「魚百」や大野教室などで面識があり、挨拶をしていっしょに中に入った。
上野五段「(会場は)何階ですか?」
私「はぁ…私も知らないんです」
4階か5階だと思うのだが、私はいつも忘れる。と、ロビーにいたTod氏が「5階です」と言った。彼は贈呈式初参加ではあるまいか。この参加費は8,000円だが、大丈夫か?
3人でハコに乗る。
私「先生、今は何か著書を書いていらっっしゃるんですか?」
上野五段「今は相振り飛車の本を書いています」
出版が楽しみである。
5階で降りて、私は受付を済ます。もう6時20分ごろだろうか。でもこの時間でも、どうせ会場には誰もいないのだ。
私はドアを開ける。と、すでに参加者であふれていて、ビックリした。奥を見ると、今回の受賞者もすでに待機していた。開演時間を過ぎてからゆるゆると入場するイメージがあったので、これも意外だった。
知った会員に一通り挨拶。これは「最低限」で、お互い名前は知っているが話をしたことがない人は無視している。私は極度の人見知りなのだ。ヒトと話さずに済むならそれに越したことはない。
渡部愛女流初段の顔が見える。本日の指導棋士だが、今年は彼女のみ。スタッフは2人目も探したのだろうが、適わなかったのだろう。
司会の長田氏が25分ごろに一言述べ、30分になるとすぐに会が始まった。今年はなんだかスピーディーだ。
まずは最終選考委員・所司和晴七段の講評。
これはスタッフの妙手だった。ここ、以前は文芸評論家の西上心太氏がやっていて、所司七段は乾杯の挨拶だった。
だが、表彰式で木村晋介会長の短評が挟まれ、乾杯の際に所司七段も長々と講評をやってしまうので、ダブリ感がハンパなかったのだ。贈呈式は2時間しかないから、無駄は省かねばならぬ。今回はそれが改善されたということである。
もっともそれは、恐らく乾杯に回るであろう西上氏が、サッと乾杯を済ましてくれれば、という条件付きではあるが。
では所司七段による短評を簡単に記す。
観戦記大賞・佐藤圭司氏「観戦記の王道をいく、とてもマジメな文章です」
同優秀賞・先崎学九段「これはインターネットで発表されました。時代の流れで読む媒体も変わってきています」
文芸大賞・佐藤康光九段「将棋の世界が奥深く書かれています。将棋ファン以外の人にも読み応えのある、素晴らしい観戦記でした」
同優秀賞・白鳥士郎氏「棋士がハチャメチャに描かれていますが、骨組のストーリーが素晴らしいです」
技術大賞・鈴木大介八段「鈴木大介八段の開設がとてもおもしろい。それを引き出した編集者もよかったということでしょう」
同優秀賞・大平武洋六段「内容がユニークで、棋力向上においても素晴らしい著書です。後半がとくにおもしろいと感じました」
「…ですぅうー」と語尾を伸ばす所司七段独特の語りで、以上6作品の講評が終わった。
(つづく)