一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2019年冬の北海道旅行・1

2019-04-07 00:09:27 | 旅行記・北海道編
23時33分に千歳空港を発車した手稲行き臨時列車は、9日(土)00時38分、札幌に到着した。
改札を抜けると、1年振りの景色が広がり、懐かしい。
今宵の「宿」は、駅前にある「アイ・カフェ札幌駅前センチュリーロイヤルホテル店」を予定している。
今の時期は圧倒的に観光客が多く、5,000円以下のビジネスホテルなど取れないが、ネットカフェまで宿泊の手は回らないだろうという読みだ。
とはいえここが満室だと、かなり面倒だ。すすきの方面に行けば別のネットカフェがあるが、以前会員証の半分近くを紛失してしまったので、該当店舗に当たると、有料で会員証を作らなければならなくなる。それは不愉快である。
地下鉄の運行は終了しているし、地下通路はまだ解放しているみたいだが、この時間にてくてく歩くのもイヤだ。結局、アイ・カフェが頼みの綱なのである。
アイ・カフェに入る。ここは会員証をスマホアプリに登録してもらったから大丈夫だ。
フラットスペースは、幸運にも空いていた。私はバンザイしたい気分だったが、取れて当然、の顔をする。まあ1人客くらいどうにでもなるわけだが、こんな感じで就職もすぐに決まると考えていたのが、とんだ見当違いだった。
6時間パックを注文する。深夜とはいえ土曜日なので、割増し料金が適用になる。本当は9時間パックでのんびりしたいのだが、旅の空ではそうもいかない。
118番ブースに入ると、右のブースから、カタカタと音が聴こえてきた。ブース付属のパソコンを叩いているのだ。でも、こういう生活音を聞くのは嫌いではない。
一憩したのち廊下に出ると、左のブースに女性もののブーツがあった。薄い壁を隔てて男女混合なのも、ネットカフェの醍醐味である。
楽天トラベルで、9日の旭川の宿を調べる。以前泊まった「オスパーコート宮前」が3,500円で空いていたが、この宿は以前、もっと安かった。本当は東横INN旭川に泊まりたいのだが、満室である。とりあえず、予約は保留としておく。
今日はシャワーを浴びず、そのまま横になった。

明けて9日、谷川治惠女流五段お誕生日の朝である。
前夜は天井の照明が目に入り、結局一睡もできなかった。ただ、温かい場所で横になれただけでもありがたい。虐待に遭っている子は、夜間に表へ放りだされ、横にさせてももらえないのだ。
6時20分ごろ、チェックアウトする。土日料金で割高になったが、1,340円は激安であろう。
表はむろん寒かったが、覚悟したほどではない。それに、駅まではすぐである。
途中コンビニに寄り、おにぎりを買う。この買物が楽しい。
今日の予定は、恒例の札沼線乗車のあと、旭川冬まつりの観光としたい。JRバス深名線乗車と「なよろ雪質日本一フェスティバル」の観光も毎年のルートではあるのだが、今年は断腸の思いで見送りとする。
まず、札沼線の乗車である。私はこのために、わざわざ金曜夜の飛行機で来たのだ。
札沼線は、2016年のダイヤ改正で、新十津川行き列車が朝の1本だけという異常事態になった。いまや末端区間の廃止も時間の問題となっているが、列車が走っているうちは、乗車したいと思う。
新十津川へは石狩当別で乗り換えるので、06時58分の列車に乗れば間に合う。しかしそれではボックス席を取れないかもしれない。それで、一本前の06時39分の列車に乗ることにした。
券売機でオレンジカードを使って1,640円の切符を買い、入場する。KIOSKで北海道時刻表も買った(514円)。これも毎年のルーティーンだが、ダイヤを俯瞰的に見られるので、やはり便利だ。
乗車すると、車両が快速エアポートと同種のもので、クロスシートだった。これは列車からの景色が見やすくてよい。
発車してしばらくして、おにぎりを頬張った。現在プーなので旅の有難味は薄れるが、幸せを感じる瞬間である。
石狩当別には、定刻を2分遅れの07時20分に着いた。反対ホームに入線している、新十津川行きの列車に乗り換える。お馴染みのキハ40で、幸い、ボックスシートは空いていた。
だが私のシートは、背中をつけるたびパコンパコンと鳴る。よほど移動しようかと思ったが、そこに留まった。
やがて、06時58分札幌発の列車が到着した。案の定乗り換え客が多く、私の列車では相席組がいくつか出た。私は相席はウエルカムだが、逆の立場ならそれをしないので、デッキ近くのロングシートに座ったはず。ここは珍しく、私の読みが奏功した。
07時45分、定刻に発車。
今年の北海道は雪が多く、札沼線沿線の雪もこんもりしているように見える。そういえば現在東京でも雪が降っているはずだが、大丈夫だろうか。
前述の通り、車内は客がいるほうである。そしてその大半は、鉄道ファンだ。私は秘境駅探訪がブームになる前から札沼線に乗っているつもりだが、ここ数年は、明らかに乗客が増えた。ただしこの程度の数では、大赤字に変わりはない。
外は雪がしんしんと降り、北の大地が坦々と続く。
石狩月形08時17分着。ここで23分の待ち合わせだ。私はホームに出て写真を撮ろうとするが、やはり同好の士がいっぱいいる。
そしてこの雪の量だ。例年は雪かきによって地面が見えていたところもあったが、今年は白一色である。まるで山岳路線に来たみたいだ。
上り列車が遠くに現れた。それを見つめる私たち。レールが雪に埋まっている中、列車はスルスルと近づいてくる。ホームの手前でスピードが落ち、ギュギュッ、と重い音がする。タイヤがレールの溝を踏みしめ、おのが進行場所を作っているのだ。
上りと下りが同一ホームに並び、絶好の撮影スポットができた。



何枚か撮って、車内に入る。08時40分、石狩月形発。
車内で東横INNのHPを見ると、旭川駅前一条通に1室空きが出たので、慌てて予約した。実は前夜、オスパーコート宮前をもう一度見たら満室になっており、かなり後悔していたのだ。これで今夜の宿が確保され、一応一安心である。
09時28分、終着新十津川に着いた。今年の札沼線の旅のゴールである。
駅はしんみりしていたが、駅舎内に入って驚いた。
こ、これは……!!
(つづく)
コメント
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