一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2019年九州旅行(5)

2020-03-01 03:18:23 | 旅行記・九州編
諫早駅は綺麗な橋上駅舎になり、装いを一新していた。数年前から建て替え工事をしていたが、完成していたのだ。
時間があれば探索したいが、次の島原鉄道は07時43分で、時間がない。すぐに地上に下り、乗り換えである。
島原鉄道は、以前はJRの一隅に間借りする佇まいだったが、駅改装に伴い、長崎を代表する民鉄として、しっかり独立していた。
自動券売機も新しくなった。私は島原外港までの普通切符を購入する。丸一日島原半島で遊ぶなら1日券だが、今回は通過するだけの片道切符なので、ふつうに買うよりない。
けっこうギリギリの乗車だったが、私はボックス席に独り占めで座ることができた。あたりを見回すと、乗客はカップル1組を含む8人だった。何年か前に乗車した時は、もう少し乗客があった。「Shimatetsuきっぷ」廃止の余波が出たかもしれない。
定刻に出発。列車は島原半島を時計回りに半周するが、海に面する箇所は意外に少ない。時々民家スレスレを行ったりして、むしろそちらのほうが楽しい。
車内の放送は、地元の高校の放送部が行っている。初々しくてなかなかよい。
愛野着08時06分。大昔はここから雲仙小浜まで雲仙鉄道が通じていたが、1938年に廃止された。我が島原鉄道はまっすぐ行く。
列車は大三東、島原など、順番に停車していく。途中下車したいところだが、早いうちに熊本側に渡りたく、そのまま乗り続けるよりない。それに、もう島原外港までの切符を買ってしまっている。
「次はレイキュウ公園……」
……何? そんな駅名、あったろうか。……そういえば、諫早で切符を買う時も、終点の駅名は「島原港」だった気がする。
そうだ島原鉄道は今年、多くの駅名の改称を行ったのではないか? 道理で、各駅の駅名看板が新しくなった気がしていたのだ。
終点のひとつ前、南島原は島原船津になっていた。南島原駅はレトロ調のいい駅舎で、駅舎の筆文字にも味があったが、同じ字体を継承しているだろうか。
だが確認できぬまま列車は発車し、09時03分、終点島原港に着いた。乗客は、私を含めて3人だった。
鉄路はこの先も伸びていたが、2008年4月1日、島原外港-加津佐間35.3kmが廃止された。





そのままフェリー乗り場に行く。フェリーターミナルは同じ佇まいだ。……あれっ!? 九商フェリーの次の便が「11:10」になっている。09時40分のがなかったか?
熊本フェリーもあるが、あちらは高速船なので料金が高い。だがよく見るとフェリーもあって、次の便は10時15分である。これにしても1時間待ちだが、これに乗るしかないのか。
とりあえず、港近くのコンビニに行く。朝食の調達である。紙パック1リットルのお茶と、おにぎり2つを買った。
熊本フェリーでは、下船後の熊本駅&バスターミナルまでのバスのセット「ついとる熊本」が売られていた。九商フェリーなら熊本駅まで無料のマイクロバスが出ているが、熊本フェリーは込み込み1,300円である。それでも割引になっているのだろう。これを買う。
出航まで、室内のベンチで朝食を摂った。いつもながら侘しい食事だ。
フェリーに乗る際、連絡橋の途中に九商フェリーの時刻表が貼ってあったが、12月2日から20日までドック入りで、運航ダイヤが半分になっていた。恐らく、それで09時40分の便が削減されたのだ。
これが分かっていれば、島原あたりで1時間の散策ができたのだ。いやそのぶん、朝起きるのを遅くしただろうか。やはり事前の情報収集は必要と痛感する。もっとも、そんなに何もかも調べたら、旅先でのサプライズがなくなってしまう。
熊本フェリー「オーシャンアロー」は豪華船だった。客数も、最初は少ないと思ったら、続々と入室してきた。自動車組が乗船してきたのだ。そして外国人が圧倒的に多かった。
旅の行程に船旅を入れると、気分が豊かになる。デッキに出ると、彼方に雲仙普賢岳が見えた。
普賢岳の火砕流が起こったのは1991年6月3日である。死者・行方不明者は43名に上る大惨事だった。私は複雑な気持ちになる。



オーシャンアローは10時45分の定刻より数分遅れて、熊本港に着いた。
ターミナルの土産売り場を抜け、建物を出ると、すぐバス乗り場だった。そばには丸々と太った猫がいた。誰かが与えた餌を食べはじめたが、このターミナルに常駐しているのかもしれない。
11時10分、産交バス熊本港線に乗る。何年か前に九商フェリーのマイクロバスに乗った時は、中学生がマラソン大会をしていたっけ。今年は歩道に誰もいない。
バスは熊本駅前に着いたようだ。だが私はいい気持ちで半分眠りについている。どうせ終点で降りるからいいのだ。
その終点に着いて、驚いた。
(つづく)
コメント
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