12日(木)にウチと取引のある自動車のディーラーが来た。氏にはウチの自動車全般の面倒を見てもらっている。今回の軽トラの修理見積りを持ってきたのだ。
「想像以上の金額になっちゃってましてねえ…」
とディーラーが見せた額は
「718,697円」
だった。
私は気を失いそうになった。
それを横目に、ディーラーが散文的な口調で付け加える。「いやそれじゃあんまりだって、何とか安くさせたのがこちらなんですよ。ただこれは8割の出来。完全じゃないです。車内の一部のゆがみとかは直しません」
それが
「561,060円」
だった…。
だいぶ昔、私の弟がオカマを掘ったことがあるが、大したキズでもなかったのに修理代が30万円もかかった。軽トラの破損はそれよりヒドイからある程度の額は覚悟していたが、それでも運転に支障はなかった。せいぜい40万前後と踏んでいたのだが、甘すぎた。私側の修理が絶対だから、修理会社ものびのびした金額を出してやがる。
ちなみにこの軽トラは2015年11月に約90万円買い替えたもの。ほぼ私のみが週に1、2度運転するだけだった。まだ新車同様だったといっていい。
それが修理費72万円!! これなら新車を買ったほうがマシだが、それじゃあこの軽トラがあまりにも可哀想だと、涙がでてきた。
私は56万での簡易的な修理を望み、オヤジにも納得してもらった。
翌13日、今度は保険会社から連絡がきた。事故以来初めてである。こちらの修理費用は私(会社)に請求は来ないが、保険会社に迷惑を掛けている事実に変わりはない。
「50~60万ぐらいかかっちゃうんですよ」
私は全身から血の気が引いた。クルマの破損は私のほうが圧倒的にひどいが、先方のライトバンは後部ドアとその周辺を凹ましたので、かなりの部分を取り換えることになったのだろう。それにしたってあのライトバンはけっこう傷んでいた。あちこち凹んでいて、実際ぶつけられた被害者の第一声が「この前修理に出して返ってきたばっかりだったのに!」だった。見ると前方のボディーの一部が取り換えられていて、綺麗になっていたものだ。
ともあれその辺の判断は保険会社が行うことだ。ただ修理費用はクルマの時価額のみになるかもしれない。この点は被害者の方に申し訳ないと思う。
「それよりちょっとお聞きしたいんですけど」
と保険会社が言う。「自己現場はガードレールがありましたか」
「はい」
「実は被害者側が、クルマの前もぶつかったと主張しているんですよ」
つまり私がぶつけた時、ライトバンが押し出されて左の前側がガードレールに当たった、ということらしい。
こういう事故では被害者側が大きく出るから私も覚悟していた。後になって首が痛いだの腰が痛いだの言ってくるかもしれないし、荷物の破損の主張も考えられなくはない。だがこの主張は想定外だった。
だが客観的に見て、ライトバンがガードレールに当たった事実はないと思う。あの時――、事故直後に私が表に出て、一瞬後に被害者も表に出て来たのだ。その時相手のライトバンは、確かにガードレールから離れていた。そして、ライトバンの後部は「光らなかった」。
もしガードレールに当たっていて、直後に運転手がクルマの位置を直したなら、ブレーキランプが点いたことを私が憶えているはずだからだ。そして、被害者のクルマがファザードランプすら点けていなかったことは、前回のブログにも書いたとおりだ。
繰り返すが、あのライトバンは全体的に凹みが多かった。だから被害者が、この際ほかの凹みも直させちゃえ!…と思ったかどうかは分からない。あるいは事故直後の私の記憶が飛んでいて、相手のクルマが動いたことを認識しなかったかもしれない。
しかし事故直後の私の記憶は鮮明である。衝突時の衝撃でライトバンが動いた可能性は高いが、ガードレールには当たらなかった。そして事故後、ライトバンは一度も動いていない。しかも被害者は左側面のドアを開けて、梱包されたパソコンを私に見せたのだ。つまりガードレールとライトバンには、人ひとりが入れる余裕すらあったのだ。
今回の事故は私が100%の非を認めている。被害の男性にはまことに申し訳なく思っているが、それと今回の証言とは別である。
…が私は保険会社に、クルマが動かなかったという100%の確信はない、と付け加えておいた。
保険会社にはまだまだ迷惑を掛けそうである。
私は大変なことをしてしまった。
「想像以上の金額になっちゃってましてねえ…」
とディーラーが見せた額は
「718,697円」
だった。
私は気を失いそうになった。
それを横目に、ディーラーが散文的な口調で付け加える。「いやそれじゃあんまりだって、何とか安くさせたのがこちらなんですよ。ただこれは8割の出来。完全じゃないです。車内の一部のゆがみとかは直しません」
それが
「561,060円」
だった…。
だいぶ昔、私の弟がオカマを掘ったことがあるが、大したキズでもなかったのに修理代が30万円もかかった。軽トラの破損はそれよりヒドイからある程度の額は覚悟していたが、それでも運転に支障はなかった。せいぜい40万前後と踏んでいたのだが、甘すぎた。私側の修理が絶対だから、修理会社ものびのびした金額を出してやがる。
ちなみにこの軽トラは2015年11月に約90万円買い替えたもの。ほぼ私のみが週に1、2度運転するだけだった。まだ新車同様だったといっていい。
それが修理費72万円!! これなら新車を買ったほうがマシだが、それじゃあこの軽トラがあまりにも可哀想だと、涙がでてきた。
私は56万での簡易的な修理を望み、オヤジにも納得してもらった。
翌13日、今度は保険会社から連絡がきた。事故以来初めてである。こちらの修理費用は私(会社)に請求は来ないが、保険会社に迷惑を掛けている事実に変わりはない。
「50~60万ぐらいかかっちゃうんですよ」
私は全身から血の気が引いた。クルマの破損は私のほうが圧倒的にひどいが、先方のライトバンは後部ドアとその周辺を凹ましたので、かなりの部分を取り換えることになったのだろう。それにしたってあのライトバンはけっこう傷んでいた。あちこち凹んでいて、実際ぶつけられた被害者の第一声が「この前修理に出して返ってきたばっかりだったのに!」だった。見ると前方のボディーの一部が取り換えられていて、綺麗になっていたものだ。
ともあれその辺の判断は保険会社が行うことだ。ただ修理費用はクルマの時価額のみになるかもしれない。この点は被害者の方に申し訳ないと思う。
「それよりちょっとお聞きしたいんですけど」
と保険会社が言う。「自己現場はガードレールがありましたか」
「はい」
「実は被害者側が、クルマの前もぶつかったと主張しているんですよ」
つまり私がぶつけた時、ライトバンが押し出されて左の前側がガードレールに当たった、ということらしい。
こういう事故では被害者側が大きく出るから私も覚悟していた。後になって首が痛いだの腰が痛いだの言ってくるかもしれないし、荷物の破損の主張も考えられなくはない。だがこの主張は想定外だった。
だが客観的に見て、ライトバンがガードレールに当たった事実はないと思う。あの時――、事故直後に私が表に出て、一瞬後に被害者も表に出て来たのだ。その時相手のライトバンは、確かにガードレールから離れていた。そして、ライトバンの後部は「光らなかった」。
もしガードレールに当たっていて、直後に運転手がクルマの位置を直したなら、ブレーキランプが点いたことを私が憶えているはずだからだ。そして、被害者のクルマがファザードランプすら点けていなかったことは、前回のブログにも書いたとおりだ。
繰り返すが、あのライトバンは全体的に凹みが多かった。だから被害者が、この際ほかの凹みも直させちゃえ!…と思ったかどうかは分からない。あるいは事故直後の私の記憶が飛んでいて、相手のクルマが動いたことを認識しなかったかもしれない。
しかし事故直後の私の記憶は鮮明である。衝突時の衝撃でライトバンが動いた可能性は高いが、ガードレールには当たらなかった。そして事故後、ライトバンは一度も動いていない。しかも被害者は左側面のドアを開けて、梱包されたパソコンを私に見せたのだ。つまりガードレールとライトバンには、人ひとりが入れる余裕すらあったのだ。
今回の事故は私が100%の非を認めている。被害の男性にはまことに申し訳なく思っているが、それと今回の証言とは別である。
…が私は保険会社に、クルマが動かなかったという100%の確信はない、と付け加えておいた。
保険会社にはまだまだ迷惑を掛けそうである。
私は大変なことをしてしまった。