2日はC級1組順位戦の2回戦が行われる。「観る将」の注目は藤井聡太七段の戦いだが、マニアの視点はちょっと違う。なぜなら本局は、相手が堀口一史座七段だからである。
あらためて堀口七段は1996年4月、四段昇段。
1999年、NHK杯将棋トーナメント戦で決勝に進出し、羽生善治四冠に惜敗したものの、堂々たる成績を残した。 また、同年の新人王戦でも準優勝とした。
2000年度の銀河戦でも予選・本戦と連勝を続けたが、決勝で羽生五冠に敗れ、またも準優勝となった。
ここまでくると、「元祖準優勝男」の森下卓九段を想起させるが、堀口七段は頑張った。
2001年度の新装・朝日オープン将棋選手権では、決勝五番勝負に進出。杉本昌隆六段に3勝1敗で勝ち、準タイトルの「朝日」を獲得した。
そんな堀口七段を語るうえで欠かせないのは、2005年度B級1組順位戦の、青野照市九段戦である。この将棋は角換わりになったが、中盤の難しい局面で、堀口七段は5時間24分の大長考をした。プロは同じ局面を何時間でも考えられるが、加藤一二三九段の例を見るまでもなく、ある程度まで読み込めば、最後は堂々巡りになる。つまりどこかで決断しないとキリがないわけだが、哲学に精通する堀口七段は、この局面の何かがツボに入ってしまったのだろう。
長考後の一手は控室の予想の範囲内だったが、その気合が通ったのか、勝負も堀口七段が勝った。
その堀口七段の体調がおかしくなったのは2013年ごろである。病名は公表されなかったが休場しがちになり、順位戦では降級点を重ねた。
そしてそれは現在も慢性的に続いているようで、将棋データベースなどで堀口七段の戦いを盗み見すると、堀口七段が驚くくらい早指しである。
そのパターンはだいたい同じで、堀口七段が飛車を振り、相手に穴熊にガッチリ組まれ、捌き合って負け、というものである。あれ? という早投げも多い。午前中の決着も珍しくなく、先日の叡王戦七段予選などは、対局時間がわずか16分だった。
堀口七段だって大切な対局をしっかり指したいだろうが、体力がもたないのだ。居飛車党(だと思う)の堀口七段が飛車を振るのも、体力を温存してのことだろう。
というわけで、そんな堀口七段と藤井七段の一戦なのである。あらゆる意味で好対照の2人で、これはいつも以上に注目が集まると言ってよい。
堀口七段が早指しをするのか。持てる力を振り絞って、持ち時間を消費するのか。当日は私も、ネット中継を楽しもうと思う。
あらためて堀口七段は1996年4月、四段昇段。
1999年、NHK杯将棋トーナメント戦で決勝に進出し、羽生善治四冠に惜敗したものの、堂々たる成績を残した。 また、同年の新人王戦でも準優勝とした。
2000年度の銀河戦でも予選・本戦と連勝を続けたが、決勝で羽生五冠に敗れ、またも準優勝となった。
ここまでくると、「元祖準優勝男」の森下卓九段を想起させるが、堀口七段は頑張った。
2001年度の新装・朝日オープン将棋選手権では、決勝五番勝負に進出。杉本昌隆六段に3勝1敗で勝ち、準タイトルの「朝日」を獲得した。
そんな堀口七段を語るうえで欠かせないのは、2005年度B級1組順位戦の、青野照市九段戦である。この将棋は角換わりになったが、中盤の難しい局面で、堀口七段は5時間24分の大長考をした。プロは同じ局面を何時間でも考えられるが、加藤一二三九段の例を見るまでもなく、ある程度まで読み込めば、最後は堂々巡りになる。つまりどこかで決断しないとキリがないわけだが、哲学に精通する堀口七段は、この局面の何かがツボに入ってしまったのだろう。
長考後の一手は控室の予想の範囲内だったが、その気合が通ったのか、勝負も堀口七段が勝った。
その堀口七段の体調がおかしくなったのは2013年ごろである。病名は公表されなかったが休場しがちになり、順位戦では降級点を重ねた。
そしてそれは現在も慢性的に続いているようで、将棋データベースなどで堀口七段の戦いを盗み見すると、堀口七段が驚くくらい早指しである。
そのパターンはだいたい同じで、堀口七段が飛車を振り、相手に穴熊にガッチリ組まれ、捌き合って負け、というものである。あれ? という早投げも多い。午前中の決着も珍しくなく、先日の叡王戦七段予選などは、対局時間がわずか16分だった。
堀口七段だって大切な対局をしっかり指したいだろうが、体力がもたないのだ。居飛車党(だと思う)の堀口七段が飛車を振るのも、体力を温存してのことだろう。
というわけで、そんな堀口七段と藤井七段の一戦なのである。あらゆる意味で好対照の2人で、これはいつも以上に注目が集まると言ってよい。
堀口七段が早指しをするのか。持てる力を振り絞って、持ち時間を消費するのか。当日は私も、ネット中継を楽しもうと思う。