適当なところで上に上がると、左手にグリコの大看板が見えてきた。これぞ大阪のイメージのひとつで、東京でいえば新宿「ALTA前」となろうか。
辺りは観光客でごった返し、みなが記念写真を撮っている。しかし「特等席」にあたる部分は、どこかのバカが自転車を置き、何かの商売をしている。こういうのは警察が取り締まるべきであろう。
なんばセンター街に入り、そこを抜けると、「なんばグランド花月」があった。ここは将棋でいえば将棋会館みたいなところで、お笑いの殿堂といえよう。軒下には西川きよし、桂文枝、オール阪神巨人、月亭八方、トミーズ、ザ・ぼんち、Wヤング……と、錚々たる名札が打ち付けられている。
隣接の高いビルの5階には、「よしもと漫才劇場」もあった。


さて、さすがに遅い昼食を摂ろうと思う。私はなんば南海通りに戻り、さっきの蕎麦屋に入った。月見うどんのチケットを購入する(220円)。かけうどんが170円だから生卵は50円になる計算だが、やや高いか。ここは40円に負けてもらいたかったところ。
うどんはつるつるしていて、美味かった。通勤圏にこの店があれば、毎日でも通いたくなる店だった。
短すぎる大阪観光を終え、とりあえず西に向かう。なんばから地下鉄御堂筋線に再び乗り、梅田下車。ここでJR経路に戻り、大阪発17時22分のJR神戸線快速に乗った。車内はもちろん混んでいる。17時38分、芦屋着。17時44分、今度は新快速に乗り換え、18時35分、姫路に着いた。
でもよく考えたら、17時30分大阪発の新快速に乗っても同じことだった。
さて姫路には2年前に訪れたこともあり、素通りである。5分の待ち合わせで、網干行きの普通列車に乗る。岡山に行くならこの次の列車でも同じだが、網干駅前の喫茶店に入りたかった。
18時52分、網干着。早速喫茶店に向かうが、店は閉まっていた。というか、自動ドアに貼り紙がある。すごくイヤな予感がして近寄ると「閉店のお知らせ」で、何と昨年の12月27日に閉店していた。
こ……ここもか!
喫茶店「Conservo」は列車待ちの時一度だけ入ったことがある。店の雰囲気はよく、飲み物も良心的な値段で、しかもお菓子をサービスしてくれたものだ。私の旅行はいつも何かに追われていて、しかも独身男のひとり旅だから、つねに虚しさを内包している。でもこの喫茶店では、すべてを忘れてのんびりすることができた。
またひとつ、私のお気に入りの店が消えてしまった。

網干発19時16分の岡山行きに乗る。車内は適度な混み具合で、座って座れないこともないが、立っていく。
スマホで、今日のホテルを探すが、満室が多い。昨年は倉敷のホテルに泊まったが、割とスンナリ取れた記憶がある。今年はどこを探してもダメで、いやむろん金に糸目を付けなければ部屋はあるが、ただ寝るだけの場所で高額は払えない。
ネットカフェを調べると、岡山にコミックバスターが1軒あった。私は以前、ネットカフェの会員証群が入っていた封筒を紛失してしまったので、再発行を望まない私は、入れる店が限られている。ここコミックバスターは、幸いに会員証が残っていた。今宵はここに泊まろうか。
岡山駅20時34分着。とりあえず晩飯である。昨年は駅前のアーケード街で、風情ある大衆食堂に入った。それを探すのだが、どこにあったのか判然としない。恐らくシャッターが閉まっているからだろうが、ややテンションが下がる。
カプセルホテルがあった。1泊3,500円である。ここに入ってもいいが、私はもう、ネットを使うイメージが出来上がっており、とりあえず見送りとする。
以前も入った「宮本むなし」があったので、入る。ここはライスのおかわりが可で、カレーライスも無料で大盛りにしてくれる。歳を取ってくると、こういう無料のサービスに涙が出てくるのである。
カレーライス大盛り450円。美味かった。
コミックバスター岡山駅前店は、デパートの地下1階にあった。営業を終えたデパートに入るのは違和感がある。
店はあったが簡易的な造りで、手続きはセルフだった。だが私の会員証が反応しない。どうもこのシステムになってからだと私の会員証は古いようで、替えてもらう。10時間パックをオーダーした。
外装の造りは簡素だったが、ブースに入ればどこも同じである。
無料のシネマチャンネルを適当にいじっていると、黒木い●みという、かつて私が大ファンだった女流棋士そっくりの女優に当たった。これをどう見るべきか。
明日の宿も当たってみる。東横インを調べると、徳山に3軒あったのだが、いずれも高い。
もうよく分からなくなり、とりあえず横になった。
翌3日(金・祝)。コミックバスターは支払いもセルフである。1泊2,646円はまずまずだったか。
岡山駅に入る。構内に「キムラヤのパン」なる店があって、どうも老舗のパン屋っぽい。私はパンが大好物というわけではないが、ここは買う一手であろう。メロンパンとあんぱんを買った。
改札を抜けると、07時13分発の下りが出たところだった。私は07時34分の列車に乗るつもりで準備したのだが、その前の列車にも乗れたのだ。
私は今回も時刻表を携行せず、スマホの乗換案内でまかなっているのだが、ダイヤを俯瞰で見られない弊害がここで出た。
07時34分の列車が入線した。私は3年連続でこの列車に乗車することになる。岡山からの下り、しかも休日なので、私と同乗の客はあまりいない。
乗車し、私はメロンパンを頬張る。これが至福の時間である。
列車は定刻に発車した。空は曇り模様だが、やがて晴れてくるだろう。列車に快適に揺られ、私は車窓を愛でる。私は「乗り鉄」に分類されると思うのだが、となるとこの時間がいちばんよいのだろう。
東福山を過ぎた時、列車が急停止した。
(24日につづく)
辺りは観光客でごった返し、みなが記念写真を撮っている。しかし「特等席」にあたる部分は、どこかのバカが自転車を置き、何かの商売をしている。こういうのは警察が取り締まるべきであろう。
なんばセンター街に入り、そこを抜けると、「なんばグランド花月」があった。ここは将棋でいえば将棋会館みたいなところで、お笑いの殿堂といえよう。軒下には西川きよし、桂文枝、オール阪神巨人、月亭八方、トミーズ、ザ・ぼんち、Wヤング……と、錚々たる名札が打ち付けられている。
隣接の高いビルの5階には、「よしもと漫才劇場」もあった。


さて、さすがに遅い昼食を摂ろうと思う。私はなんば南海通りに戻り、さっきの蕎麦屋に入った。月見うどんのチケットを購入する(220円)。かけうどんが170円だから生卵は50円になる計算だが、やや高いか。ここは40円に負けてもらいたかったところ。
うどんはつるつるしていて、美味かった。通勤圏にこの店があれば、毎日でも通いたくなる店だった。
短すぎる大阪観光を終え、とりあえず西に向かう。なんばから地下鉄御堂筋線に再び乗り、梅田下車。ここでJR経路に戻り、大阪発17時22分のJR神戸線快速に乗った。車内はもちろん混んでいる。17時38分、芦屋着。17時44分、今度は新快速に乗り換え、18時35分、姫路に着いた。
でもよく考えたら、17時30分大阪発の新快速に乗っても同じことだった。
さて姫路には2年前に訪れたこともあり、素通りである。5分の待ち合わせで、網干行きの普通列車に乗る。岡山に行くならこの次の列車でも同じだが、網干駅前の喫茶店に入りたかった。
18時52分、網干着。早速喫茶店に向かうが、店は閉まっていた。というか、自動ドアに貼り紙がある。すごくイヤな予感がして近寄ると「閉店のお知らせ」で、何と昨年の12月27日に閉店していた。
こ……ここもか!
喫茶店「Conservo」は列車待ちの時一度だけ入ったことがある。店の雰囲気はよく、飲み物も良心的な値段で、しかもお菓子をサービスしてくれたものだ。私の旅行はいつも何かに追われていて、しかも独身男のひとり旅だから、つねに虚しさを内包している。でもこの喫茶店では、すべてを忘れてのんびりすることができた。
またひとつ、私のお気に入りの店が消えてしまった。

網干発19時16分の岡山行きに乗る。車内は適度な混み具合で、座って座れないこともないが、立っていく。
スマホで、今日のホテルを探すが、満室が多い。昨年は倉敷のホテルに泊まったが、割とスンナリ取れた記憶がある。今年はどこを探してもダメで、いやむろん金に糸目を付けなければ部屋はあるが、ただ寝るだけの場所で高額は払えない。
ネットカフェを調べると、岡山にコミックバスターが1軒あった。私は以前、ネットカフェの会員証群が入っていた封筒を紛失してしまったので、再発行を望まない私は、入れる店が限られている。ここコミックバスターは、幸いに会員証が残っていた。今宵はここに泊まろうか。
岡山駅20時34分着。とりあえず晩飯である。昨年は駅前のアーケード街で、風情ある大衆食堂に入った。それを探すのだが、どこにあったのか判然としない。恐らくシャッターが閉まっているからだろうが、ややテンションが下がる。
カプセルホテルがあった。1泊3,500円である。ここに入ってもいいが、私はもう、ネットを使うイメージが出来上がっており、とりあえず見送りとする。
以前も入った「宮本むなし」があったので、入る。ここはライスのおかわりが可で、カレーライスも無料で大盛りにしてくれる。歳を取ってくると、こういう無料のサービスに涙が出てくるのである。
カレーライス大盛り450円。美味かった。
コミックバスター岡山駅前店は、デパートの地下1階にあった。営業を終えたデパートに入るのは違和感がある。
店はあったが簡易的な造りで、手続きはセルフだった。だが私の会員証が反応しない。どうもこのシステムになってからだと私の会員証は古いようで、替えてもらう。10時間パックをオーダーした。
外装の造りは簡素だったが、ブースに入ればどこも同じである。
無料のシネマチャンネルを適当にいじっていると、黒木い●みという、かつて私が大ファンだった女流棋士そっくりの女優に当たった。これをどう見るべきか。
明日の宿も当たってみる。東横インを調べると、徳山に3軒あったのだが、いずれも高い。
もうよく分からなくなり、とりあえず横になった。
翌3日(金・祝)。コミックバスターは支払いもセルフである。1泊2,646円はまずまずだったか。
岡山駅に入る。構内に「キムラヤのパン」なる店があって、どうも老舗のパン屋っぽい。私はパンが大好物というわけではないが、ここは買う一手であろう。メロンパンとあんぱんを買った。
改札を抜けると、07時13分発の下りが出たところだった。私は07時34分の列車に乗るつもりで準備したのだが、その前の列車にも乗れたのだ。
私は今回も時刻表を携行せず、スマホの乗換案内でまかなっているのだが、ダイヤを俯瞰で見られない弊害がここで出た。
07時34分の列車が入線した。私は3年連続でこの列車に乗車することになる。岡山からの下り、しかも休日なので、私と同乗の客はあまりいない。
乗車し、私はメロンパンを頬張る。これが至福の時間である。
列車は定刻に発車した。空は曇り模様だが、やがて晴れてくるだろう。列車に快適に揺られ、私は車窓を愛でる。私は「乗り鉄」に分類されると思うのだが、となるとこの時間がいちばんよいのだろう。
東福山を過ぎた時、列車が急停止した。
(24日につづく)