一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

阿久津八段の連敗

2018-12-17 01:09:58 | 将棋雑記
これもやや旧聞に属するが、5日はA級順位戦6回戦、▲阿久津主税八段VS△久保利明王将戦があった。
ここまで阿久津八段0勝5敗、久保王将1勝4敗で、残留のためにはどちらも負けられぬ一戦だった。
以前当ブログにも書いたが、阿久津八段は4年前にA級9連敗を喫しているので、それを加算すると、14連敗になっている。こうなると、 かつて千葉ロッテマリーンズが18連敗を喫した時のように、競馬のハルウララが全然勝てなかった時のように、今回の阿久津八段にも、連敗を続けてほしいような複雑な気分も芽生えてきたが、ネット上では、多くの阿久津ファンが勝利を願っていた。
私はネット中継の契約をしていないので、ネット掲示板で戦況を見守るだけだった。中盤、阿久津八段が久保王将の竜を召し捕る順ができたとかで、掲示板では早くも阿久津勝勢の声が上がっていた。阿久津八段、ついに初勝利か!!
ところが久保王将の竜は生還し、こりゃダメだと掲示板のみんなはため息をついた。
だが阿久津八段はその後もうまく指し、勝勢。阿久津八段が勝った、という声まで出た。私は祭りが終わった気分になったが、ともあれ阿久津八段の勝利はめでたく、これで降級の流れも変わると思った。
ところが寝る前に今泉健司四段のブログを見ると、「これは阿久津八段には本当にきつい逆転負けですね」とあったのでびっくりした。局面が分からないが、あの将棋を負けたようなのだ。
掲示板を見るとこちらも大反響で、私たちは、阿久津八段の信じられぬ逆転負けに混乱し、その心情を慮って消沈した。がその一方で、連敗街道という「夢」がまだ続いたことに、どこか安堵したのであった。
ちなみに翌日、記譜を検索すると、こんな局面だった。

久保王将が△6八歩と垂らしたところ。阿久津八段のツイッターによると、ここで▲2二飛と攻め合ったのがマズく、▲4八金と手堅くいけばよかったらしい。
かくしてこれで、阿久津八段は0勝6敗。15日現在で3勝以上が6人いるから、阿久津八段の7位以下が確定した。
そこで残留のためには、2勝以下の棋士が2人出なければいけない。そしてその可能性があるのは、以下の4人である。

2 稲葉陽八段 2勝4敗
5 久保利明王将 2勝4敗
7 深浦康市九段 1勝5敗
10 阿久津主税八段 0勝6敗

7回戦で久保×深浦戦があり、どちらかに1勝が加算される。結局は上位3人のうち2人は3勝以上しそうで、阿久津八段は極めて絶望的な状況になった。
ちなみに、A級順位戦で全敗は、1980年度の木村義徳八段、1981年度の石田和雄八段、それに2014年度の阿久津八段である。木村現九段はA級がこの期だけだったので9連敗。石田現九段は、この前期の終わりに2連敗を喫しているので、通算11連敗となる(1980年度のA級順位戦で、木村×石田戦の勝敗が入れ替わっていれば、石田八段は独走の14連敗になっていた)。これだけをとっても、阿久津八段のA級15連敗がいかに大記録か、分かろうというものだ。
こうなったら阿久津八段には、怒濤の18連敗を達成してほしい気もするのだが、どうだろうか。
コメント
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