一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2019年冬の北海道旅行・12

2019-04-24 00:05:53 | 旅行記・北海道編
私はほかをあたることにした。
「バリー屋台・ゆうばり屋台村」というのが隣接していて、ここも営業中である。
中に入ると左右に数軒あり、カレーうどんを売りにしている店などがあった。だが辺りは静まり返り、スタッフがいる雰囲気がない。
客席は通路の真ん中にあり、どうも食事はここで摂るようである。現在奥でカレーうどんを食している女性5人組がいるが、ほかは誰もいない。ここは千と千尋か? 私はヘンな世界に紛れ込んだ感覚に陥った。



私はほかをあたる。この建物の向こうにも食事処があったので、入った。
そこはシャレた定食屋で、私は日替わり定食を注文した(800円)。
和風の弁当箱に入って出てきたそれは、豚焼肉がメインだったが、ほかのおかずも手が込んでいて、まずまず値段に見合った味だった。
空腹を満たし、夕張駅に戻る。しかしここは券売機がない。始発駅に券売機がないのは、JR九州の指宿枕崎線枕崎駅、日南線志布志駅などで経験済みである。
ホームには、2、3人の鉄道ファンが先着していた。傍らでは駅弁を売っており、鶏の唐揚げ弁当に夕張支線の写真が付いて1,000円だった。
でも購入は見送った。でも後から来た鉄道ファンが続々と購入し、ほぼ完売だったようである。
16時23分、下り列車が入線した。私たち鉄道ファンは、この瞬間をカメラに収める。この時、お互いが映らないよう、適当に距離を取っているのが微笑ましかった。
折り返しは16時40分である。私は何とかボックス席を取れ、ホームに出て、改めてキハ40をカメラに収めた。







列車は定刻に出発した。私にとって、これが最後の夕張支線である。列車はわずかながら遅れ始めたが、帰りのANAは20時30分発なので、ここまで来ればもう大丈夫だ。
新夕張に着き、廃線区間終了。なかなかに味わい深い旅だった。
ここからはスマホを使い、最後の晩餐の店探しである。しかし候補が乏しく、南千歳しかない。ラーメン屋がいくつかあるが、みな「アウトレットモールRera」という名前が付随する。そもそもこの辺りはむかし、空港だった。その跡地?に老舗店があるわけがなく、ここモール近辺で営業していると思われた。
いっそのこと、空港まで行っちゃう手はある。そして私の財布には、今朝南千歳で買った切符が残っている。同じ駅での乗降は自動改札の扉が閉まるだろうが、違う駅なら通れるのではないか?
いやいや、それは不正である。JRの係の人は性善説で、夕張で私たちからJR切符を回収しなかったのだ。それを裏切ることはできない。それに、もし改札を抜けられたら、私は夕張からの夕張支線を無料で乗ったことになってしまう。それは鉄道ファンとしてあり得ない。
そもそも、JRの切符には制限時間があったはずだ。自動改札機を通過後、数時間経つと切符の効力が消えるのである。もし新千歳空港駅で扉が閉まってみろ。「私は不正をしました」と自白したようなもので、そんな恥辱はごめんである。
南千歳駅には、定刻を31分遅れの18時53分に着いた。ここから食事だと、結構ギリギリである。どうして私の旅は、いつも際どくなってしまうのだろう。
この先は終点千歳なので、いずれにしても南千歳で降りる。そして私はそのまま、下車することにした。すぐに新千歳空港まで行ったら、不正をしてしまいそうな気がしたからだ。
夕張での整理券と、現金1,070円を持って、窓口氏に渡す。と、ほぼ同時に、すぐ右で自動改札機の扉が閉まる音がした。
…あれ? あの男、行きの新夕張の駅から何度か見たが……。
駆けつけた駅員が、「あれ? この切符おかしいですね」とか言っている。
あいつ、やりやがったか……? 私はゾッとして、そそくさとその場を離れた。

アウトレットモールReraには、午後6時58分に着いた。しかし、館内に蛍の光が流れている。
まさか! もう閉店か!?
人がほとんどいない館内を、私は巡る。ラーメン屋はあったが、もう閉店の雰囲気だ。



ガッカリして表へ出ると、立て札に「営業時間のご案内 10:00~19:00」とあった。タイムオーバーである。
私は引き返すしかなく、南千歳駅に戻った。ここから空港までのバスがあれば安くつくが、もう終わっているようだ。私はオレンジカードを使い、最後の切符を購入した。310円ナリ。
快速エアポート184号は定刻を9分遅れたが、そのお陰でタイミングよく乗ることができた。19時22分、新千歳空港着。 
素早く土産物を買って、食事である。空港での食事は高いからいつもは敬遠しているのだが、今回はどうしても腹に何か入れたかった。
大きな食事処があって、サンプルのもりそばがいい色を出している。今回はもりそばづくしの旅だったので入ろうかと思ったが、ラーメンも初日の旭川でしか食べていない。
奥に行くと「北海道ラーメン道場」という、空港版ラーメン横丁みたいなところがあったので、今回はそこで食べることにした。
10軒入っていて、手前の「一幻」なる店は行列ができている。私は行列には並ばないのでパスし、客が誰もいない店に入った。味噌ラーメン系を注文する。
するとしばらくして、「もう閉店時間が近いので、先に会計をお願いします」と、女性店員がカルトンを出してきた。
ああなるほど、と思った。こう言われて、次の閉店間際に入場した時、この店に入る客がいるだろうか。閉店時間に慌てることなく、ゆっくりお召し上がりください、という店に、客は行くのではないだろうか。
ちなみに味噌ラーメンは、美味かった。ただ、また食べたい、の気持ちは起きなかった。



我がチケットは「Skip!」なので、そのまま手荷物検査場に行く。しかし受け付けてくれなかった。
最近ANAクレジットカードを取り換えたのが原因と思いきや、便を変更したのが原因らしかった。
ともあれ楽しい、いや逃避の4日間が終わった。翌日からはまた憂鬱な日々が待っている。まさか、仕事がある時より落ち込みがひどいとは思わなかった。
(おわり)
コメント
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