今日、渡辺明竜王のブログを何気なく見たら、白瀧あゆみ杯の記事が載っていた。
何と、相川春香女流初段が西山朋佳奨励会三段を破り、優勝したという。
白瀧あゆみ杯は、白瀧呉服店が後援する非公式戦。関東の若手女流棋士を中心に行われており、今年で10回を数える。
日本将棋連盟のWebサイトには詳らかな記事が載っていないのだが、今年は甲斐智美女流五段、西山奨励会三段、伊藤沙恵女流二段、相川女流初段が参戦した(昨年は8人の参戦だったから今年もあと4人参戦した可能性はあるが、トーナメント表が載っていないので、分からない)。
9月11日に準決勝の2局・甲斐―西山戦、伊藤―相川戦が行われ、それぞれ後者が勝った。
そして25日に行われた決勝戦で、相川女流初段が優勝したというわけだった。
しかしこれ、将棋をそこそこ指す人なら、相当意外な結果に思えるのではないだろうか。
まず、あの西山奨励会三段が負けたことが信じられない。昨日の記事をもちだすまでもなく、彼女は今回の奨励会三段リーグで堂々と勝ち越しを決めた、全女性の中でもトップクラスの実力者である。
片や相川女流初段は、2011年10月、女流3級の資格を申請。しかし以後は勝ち星に恵まれず、2013年8月のマイナビ女子オープンで本戦入りし、やっと女流2級に昇級した。もしここで敗れていたら事実上引退で、文字通りすべりこみで女流棋士の資格を得たのだった。
ところが彼女はその後も勝ったり負けたりの繰り返しで、女流初段まで昇ったものの、今期の成績は2勝5敗。途中は降級点の心配もあったほどだった。
その二人が対戦したら、誰だって西山奨励会三段が勝つと思うだろう。
いやその前の伊藤―相川戦だって、予想を取れば伊藤女流二段・圧勝だったはずである。それがともに相川女流初段の勝ちになった。これらの結果をどう見るか。
たとえば私が奨励会三段と対局しても、勝つ可能性はまったくない。私が心身ともに絶好調、読みが冴えに冴えていて、片や奨励会三段が絶不調だったとしても、私は100局指して1回も勝てない。奨励会の力はそのくらいのものである。
いやアンタは植山七段に平手で時々勝ってるじゃないか、という読者もいよう。が、これはあくまでも多面指しの指導対局であって、棋士には勝とうの気持ちがこれっぽっちもない。パッパッと指し、あなたに勝ち筋が見つけられますか? という指し方をしてくるのだ。そこで下手が勝っても、全然自慢にならない。
だが今回は、女流初段が奨励会三段に勝った。ということは、双方の調子の差で、女流初段が勝つ可能性は十分にあるということだ。これはかなり衝撃的な事実だった。
いやまあ冷静に考えれば、渡部愛女流初段が若手棋士に勝ったことがある。
ただ、渡部女流初段は段位を越えた実力者である。しかし相川女流初段は失礼ながら、「女流初段」の実力しかないと思われる。
そういえば、先日の女流王座戦で、貞升南女流初段が、里見香奈奨励会三段(女流四冠)相手に善戦した。どうも「女流初段」は、私が認識している以上に強いようだ。さすがにプロというべきだろう。
私は相川女流初段の実力を誤認していた。いや、本当に申し訳ない。
それにしても…。なぜ今回の白瀧杯に、相川女流初段が出場したのだろう。
ほかにも候補がいっぱいいたと思うのだが、そこをあえて相川女流初段に白羽の矢を立てた。主催者の慧眼に脱帽するのである。
何と、相川春香女流初段が西山朋佳奨励会三段を破り、優勝したという。
白瀧あゆみ杯は、白瀧呉服店が後援する非公式戦。関東の若手女流棋士を中心に行われており、今年で10回を数える。
日本将棋連盟のWebサイトには詳らかな記事が載っていないのだが、今年は甲斐智美女流五段、西山奨励会三段、伊藤沙恵女流二段、相川女流初段が参戦した(昨年は8人の参戦だったから今年もあと4人参戦した可能性はあるが、トーナメント表が載っていないので、分からない)。
9月11日に準決勝の2局・甲斐―西山戦、伊藤―相川戦が行われ、それぞれ後者が勝った。
そして25日に行われた決勝戦で、相川女流初段が優勝したというわけだった。
しかしこれ、将棋をそこそこ指す人なら、相当意外な結果に思えるのではないだろうか。
まず、あの西山奨励会三段が負けたことが信じられない。昨日の記事をもちだすまでもなく、彼女は今回の奨励会三段リーグで堂々と勝ち越しを決めた、全女性の中でもトップクラスの実力者である。
片や相川女流初段は、2011年10月、女流3級の資格を申請。しかし以後は勝ち星に恵まれず、2013年8月のマイナビ女子オープンで本戦入りし、やっと女流2級に昇級した。もしここで敗れていたら事実上引退で、文字通りすべりこみで女流棋士の資格を得たのだった。
ところが彼女はその後も勝ったり負けたりの繰り返しで、女流初段まで昇ったものの、今期の成績は2勝5敗。途中は降級点の心配もあったほどだった。
その二人が対戦したら、誰だって西山奨励会三段が勝つと思うだろう。
いやその前の伊藤―相川戦だって、予想を取れば伊藤女流二段・圧勝だったはずである。それがともに相川女流初段の勝ちになった。これらの結果をどう見るか。
たとえば私が奨励会三段と対局しても、勝つ可能性はまったくない。私が心身ともに絶好調、読みが冴えに冴えていて、片や奨励会三段が絶不調だったとしても、私は100局指して1回も勝てない。奨励会の力はそのくらいのものである。
いやアンタは植山七段に平手で時々勝ってるじゃないか、という読者もいよう。が、これはあくまでも多面指しの指導対局であって、棋士には勝とうの気持ちがこれっぽっちもない。パッパッと指し、あなたに勝ち筋が見つけられますか? という指し方をしてくるのだ。そこで下手が勝っても、全然自慢にならない。
だが今回は、女流初段が奨励会三段に勝った。ということは、双方の調子の差で、女流初段が勝つ可能性は十分にあるということだ。これはかなり衝撃的な事実だった。
いやまあ冷静に考えれば、渡部愛女流初段が若手棋士に勝ったことがある。
ただ、渡部女流初段は段位を越えた実力者である。しかし相川女流初段は失礼ながら、「女流初段」の実力しかないと思われる。
そういえば、先日の女流王座戦で、貞升南女流初段が、里見香奈奨励会三段(女流四冠)相手に善戦した。どうも「女流初段」は、私が認識している以上に強いようだ。さすがにプロというべきだろう。
私は相川女流初段の実力を誤認していた。いや、本当に申し訳ない。
それにしても…。なぜ今回の白瀧杯に、相川女流初段が出場したのだろう。
ほかにも候補がいっぱいいたと思うのだが、そこをあえて相川女流初段に白羽の矢を立てた。主催者の慧眼に脱帽するのである。