西上心太氏のスピーチが長いと、順番入れ替えの妙手が霞んでしまうのだが…。
「私たちは観戦記を評価していますけれど、実は評価されているということでもあるんです…」
この大賞の評価が正当だったかどうか、会員の目が光っているということだろうか。
西上氏のスピーチは読み通り?短く終わり、今年の受賞者と木村晋介会長も登壇して、賑やかな乾杯となった。
続いて懇親会に入るが、私はおしゃべりは苦手なので、ニコニコしているだけ。と、鈴木大介八段が私に向かって深々とお辞儀をした。私も深く返すが、どうもおかしい。
振り返ると、美馬和夫氏がいた。なんだ…鈴木八段は美馬氏にお辞儀をしていたのだ…。
すぐ近くに渡部愛女流初段がいるはずだが、彼女は大人気だから、今はファンに囲まれているだろう。
テーブルには美味しそうな料理が並べられている。
料理のランクを推しはかるには、寿司のレヴェルを見ればよい。すなわちある年は巻物、ある年はにぎりで、どちらが豪華だったかは言うまでもない。
ところが今年は、肝心の寿司自体が見当たらなかった。
今年の受賞者は棋士が多いので、どこを見てもいる。ミーハーなファンには圧巻の光景だろう。私が声を掛けるとしたら、佐藤康光九段だろうか。ウラ話がおもしろそうだから、だが、私に話しかける度胸はない。
会員氏が、私にビールをつぎに来てくれた。
「今日も新幹線でいらしたんですか」
「はい、最終で帰ります」
彼は長野県上田市在住で、ペンクラブのイベントのたびに上京するのだ。まさに将棋ファンの鑑で、その熱心さには頭が下がる。
今年は女流棋士の指導対局がまだ行われない。仮にあっても今年は最大3局しかないから、私はパスだ。
私の前に、先崎学九段がいる。九段もいろいろ引き出しを持ってそうだが、やはり私が話しかけてはいけないと思う。
私は料理を食べる。しかしこういうところの料理は、みんな同じ味がするのが不思議だ。もちろん美味いのだが。
ライター・後藤元気氏の著書「将棋観戦記コレクション」に、Tag氏がサインをもらっている。Tag氏、うれしそうだ。
バトルロイヤル風間氏が入室した。来るべき人が来ている感じだ。
ここでほかの来場棋士のスピーチになった。私は例年、これを対局中に聞いていたから、やはり今年は指導対局の開始が遅いということだ。
まずは木村一基八段。「今日は佐藤(圭司)さんに、贈呈式に出席するのかと聞いたら出席するというから、大阪から来ました。私も何冊か本を出していますが、ハシにも棒にもかからない。『しゃべり部門』というのを作ってほしいですね」
木村八段にはLPSAや将棋ペンクラブのイベントで何度かお目にかかっている。そのアタマも含めて、私が応援している棋士である。
「王位戦は第7局まで行きました。まあ、なるようにしかならないということですね。なるようにしかならない…」
今日も軽妙なトークだったが、最後のワンフレーズは、自分に言い聞かせるかのようだった。
続いて神谷広志八段。「(大賞受賞者に)棋士が多すぎる!!」
といきなり一喝した。「少しは遠慮してくれなくちゃあ」
神谷節がとどろいた。半分マジのようで、シャレで笑える雰囲気ではない。でも、著書は棋士が書くしかないし、自伝だったらやっぱり棋士が書くしかない。意外に棋士が獲る確率は高いのだ。
ただ、観戦記ぐらいは将棋記者が独占してほしいが、今は優秀な観戦記者ならぬ観戦棋士も多いので、現実はむずかしい。私はおもしろい文章が読めれば、誰が書いたものでもいい。
最後は「○○以上のクズ(の言葉)でした」と自分を落として、退場。神谷流の檄だった。
続いて窪田義行七段が呼ばれる。が、その姿がない。さっき部屋を出て行ったが、まだ戻っていないようだ。
続いて勝又清和教授。「今日は写真を撮らないでください」
その心は何か。
(つづく)
「私たちは観戦記を評価していますけれど、実は評価されているということでもあるんです…」
この大賞の評価が正当だったかどうか、会員の目が光っているということだろうか。
西上氏のスピーチは読み通り?短く終わり、今年の受賞者と木村晋介会長も登壇して、賑やかな乾杯となった。
続いて懇親会に入るが、私はおしゃべりは苦手なので、ニコニコしているだけ。と、鈴木大介八段が私に向かって深々とお辞儀をした。私も深く返すが、どうもおかしい。
振り返ると、美馬和夫氏がいた。なんだ…鈴木八段は美馬氏にお辞儀をしていたのだ…。
すぐ近くに渡部愛女流初段がいるはずだが、彼女は大人気だから、今はファンに囲まれているだろう。
テーブルには美味しそうな料理が並べられている。
料理のランクを推しはかるには、寿司のレヴェルを見ればよい。すなわちある年は巻物、ある年はにぎりで、どちらが豪華だったかは言うまでもない。
ところが今年は、肝心の寿司自体が見当たらなかった。
今年の受賞者は棋士が多いので、どこを見てもいる。ミーハーなファンには圧巻の光景だろう。私が声を掛けるとしたら、佐藤康光九段だろうか。ウラ話がおもしろそうだから、だが、私に話しかける度胸はない。
会員氏が、私にビールをつぎに来てくれた。
「今日も新幹線でいらしたんですか」
「はい、最終で帰ります」
彼は長野県上田市在住で、ペンクラブのイベントのたびに上京するのだ。まさに将棋ファンの鑑で、その熱心さには頭が下がる。
今年は女流棋士の指導対局がまだ行われない。仮にあっても今年は最大3局しかないから、私はパスだ。
私の前に、先崎学九段がいる。九段もいろいろ引き出しを持ってそうだが、やはり私が話しかけてはいけないと思う。
私は料理を食べる。しかしこういうところの料理は、みんな同じ味がするのが不思議だ。もちろん美味いのだが。
ライター・後藤元気氏の著書「将棋観戦記コレクション」に、Tag氏がサインをもらっている。Tag氏、うれしそうだ。
バトルロイヤル風間氏が入室した。来るべき人が来ている感じだ。
ここでほかの来場棋士のスピーチになった。私は例年、これを対局中に聞いていたから、やはり今年は指導対局の開始が遅いということだ。
まずは木村一基八段。「今日は佐藤(圭司)さんに、贈呈式に出席するのかと聞いたら出席するというから、大阪から来ました。私も何冊か本を出していますが、ハシにも棒にもかからない。『しゃべり部門』というのを作ってほしいですね」
木村八段にはLPSAや将棋ペンクラブのイベントで何度かお目にかかっている。そのアタマも含めて、私が応援している棋士である。
「王位戦は第7局まで行きました。まあ、なるようにしかならないということですね。なるようにしかならない…」
今日も軽妙なトークだったが、最後のワンフレーズは、自分に言い聞かせるかのようだった。
続いて神谷広志八段。「(大賞受賞者に)棋士が多すぎる!!」
といきなり一喝した。「少しは遠慮してくれなくちゃあ」
神谷節がとどろいた。半分マジのようで、シャレで笑える雰囲気ではない。でも、著書は棋士が書くしかないし、自伝だったらやっぱり棋士が書くしかない。意外に棋士が獲る確率は高いのだ。
ただ、観戦記ぐらいは将棋記者が独占してほしいが、今は優秀な観戦記者ならぬ観戦棋士も多いので、現実はむずかしい。私はおもしろい文章が読めれば、誰が書いたものでもいい。
最後は「○○以上のクズ(の言葉)でした」と自分を落として、退場。神谷流の檄だった。
続いて窪田義行七段が呼ばれる。が、その姿がない。さっき部屋を出て行ったが、まだ戻っていないようだ。
続いて勝又清和教授。「今日は写真を撮らないでください」
その心は何か。
(つづく)