(12日のつづき)
第3図以下の指し手。▲5二と寄△3一玉▲8四飛△3三銀左▲同歩成△同銀▲8一飛成△2二玉(第4図)
以下、一公の勝ち。
私たちの右の右で指されていたShin―U戦は、U君が投了した。大野教室のチャイルドブランドは強いが、迎え撃つおっさん連中も強い。私たちはこうして、お互い強くなっているのだ。
少年は▲5二と寄を利かして▲8四飛と回った。もちろんこれも厳しいが、たんに▲8四飛もあった。これに△3七金▲4九玉△4七金なら、▲8一飛成△5一歩▲同と△同銀▲同竜以下詰み。少年、この詰みは逃すまい。
本譜▲8四飛に、私はいよいよ手がなくなった。私は気合を入れて△3三銀左! 玉の安住の地を造るため、銀損覚悟でスペースをこじ開けたのだ。花村元司九段が「駒が当たりになっている時は、もう一枚駒を差し出せ。そうすれば相手はどれを取っていいか迷って、間違える」と明言を残したが、それを実践した形だ。
これに少年は▲同歩成としたが、どうだったか。△同銀▲8一飛成に△2二玉として、上手が一息ついた。これでも下手有利ではあるが、心理的には逆転している。
戻って▲3三同歩成では、▲8一飛成△2二玉▲4二と寄△同銀▲同と△同金▲3一銀で、8八に金の質駒もあり、下手が良かったと思う。
第4図以下もむずかしい戦いだったが、少年は30秒の秒読みで、これで正着を指すのはつらい。しかも少年はチェスクロックを押し忘れることがあり、私もついそのまま指してしまって、結果少年の秒がほとんど残っていないというケースもあった。
そんなわけで結果は私の勝ち。しかし少年は終盤が強く、初段は十分にあると思った。
続いてShin氏と指す。Shin氏は何でも指すオールラウンドプレーヤーで、筋のいい将棋。私とはいつもスレスレの勝負になる。本局も激戦必至だ。
私の先手で、▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩。こうなれば横歩取りコースだが、今日はその気分ではなかったので、恥を承知で▲6六歩と指した。これでは和田あき女流初段や山口恵梨子女流二段を非難できない。
相矢倉になった。私はスズメ刺しを狙うが、Shin氏は一足早く△7五歩。私が先手を持って相矢倉になると、後手はこの手をやってくることが多い。有力手段なのだろうか。
▲同歩△同角に▲6五歩。こう指すと6~7筋で戦いが起こるから気は進まないのだが、しょうがない。
この後Shin氏に決戦する順があったと思うのだがワンテンポ遅れ、その後に本格的な戦いになった。とはいえ、私は終始指しづらいと考えていた。
第1図は終盤戦(本当はもっと前の局面から並べたかったが、指し手を忘れてしまった。なかなかおもしろい中盤戦だったので、再生できたら追記したい)。
第1図以下の指し手。▲4四桂△同金▲5三角△4二歩▲4四角成△4六角▲2二金(投了図)
まで、一公の勝ち。
私は▲4四桂と打った。ケチな私が桂を捨てるのは珍しい。ちなみにここ、▲4四歩では遅いと思った。
▲5三角から▲4四角成と金を取って、優勢になったと思った。
△4六角は形づくりか。△3三銀はさすがに指せなかったのだろう。
感想戦。けっこうあっちこっちをつついたが、どの変化も私が悪くなるので呆れた。終盤の逆転で勝っているようでは、私もまだまだだ。
Og氏が将棋を誘ってくれたが、席主のW氏は、私とFuj氏の対戦を勧める。私たちもそれに従った。
「大沢さんとは、大沢さんが勝ちの将棋を時間切れで負けて、私が16勝14敗になって以来ですか…」
とFuj氏。記憶力抜群のFuj氏にしては珍しい記憶違いで、その後私たちは1局指している。角換わりの将棋でFuj氏が右玉に構え、うまく大沢玉を攻略した。すなわち戦績は私の14勝17敗である。せっかくタイに追いつくところだったのにまた開き始めた。最近はあまり対戦がないので、本局は是が非でも勝ちたい一局だった。
私が振って後手番になった。▲7六歩△3四歩▲2六歩。横歩取りが嫌いなFuj氏のはずだが、この出だしは珍しい。ふだんなら△8四歩だが、前局の通り、今日は横歩取りを指す気分ではない。△4四歩と指した。が、Fuj氏は「ほー」と不満のようだった。
▲2五歩△3三角。今度はFuj氏が矢倉を嫌った。
私は中飛車に振る。以下駒組が進むと思いきや、第1図の△8二玉がのん気だったか。Fuj氏が考えている。
(つづく)
第3図以下の指し手。▲5二と寄△3一玉▲8四飛△3三銀左▲同歩成△同銀▲8一飛成△2二玉(第4図)
以下、一公の勝ち。
私たちの右の右で指されていたShin―U戦は、U君が投了した。大野教室のチャイルドブランドは強いが、迎え撃つおっさん連中も強い。私たちはこうして、お互い強くなっているのだ。
少年は▲5二と寄を利かして▲8四飛と回った。もちろんこれも厳しいが、たんに▲8四飛もあった。これに△3七金▲4九玉△4七金なら、▲8一飛成△5一歩▲同と△同銀▲同竜以下詰み。少年、この詰みは逃すまい。
本譜▲8四飛に、私はいよいよ手がなくなった。私は気合を入れて△3三銀左! 玉の安住の地を造るため、銀損覚悟でスペースをこじ開けたのだ。花村元司九段が「駒が当たりになっている時は、もう一枚駒を差し出せ。そうすれば相手はどれを取っていいか迷って、間違える」と明言を残したが、それを実践した形だ。
これに少年は▲同歩成としたが、どうだったか。△同銀▲8一飛成に△2二玉として、上手が一息ついた。これでも下手有利ではあるが、心理的には逆転している。
戻って▲3三同歩成では、▲8一飛成△2二玉▲4二と寄△同銀▲同と△同金▲3一銀で、8八に金の質駒もあり、下手が良かったと思う。
第4図以下もむずかしい戦いだったが、少年は30秒の秒読みで、これで正着を指すのはつらい。しかも少年はチェスクロックを押し忘れることがあり、私もついそのまま指してしまって、結果少年の秒がほとんど残っていないというケースもあった。
そんなわけで結果は私の勝ち。しかし少年は終盤が強く、初段は十分にあると思った。
続いてShin氏と指す。Shin氏は何でも指すオールラウンドプレーヤーで、筋のいい将棋。私とはいつもスレスレの勝負になる。本局も激戦必至だ。
私の先手で、▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩。こうなれば横歩取りコースだが、今日はその気分ではなかったので、恥を承知で▲6六歩と指した。これでは和田あき女流初段や山口恵梨子女流二段を非難できない。
相矢倉になった。私はスズメ刺しを狙うが、Shin氏は一足早く△7五歩。私が先手を持って相矢倉になると、後手はこの手をやってくることが多い。有力手段なのだろうか。
▲同歩△同角に▲6五歩。こう指すと6~7筋で戦いが起こるから気は進まないのだが、しょうがない。
この後Shin氏に決戦する順があったと思うのだがワンテンポ遅れ、その後に本格的な戦いになった。とはいえ、私は終始指しづらいと考えていた。
第1図は終盤戦(本当はもっと前の局面から並べたかったが、指し手を忘れてしまった。なかなかおもしろい中盤戦だったので、再生できたら追記したい)。
第1図以下の指し手。▲4四桂△同金▲5三角△4二歩▲4四角成△4六角▲2二金(投了図)
まで、一公の勝ち。
私は▲4四桂と打った。ケチな私が桂を捨てるのは珍しい。ちなみにここ、▲4四歩では遅いと思った。
▲5三角から▲4四角成と金を取って、優勢になったと思った。
△4六角は形づくりか。△3三銀はさすがに指せなかったのだろう。
感想戦。けっこうあっちこっちをつついたが、どの変化も私が悪くなるので呆れた。終盤の逆転で勝っているようでは、私もまだまだだ。
Og氏が将棋を誘ってくれたが、席主のW氏は、私とFuj氏の対戦を勧める。私たちもそれに従った。
「大沢さんとは、大沢さんが勝ちの将棋を時間切れで負けて、私が16勝14敗になって以来ですか…」
とFuj氏。記憶力抜群のFuj氏にしては珍しい記憶違いで、その後私たちは1局指している。角換わりの将棋でFuj氏が右玉に構え、うまく大沢玉を攻略した。すなわち戦績は私の14勝17敗である。せっかくタイに追いつくところだったのにまた開き始めた。最近はあまり対戦がないので、本局は是が非でも勝ちたい一局だった。
私が振って後手番になった。▲7六歩△3四歩▲2六歩。横歩取りが嫌いなFuj氏のはずだが、この出だしは珍しい。ふだんなら△8四歩だが、前局の通り、今日は横歩取りを指す気分ではない。△4四歩と指した。が、Fuj氏は「ほー」と不満のようだった。
▲2五歩△3三角。今度はFuj氏が矢倉を嫌った。
私は中飛車に振る。以下駒組が進むと思いきや、第1図の△8二玉がのん気だったか。Fuj氏が考えている。
(つづく)