(10日のつづき)
10丁目はUHBファミリーランドで、「白いスター・ウォーズ2019」である。雪像は精巧に造られているのだろうが、私はスター・ウォーズに興味がないので、感動がない。
それよりも中雪像のカップヌードルの方に食指が動く。
昨年はカップヌードルが横倒しされたデザインだったが、今年は正調の直立。それもよかろう。
11丁目の国際広場は、もちろん「国際雪像コンクール」である。純粋に雪像の出来を愉しむならここで、「なよろ雪質日本一フェスティバル」に引けを取らぬ力作が揃う。
その先には、雪ミク(初音ミク)の小雪像がある。今年は「プリンセス」がテーマになっている。雪像は3頭身でかわいらしい。この、3頭身でも8頭身でも同じキャラ、というのは漫画家・たがみよしひさの作品でも観られるもので、斬新な構想である。
その傍らのオフィシャルグッズ売り場では、長蛇の列ができていた。初音ミクの人気があるのは分かるが、入店するのに列に並ぶなんて、私にはできない。そのまま先を急ぐ。
12丁目は市民の広場だ。ここは毎年出展者が固定されているので、見覚えのある雪像も見受けられる。このデジャヴ感もまたよしである。
ここで大半の人は引き返すが、私はそのまま直進する。すなわち、札幌市資料館への入館である。
1階の小部屋では、ツララの研究をしているふうの部屋があった。学生らしきスタッフさんに聞くと、かなりマジメな研究らしい。
2階に上がり、「乞望さんのほほえみ地蔵展」に入る。ここは毎年新作が入荷されていて、絵はがきの文面を読むだけでも楽しい。
私はいろいろ拝見したが、
「病得て しみじみ かみしめる 幸せの味」
に感銘を受け、これを購入することにした。
「今年も案内ハガキをいただき、ありがとうございます」
と私。
「あらそうですか、そのハガキは今お持ちですか?」
「あ、いや置いてきちゃいました」
どうもそのハガキを持参すれば、景品をもらえたらしい。だがスタッフさんは、それでも私に景品をくれた。それがクリアファイルで、たかだか150円の買物をしただけなのに、申し訳ない。
ところでスタッフさんによると、ここでの営業は今回が最後になるという。この資料館が来年耐震工事を行うことになり、利用禁止となるからだ。
私はルーティーンのひとつがなくなり淋しいが、何事にも別れがあり、やむを得ないのかもしれない。
続いて、「ゆきみどり」の部屋に入る。ゆきみどりさんは変わらず健在だった。人間は不思議なもので、私のように毎年薄毛がひどくなっていく人もいれば、みどりさんのように変わらない人もいる。とくに私の凋落はひどい。
みどりさんとの再会を祝い、ローカル線談義などに花を咲かせる。頃合いを見計らって、ここでも1枚絵はがきを買う。しかしレジにいるみどりさんがなかなかおつりをくれない。もらったら私が部屋を出てしまうからで、まあ私も今日は時間的余裕があるからいい。
「ゆきみどり」は来年もう1回、ここで開けるそうだ。私も来られればいいが、来年どうなるかは私自身も分からない。
「創作わら細工のふじやま」にも入る。ここと奥のギャラリーは地元ちびっ子の展示会はあったが、消えていた。店の旦那とは昨年も話したので、今年も声を掛ける。
さっきもそうだが、最近は他人と会話をする機会がないので、ちょっと不思議な感じがする。
そうそう、今宵の宿である。例によって、東横INNのHPを観てみる。しかしトップページに「川口駅前OPEN!!」の掲示があり、やや旅情が削がれる。このホテルなら先週、その前を通ったのだ。ネットは距離関係をおかしくさせる。
札幌駅南口に1部屋空いていたので、予約した。「喫煙シングルで4,720円」は私の辞書にはないが、この時期贅沢は言えなかった。
再び雪像鑑賞に戻る。9丁目の話題の人の雪像は、「大坂なおみ」だった。なるほどの人選である。期待に違わず、今年もそっくりだ。観光客にも人気があり、記念写真の列が途切れない。
チコちゃんの雪像もあり、これは予想されたところである。
おおそうだ、ANAの帰りの飛行機の件があった。こちらも、12日夜の便に変更した。
どうもANAの思惑に乗った感じもするが、明日夜の飛行機が遅れて、またタクシー利用なんていうことになったら面倒だ。もう9,690円も使いたくない。
7丁目のヘルシンキ大聖堂では、女性歌手が、リハーサルみたいなものをやっていた。これは本番を聴いてみたいが、そこまで待つ余裕はない。
7丁目の中雪像は「刀剣乱舞-ONLINE-」。女性は刀を持つと妖しく微笑む。それを私は以前、熊本の資料館で観た。
6丁目は市民・食の広場。ここで売られているものは美味いに決まっているのだが、どうも買う気が起こらない。ここで食すなら、暖かい場所で座って食べたいのだ。
北方領土署名コーナーがあったので、記帳する。これも31年間欠かさず行ってきたが、「数の力」の効果はあるのだろうか。
アレッ? そういえば今年も、「緑効青汁」の試飲コーナーがない。あれを飲みながら体を温めるのが定跡だったのに……。
5丁目西は、毎日新聞氷の広場。「台湾-玉山と高尾駅」である。これも精巧に造られて綺麗だが、氷像はライトアップされたほうがよい。
5丁目東は、道新雪の広場。ここは新聞社対決ということか。大雪像は「北海道を駆ける!サラブレッド」。馬の疾走する姿がよい。
そしてそのステージには、コスプレらしきイベントをやっていた。もう歌は終わってしまったようで、セーラームーンっぽい恰好の女子が2人いる。司会は男女でコスプレをしているが、あの女性のチャイナドレスは、かなり短くないか?
折よくいやらしい風が吹いてきて、そのたびにドレスがめくれ上がる。まさかこんなところでエロスに遭遇するとは思わなんだ。
次の3人組歌手が登場した。それぞれの衣装から伸びる脚が細い。固定のファンがいるようで、辺りは異様な興奮状態である。ちなみに私はこの雰囲気が好きである。
彼女らが去り、入れ替わりにチャイナドレス嬢が登場する。彼女は鈴木奈々に似ている。再びいやらしい、いやありがたい風が吹き、ドレスがめくれる。もう、彼女にずっといてほしい!
今度は5人組の歌手が登場した。レッド、ライトブルー、ピンク、イエロー、ブルーの衣装がカラフルだ。5人は縦横無尽に動き回り、元気いっぱい。
マイクのコードが絡まって、途中でほぐす、という一幕もあったが、隙間風吹く私の心に、一服の癒しをくれた。
4丁目は、行きでも観たが、STV広場「Hard Rock Family Live~初音ミク&戸山香澄on Snow Stage~」である。ここは8頭身の初音ミクということだ。
これで本日のさっぽろ雪まつり観光は切り上げ、これから小樽である。
(つづく)
10丁目はUHBファミリーランドで、「白いスター・ウォーズ2019」である。雪像は精巧に造られているのだろうが、私はスター・ウォーズに興味がないので、感動がない。
それよりも中雪像のカップヌードルの方に食指が動く。
昨年はカップヌードルが横倒しされたデザインだったが、今年は正調の直立。それもよかろう。
11丁目の国際広場は、もちろん「国際雪像コンクール」である。純粋に雪像の出来を愉しむならここで、「なよろ雪質日本一フェスティバル」に引けを取らぬ力作が揃う。
その先には、雪ミク(初音ミク)の小雪像がある。今年は「プリンセス」がテーマになっている。雪像は3頭身でかわいらしい。この、3頭身でも8頭身でも同じキャラ、というのは漫画家・たがみよしひさの作品でも観られるもので、斬新な構想である。
その傍らのオフィシャルグッズ売り場では、長蛇の列ができていた。初音ミクの人気があるのは分かるが、入店するのに列に並ぶなんて、私にはできない。そのまま先を急ぐ。
12丁目は市民の広場だ。ここは毎年出展者が固定されているので、見覚えのある雪像も見受けられる。このデジャヴ感もまたよしである。
ここで大半の人は引き返すが、私はそのまま直進する。すなわち、札幌市資料館への入館である。
1階の小部屋では、ツララの研究をしているふうの部屋があった。学生らしきスタッフさんに聞くと、かなりマジメな研究らしい。
2階に上がり、「乞望さんのほほえみ地蔵展」に入る。ここは毎年新作が入荷されていて、絵はがきの文面を読むだけでも楽しい。
私はいろいろ拝見したが、
「病得て しみじみ かみしめる 幸せの味」
に感銘を受け、これを購入することにした。
「今年も案内ハガキをいただき、ありがとうございます」
と私。
「あらそうですか、そのハガキは今お持ちですか?」
「あ、いや置いてきちゃいました」
どうもそのハガキを持参すれば、景品をもらえたらしい。だがスタッフさんは、それでも私に景品をくれた。それがクリアファイルで、たかだか150円の買物をしただけなのに、申し訳ない。
ところでスタッフさんによると、ここでの営業は今回が最後になるという。この資料館が来年耐震工事を行うことになり、利用禁止となるからだ。
私はルーティーンのひとつがなくなり淋しいが、何事にも別れがあり、やむを得ないのかもしれない。
続いて、「ゆきみどり」の部屋に入る。ゆきみどりさんは変わらず健在だった。人間は不思議なもので、私のように毎年薄毛がひどくなっていく人もいれば、みどりさんのように変わらない人もいる。とくに私の凋落はひどい。
みどりさんとの再会を祝い、ローカル線談義などに花を咲かせる。頃合いを見計らって、ここでも1枚絵はがきを買う。しかしレジにいるみどりさんがなかなかおつりをくれない。もらったら私が部屋を出てしまうからで、まあ私も今日は時間的余裕があるからいい。
「ゆきみどり」は来年もう1回、ここで開けるそうだ。私も来られればいいが、来年どうなるかは私自身も分からない。
「創作わら細工のふじやま」にも入る。ここと奥のギャラリーは地元ちびっ子の展示会はあったが、消えていた。店の旦那とは昨年も話したので、今年も声を掛ける。
さっきもそうだが、最近は他人と会話をする機会がないので、ちょっと不思議な感じがする。
そうそう、今宵の宿である。例によって、東横INNのHPを観てみる。しかしトップページに「川口駅前OPEN!!」の掲示があり、やや旅情が削がれる。このホテルなら先週、その前を通ったのだ。ネットは距離関係をおかしくさせる。
札幌駅南口に1部屋空いていたので、予約した。「喫煙シングルで4,720円」は私の辞書にはないが、この時期贅沢は言えなかった。
再び雪像鑑賞に戻る。9丁目の話題の人の雪像は、「大坂なおみ」だった。なるほどの人選である。期待に違わず、今年もそっくりだ。観光客にも人気があり、記念写真の列が途切れない。
チコちゃんの雪像もあり、これは予想されたところである。
おおそうだ、ANAの帰りの飛行機の件があった。こちらも、12日夜の便に変更した。
どうもANAの思惑に乗った感じもするが、明日夜の飛行機が遅れて、またタクシー利用なんていうことになったら面倒だ。もう9,690円も使いたくない。
7丁目のヘルシンキ大聖堂では、女性歌手が、リハーサルみたいなものをやっていた。これは本番を聴いてみたいが、そこまで待つ余裕はない。
7丁目の中雪像は「刀剣乱舞-ONLINE-」。女性は刀を持つと妖しく微笑む。それを私は以前、熊本の資料館で観た。
6丁目は市民・食の広場。ここで売られているものは美味いに決まっているのだが、どうも買う気が起こらない。ここで食すなら、暖かい場所で座って食べたいのだ。
北方領土署名コーナーがあったので、記帳する。これも31年間欠かさず行ってきたが、「数の力」の効果はあるのだろうか。
アレッ? そういえば今年も、「緑効青汁」の試飲コーナーがない。あれを飲みながら体を温めるのが定跡だったのに……。
5丁目西は、毎日新聞氷の広場。「台湾-玉山と高尾駅」である。これも精巧に造られて綺麗だが、氷像はライトアップされたほうがよい。
5丁目東は、道新雪の広場。ここは新聞社対決ということか。大雪像は「北海道を駆ける!サラブレッド」。馬の疾走する姿がよい。
そしてそのステージには、コスプレらしきイベントをやっていた。もう歌は終わってしまったようで、セーラームーンっぽい恰好の女子が2人いる。司会は男女でコスプレをしているが、あの女性のチャイナドレスは、かなり短くないか?
折よくいやらしい風が吹いてきて、そのたびにドレスがめくれ上がる。まさかこんなところでエロスに遭遇するとは思わなんだ。
次の3人組歌手が登場した。それぞれの衣装から伸びる脚が細い。固定のファンがいるようで、辺りは異様な興奮状態である。ちなみに私はこの雰囲気が好きである。
彼女らが去り、入れ替わりにチャイナドレス嬢が登場する。彼女は鈴木奈々に似ている。再びいやらしい、いやありがたい風が吹き、ドレスがめくれる。もう、彼女にずっといてほしい!
今度は5人組の歌手が登場した。レッド、ライトブルー、ピンク、イエロー、ブルーの衣装がカラフルだ。5人は縦横無尽に動き回り、元気いっぱい。
マイクのコードが絡まって、途中でほぐす、という一幕もあったが、隙間風吹く私の心に、一服の癒しをくれた。
4丁目は、行きでも観たが、STV広場「Hard Rock Family Live~初音ミク&戸山香澄on Snow Stage~」である。ここは8頭身の初音ミクということだ。
これで本日のさっぽろ雪まつり観光は切り上げ、これから小樽である。
(つづく)