一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2017年初参加の大野教室・2

2017-01-12 00:10:02 | 新・大野教室
(10日のつづき)
Fuj氏は今日のNHK杯の話をしている。「深浦九段に『あ、そうか』が出ましたよ」。独特の言い回しで勝敗の行方を告げた。私はこの将棋をまだ見ていなかったので興ざめだが、Fuj氏の口を封じることは誰にもできない。
Fuj氏は大盤に王将戦第1局を並べる。今日(8日)から郷田真隆王将VS久保利明九段の七番勝負だ。久保九段のゴキゲン中飛車で、早くものっぴきならない戦いになっている。Fuj氏も気が気でないふうだが、Fuj氏、こんなに将棋に飢えているなら、もっと早く教室に来ればいいのにと思う。
もっともFuj氏以上の重役出勤がHon氏で、彼はこの後に来そうである。
「29日に将棋大会があったら皆さん参加しますか」
と大野七段。
その日に教室でイベントを考えているらしいのだが、みなの反応は薄い。私は、開かれれば出場を考えるが、なければないでいい、というスタンスだ。
3時休みが終わり、私は少女との一局になった。
大野八一雄七段「それは二枚落ちの卒業試験ですから。私は(彼女との)二枚落ちで卒業させましたから」
おっしゃっている意味がよく分からないが、私はふつうに指すしかない。
というわけで私の二枚落ち。少女は中学生だろうか。大野教室ブログで何度か拝見したが、指すのは初めてである。
少女はすぐに▲4五歩の位を取り、定跡を勉強しているのが分かる。しかし▲3五歩に△2二銀を省いたら、少女は▲3四歩と来なかった。ここはすぐ▲3四歩と指してもらいたかった。
その後私は△2二銀と上がり、ふつうの進行になる。これで攻め潰されたらしょうがないと思った。
私が△7五歩と突いて第1図。

第1図以下の指し手。▲3五銀△7六歩▲4四歩△同歩▲同銀△4二銀(第2図)

△7五歩には何はともあれ▲同歩だろう。△7五同金と取らせて▲3五銀と出たい。
私は△7六歩と取りこんで十分と見たが、後でこの歩は飛車で取られる可能性もあり、そんなに利いてないのかもしれない。
▲4四歩△同歩▲同銀に、△同銀は▲同角で捌かれると思った。△4二銀は下手の力を試した辛抱である。

第2図以下の指し手。▲3四歩△同歩▲4三歩△3三銀右▲同銀成△同銀▲4六飛△4四歩▲4二銀△3五銀▲4八飛△4三金▲3三銀成△同桂(第3図)

▲3四歩では▲4三歩もあった。もし△同銀なら▲同銀成△同金▲3二銀で下手指せる。
本譜は▲3四歩△同歩を利かせて▲4三歩。なるほどこれもうまい攻めだ。
しかし△3三銀右▲同銀成△同銀に▲4六飛はどうだったか。私は△4四歩とフタをし、下手の攻めが切れ模様になったからだ。ここは▲4二銀と泥臭く攻めるところだったかもしれない。
私は抜け目なく△3五銀を利かせて△4三金。▲3三銀成に手順に△同桂として、この将棋はいけそうな気がした。

第3図以下の指し手。▲5七銀△4五桂▲4六銀打△同銀▲同銀△5七銀▲同銀△同桂成▲1八飛△7三桂(第4図)
以下、一公の勝ち。

Shin氏が先ほど来たのだが、大野七段の対局は受けずに、ほかの将棋を眺めている。
大野教室は昨年9月にいろいろ新設したが、その中に「午後4時以降の来席」がある。この時間以降なら、会員のみとの対局で、席料2,000円というものである。会員との将棋に命を燃やす、いわゆるY氏式というやつだ。
Shin氏はこれを利用するつもりなのだ。よって、4時まで見学というわけであった。
少女は▲5七銀と上がったが、私は△4五桂と跳んで好調。以下△5七同桂成と飛び込み、私が優勢になった。その後緩んだものの、最後は私が勝った。
香落ちの手合いで大野七段に教えてもらっていたFuj氏が振り返り、投了の局面を見て、うんざりした顔になった。
感想戦。私は下手への指導がうまくないのだが、上手を持ってどう指されたらイヤか、丁寧に教えた。
少女が将棋を嫌いにならずに勉強を続ければ、女流棋士になるのも夢ではないだろう。
Hon氏が4時過ぎに現れ、これで役者が全員そろった。
もう食事会に行ってもいいのだが、私は少年と指すことになった。彼がまた強そうで、さっきは平手でTod氏に圧勝していた。手合いは私の二枚落ちだが、これはさすがに負けを覚悟した。
少年もしっかり▲4五の位を取る。▲3五歩に△2二銀を省いたら、すかさず▲3四歩と来られ、△2二銀▲3三歩成△同銀▲3四歩△2二銀と進み、拠点を作られてしまった。これは痛いが、上手も1歩を持つのが主張だ。
その後私は8筋を攻めるが、深く読みすぎて攻めを中断。ここで形勢を損ねたが何とか誤魔化し、おもしろい形勢になった。
ところが、少年が角を見捨てて飛車の活用を図ったのが好判断。私は▲8八の角を金で取ったものの、この金がすっかりタコになり、一手を争う終盤戦となった。

第1図以下の指し手。△5三銀▲5六飛△7五角▲5四歩△4二銀▲7三銀成△3七歩▲同玉△3九角成(第2図)

△5三銀では△5三歩と迷った。以下▲6四飛△7五角▲6三銀成△4一玉▲7四飛でどうか。この変化がイヤで銀をおごったのだが、ちょっと読みすぎた。△5三歩だった。
△7五角に▲5四歩が痛い。△6二銀と引きたいが、▲6三歩でシビれる。
泣く泣く△4二銀に、少年の▲7三銀成が素朴な好手だった。じっと銀成はなかなか指せないものである。
△3七歩に▲同玉も好手。ここ▲同桂なら△4八金で勝てそうと見たのだが、甘かった。
私はほかに手がなく△3九角成だが、次の手も参った。

第2図以下の指し手。▲6三歩△2九馬▲6二歩成△4一玉▲5三歩成△1九馬▲4八玉△5五香(第3図)

▲6三歩の垂らしがうまい。この手を指されるとは思わなかった。これには△7一金が最善だろうが、勝負が長引くので指せなかった。
少年は▲6二歩成、▲5三歩成と、怒濤の攻め。これは上手が負けになっている。
私は△1九馬から△5五香と、最後のお願い。

(16日につづく)
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