8日(日)は大野教室に行った。今年初めてで、土日教室に限ると昨年の8月20日以来となる。
最寄り駅から山手線に乗ったが、スマホを繰っていたら田端を乗り越してしまい、駒込で引き返す羽目になってしまった。このロスは痛く、教室に入ったのは午後1時35分ごろだった。
席料5,000円を払う。土日教室は昨年9月から料金改定したが、レギュラー講師は大野八一雄七段ひとりに減り、値上げに見合ったメリットがなかったように思う。教室に愛着はあるが、おのが予算と照らすと、今後も行く回数を減らさざるを得ない。
先客はSato氏、Taga氏、Hos氏ら。ほかに少年少女の姿もあるが、私は初見だ。
私も対局に入る。
「100番指しにしましょうか?」
と大野七段。私が「対大野戦(の角落ち)勝率4割目標」と書いたのを受けてのものだが、過去をリセットして今から100番は、気の遠くなる数字だ。
将棋は相居飛車。私は2筋の歩を切り、大野七段は△8五歩と伸ばす。いつもは受けないのだが、今日は▲7七銀と受けてみた。△6五歩。上手は6筋の位を取るのがアドバンテージになるが、私はこの筋を反撃するのがテーマだった。
私は当然▲6六歩。ここで△6二飛を読んでいたが、本譜は△6六同歩▲同銀△8六歩▲同歩△同飛と8筋の歩を切られ、ややつまらない展開になった。しかし勝負はまだこれからである。
見慣れぬおっちゃんが指導対局に混じっている。口調がべらんめえ調で異質な感じがするが、またも新キャラ登場である。
第1図から▲5七銀上がしくじった。すかさず△6五歩と打たれ、▲同銀は△6四歩だから▲7五銀か▲7七銀だが、前者は△6三金と上がられ下手忙しい。よって▲7七銀と引いたが、この手損は痛かった。
以下△7四歩▲6八飛△7三桂に、▲6六歩(第2図)が強手。欲をいえば▲3七桂を跳ねた後にやりたかったが、それだと上手にも△6四銀を与える。ここはむずかしいところだった。
先ほどのおっちゃんは対局を終わり、大野七段が改めて中飛車定跡を教えている。おっちゃんは埼玉県の道場で二段で指しているというが、定跡を知らずして二段ということがあるだろうか。
局面――。以下△6四銀▲6五歩△同桂▲6六銀右△7七桂成▲同桂△6三金▲5八金△3一銀▲9六歩△8六歩▲同歩△5二金(第3図)と進んだ。
下手は銀桂交換の駒損になったが、このくらいの損は構わない。私は▲9六歩と突いて角の活用を図る。大野七段は8筋に歩を打ち捨て△5二金だが、ここで次の手が精神的敗着になった。
私は▲6七金右と上がったのだが、これは飛車先を重くしてマズかった。ここは▲8七金と上がるべきで、対局中は△7五歩(▲同歩△7六歩▲同金△8七銀)を気にしたのだが、これには▲6七金右で下手が指せる。この力将棋は私らしく、▲8七金を逃したのは痛かった。
大野七段は△8六飛。味良く歩を取り返され、ここで私の戦意は半ば喪失した。
以下▲8七歩△8一飛▲9七角△9四歩▲7九玉△9五歩▲同歩△9六歩▲8六角△8五歩▲6四角△同金(第4図)と進む。
△9六歩に▲8六角だと一本道になるから▲8八角と引く手もあるが、この屈服は耐えられないところである。
角を切って△6四同金と進み、次の手が実質的敗着になった。
私は▲6五桂と跳んだのだが、△同金▲同銀に△9五香と走られ、これがA△9七歩成とB△6六歩▲同金△5七銀▲6七飛△6六銀成▲同飛△5七角を見た一石二鳥の手。
▲9八歩はバカバカしくて打てないし、△6六歩を防いで▲7七銀も打てない。攻め合おうにも上手は△3一銀が光っていて、懐が広い。
これ以上を指し継いでもジリ貧で、正月早々不愉快になるばかりだ。それは御免と、ここで投了した。
大野七段は「まだむずかしい局面でしょう」と慮ってくれたが、これは指導対局用のコメントで、実際は下手に勝ち目はないと思う。
戻って▲6五桂では、ふつうに▲6五歩と打つのだった。以下△6三金引に▲7二銀は△8二飛▲6三銀成△同金で上手に駒を持たせるだけだからつまらないが、▲7二銀に代えて▲6四桂がなかなかの追撃で、上手の対応次第ではまだ下手にも楽しみがあった。
「▲6七金右がまずかった」
と私。
「そうだね、飛車先を重くしちゃったからね」
「ここは▲8七金でした」
「そうそう、それがよかった」
やはり第3図では▲8七金がよかったようである。
「それにしても▲6六歩(第2図)には驚いたねえ」
自分にはふつうの手だったが、「下手の手を何かしら褒める」は、指導対局の要諦かもしれない。
和室に入って一休み。ここでは後から来たTod氏と、少年が対局をしていた。私はW氏と雑談。他人と話すのは久しぶりだ。
Tod氏▲4八玉、▲7八馬、▲8八飛。ここで少年の△6六角が厳しかった。以下▲5七歩△8八角成▲同馬に△6八飛が王手馬取り。私ならここで投げているが、Tod氏はまだまだ頑張る。この熱意が私にはまぶしい。
少し早い3時休みになり、ここでFuj氏が姿を見せた。手にはお菓子と思しきお年賀があった。この気配りがFuj氏の真骨頂である。
(12日につづく)
最寄り駅から山手線に乗ったが、スマホを繰っていたら田端を乗り越してしまい、駒込で引き返す羽目になってしまった。このロスは痛く、教室に入ったのは午後1時35分ごろだった。
席料5,000円を払う。土日教室は昨年9月から料金改定したが、レギュラー講師は大野八一雄七段ひとりに減り、値上げに見合ったメリットがなかったように思う。教室に愛着はあるが、おのが予算と照らすと、今後も行く回数を減らさざるを得ない。
先客はSato氏、Taga氏、Hos氏ら。ほかに少年少女の姿もあるが、私は初見だ。
私も対局に入る。
「100番指しにしましょうか?」
と大野七段。私が「対大野戦(の角落ち)勝率4割目標」と書いたのを受けてのものだが、過去をリセットして今から100番は、気の遠くなる数字だ。
将棋は相居飛車。私は2筋の歩を切り、大野七段は△8五歩と伸ばす。いつもは受けないのだが、今日は▲7七銀と受けてみた。△6五歩。上手は6筋の位を取るのがアドバンテージになるが、私はこの筋を反撃するのがテーマだった。
私は当然▲6六歩。ここで△6二飛を読んでいたが、本譜は△6六同歩▲同銀△8六歩▲同歩△同飛と8筋の歩を切られ、ややつまらない展開になった。しかし勝負はまだこれからである。
見慣れぬおっちゃんが指導対局に混じっている。口調がべらんめえ調で異質な感じがするが、またも新キャラ登場である。
第1図から▲5七銀上がしくじった。すかさず△6五歩と打たれ、▲同銀は△6四歩だから▲7五銀か▲7七銀だが、前者は△6三金と上がられ下手忙しい。よって▲7七銀と引いたが、この手損は痛かった。
以下△7四歩▲6八飛△7三桂に、▲6六歩(第2図)が強手。欲をいえば▲3七桂を跳ねた後にやりたかったが、それだと上手にも△6四銀を与える。ここはむずかしいところだった。
先ほどのおっちゃんは対局を終わり、大野七段が改めて中飛車定跡を教えている。おっちゃんは埼玉県の道場で二段で指しているというが、定跡を知らずして二段ということがあるだろうか。
局面――。以下△6四銀▲6五歩△同桂▲6六銀右△7七桂成▲同桂△6三金▲5八金△3一銀▲9六歩△8六歩▲同歩△5二金(第3図)と進んだ。
下手は銀桂交換の駒損になったが、このくらいの損は構わない。私は▲9六歩と突いて角の活用を図る。大野七段は8筋に歩を打ち捨て△5二金だが、ここで次の手が精神的敗着になった。
私は▲6七金右と上がったのだが、これは飛車先を重くしてマズかった。ここは▲8七金と上がるべきで、対局中は△7五歩(▲同歩△7六歩▲同金△8七銀)を気にしたのだが、これには▲6七金右で下手が指せる。この力将棋は私らしく、▲8七金を逃したのは痛かった。
大野七段は△8六飛。味良く歩を取り返され、ここで私の戦意は半ば喪失した。
以下▲8七歩△8一飛▲9七角△9四歩▲7九玉△9五歩▲同歩△9六歩▲8六角△8五歩▲6四角△同金(第4図)と進む。
△9六歩に▲8六角だと一本道になるから▲8八角と引く手もあるが、この屈服は耐えられないところである。
角を切って△6四同金と進み、次の手が実質的敗着になった。
私は▲6五桂と跳んだのだが、△同金▲同銀に△9五香と走られ、これがA△9七歩成とB△6六歩▲同金△5七銀▲6七飛△6六銀成▲同飛△5七角を見た一石二鳥の手。
▲9八歩はバカバカしくて打てないし、△6六歩を防いで▲7七銀も打てない。攻め合おうにも上手は△3一銀が光っていて、懐が広い。
これ以上を指し継いでもジリ貧で、正月早々不愉快になるばかりだ。それは御免と、ここで投了した。
大野七段は「まだむずかしい局面でしょう」と慮ってくれたが、これは指導対局用のコメントで、実際は下手に勝ち目はないと思う。
戻って▲6五桂では、ふつうに▲6五歩と打つのだった。以下△6三金引に▲7二銀は△8二飛▲6三銀成△同金で上手に駒を持たせるだけだからつまらないが、▲7二銀に代えて▲6四桂がなかなかの追撃で、上手の対応次第ではまだ下手にも楽しみがあった。
「▲6七金右がまずかった」
と私。
「そうだね、飛車先を重くしちゃったからね」
「ここは▲8七金でした」
「そうそう、それがよかった」
やはり第3図では▲8七金がよかったようである。
「それにしても▲6六歩(第2図)には驚いたねえ」
自分にはふつうの手だったが、「下手の手を何かしら褒める」は、指導対局の要諦かもしれない。
和室に入って一休み。ここでは後から来たTod氏と、少年が対局をしていた。私はW氏と雑談。他人と話すのは久しぶりだ。
Tod氏▲4八玉、▲7八馬、▲8八飛。ここで少年の△6六角が厳しかった。以下▲5七歩△8八角成▲同馬に△6八飛が王手馬取り。私ならここで投げているが、Tod氏はまだまだ頑張る。この熱意が私にはまぶしい。
少し早い3時休みになり、ここでFuj氏が姿を見せた。手にはお菓子と思しきお年賀があった。この気配りがFuj氏の真骨頂である。
(12日につづく)