一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2016九州旅行・2

2017-01-13 00:04:46 | 旅行記・九州編
(9日のつづき)
開店前だから誰もいないはずの店内は、若い女性でぎっしり。みなが食事を摂っていた。
私は訳が分からない。もしや11時の開店だったのか? いや私が電話予約時に聞いたのは12時だった。私は何度もあんでるせんに足を運んでいる。昼の部の開始は例年11時からで、それが今年は12時というから、そこは念を押して確認したのだ。
しかし言った言わないを論じても意味がない。とにかく私は入店を乞い、何とか了承してもらった。
カウンターの1席が空いており、そこに案内された。店のオバチャンが「ここは後で代わってもらいますよ」と言う。マジックは午後2時過ぎに開始、4時半ごろ終了か。マジックの時は予約番号1~6の客がカウンターに座る。私が7以降なのは明らかだから、これも納得づくである。
しばらくして、4人掛けのテーブルに移された。女性が1人座っており、ここで余裕を持って食事を、の配慮だろう。しかし私は緊張した。
あんでるせんでは数年前から、800円以上の飲食が義務づけられている。彼女はカレーライスを食べていた。私も反射的にカレーライス(810円)を頼む。ここあんでるせんは18回目の来店だが、過去17回は、初期のコーヒー1杯のみを除き、毎回注文メニューが違っていた。
しかし今回のカレーライス単品は過去にもあった。だからどうだということもないが、ちょっと調子が狂った。
改めて周りを見渡すと、やはり女性のグループが多い。中には男性もいるが、家族やカップルだ。つまり男性の一人客は私のみで、これは毎年のことである。予約の2人がまだ来ていないようだが、店内はほぼ満席だった。
向かいの女性から、何か話しかけてきた。私たちの共通項は「あんでるせん」なので、私はここへ何度も来ていることを告げる。彼女は2回目らしい。ただ、女性1人の来店は珍しい。
「この店のオススメメニューはなんですか?」
と彼女が私に聞く。
これがなかなかに興味深い質問で、私は唸る。というのは、以前あんでるせんを訪れた女性と某所で話をしたことがあるのだが、その時彼女は、ここの食事があまりおいしくなかった、みたいなことを言ったのだ。
私も食事はとびっきり旨いとは思わないが、マズくはない。それよりも、私は「あんでるせん=マジック」で、味は二の次である。ところが女という生き物は、店の味にもこだわるのだ。これはちょっとした発見だった。
私は財布から変形したコインを取り出す。もちろんここで得たもので、これからマジックを楽しむ女性に見せても意味がないが、何となく自慢したくなったのだ。
さらに、マスターが書いた「図形」のメモも取りだそうとしたが、財布のどこを探しても、ない。しまいには財布をひっくり返して私は調べる。大量の領収書が飛び出て恥ずかしかったが、それでもなかった。
確たる記憶はないのだが、紛失の危険に備えて、家のどこかに保管したようだ。しかしそれすら忘れているのだから、今はどこにあるのか。
彼女はコーヒーフロートのようなものも頼んでいたようだ。その後に私のカレーもきた。
女性と2人きりの食事は何年振りだろう。ちょうど3年振りになるか。
私は下の名前だけ教え、将棋ブロガーであることを述べた。彼女の名前も聞いたが、「M」としか教えてくれなかった。
Mさんは今朝早く、G県から来たという。G県からでも東京を経由し、飛行機で長崎着となるが、その悪条件でもここに11時に来られるとは驚いた。
「『九州復興割』で来ました」
とMさん。
聞くとそれは、九州(熊本)旅行を応援する企画切符で、19,000円で東京往復の飛行機代と、1泊のホテル代が付いてくるという。しかも1人でも利用可とのこと。あす日曜の帰りは早いらしいが、彼女はここあんでるせんが目的だから、それで十分だったとのこと。
私はといえば、羽田→長崎・福岡→羽田の飛行機代だけで28,000円。それにホテル代がついて、合計32,000円になる。かなり安く上げたつもりが、上には上がいたのだ。
私の落胆を見てMさんが「でもその分だけ航空会社の売り上げに貢献したと思えば…」と言う。
この慰め方が絶妙で、先ほどからの会話も含め、端々にMさんの聡明さが見て取れた。
いつもならこれからのマジックに向けてテンションを高めるところだが、今回は彼女との会話が楽しく、いつもと勝手が違う。けっこう私たちは打ち解けたと思うのだが、こうなったら夜はどこか飲みにでも誘えないか?
ああ…しかし私は島原港のホテルに予約を入れていた。せめて諫早のホテルにしていたらと思うが、この選択の誤り?も運命である。
私はマスターのマジックの話を続ける。いろいろある中で私が最も不思議だったのは、電卓を使った「誕生日当て」である。これは毎年の定番マジックで、もちろん17年前も見た。この時残念だったのは、私が「検証」をしようと思えばできたことだ。ところがそれをしなかったことが、いまでも悔やまれてならない。
会計の時間になる。私は810円を用意して、そそくさとレジに向かった。これがまた配慮のないことで、ここは男気を出して、彼女の分まで出すべきだった。彼女は遠慮するだろうが、ちょっとエエカッコをすべきだった。
時刻は2時半になり、いよいよマジックである。Mさんは早めの番号で、立席のいちばん前に着いた。私は「30」だから後方だが、椅子の上に立つまではいかない。
私は左端の立席2列目に置かれたが、この位置からではカウンター内が見づらそうだ。Mさんとも離れた。私のナナメ前の特別席に座っている子供の父親が後ろに位置していて、彼が私の右にいる。父親の右側にはやや空きがあり、つまり私と父親が入れ替われば無駄なスペースがなくなるのだが、この父親は動きそうにない。
そこにマスターが登場した。
(19日につづく)
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