一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「第47回将棋大賞」を予想する

2020-03-29 00:31:39 | 将棋雑記
25日、26日に行われた第69期王将戦第7局は、渡辺明王将が広瀬章人八段を破り、防衛。これにて今年度のタイトル戦がすべて終わった。
では、第47回の将棋大賞各賞を予想しよう。
まずは男性棋士編。

■2019年度の結果
第77期名人戦 豊島将之二冠4-0佐藤天彦名人
第4期叡王戦 永瀬拓矢七段4-0高見泰地叡王
第90期棋聖戦 渡辺明二冠3-1豊島将之棋聖
第60期王位戦 木村一基九段4-3豊島将之王位
第67期王座戦 永瀬拓矢叡王3-0斎藤慎太郎王座
第32期竜王戦 豊島将之名人4-1広瀬章人竜王
第45期棋王戦 渡辺明棋王3-1本田奎五段
第69期王将戦 渡辺明王将4-3広瀬章人八段

第4回YAMADAチャレンジ杯 門倉啓太五段○-●井出隼平四段
第27期銀河戦 豊島将之名人○-●渡辺明二冠
第9期加古川青流戦 池永天志四段2-1服部慎一郎三段
第50期新人王戦 高野智史四段2-1増田康宏六段
第40回将棋日本シリーズ 渡辺明JT杯○-●広瀬章人竜王
第13回朝日杯将棋オープン戦 千田翔太七段○-●永瀬拓矢二冠
第69回NHK杯将棋トーナメント戦 深浦康市九段○-●稲葉陽八段

【最優秀棋士賞】
豊島将之竜王・名人
【優秀棋士賞】
渡辺明三冠
【敢闘賞】
木村一基王位
【新人賞】
本田奎五段
【升田幸三賞】
藤井聡太七段「▲7三成桂」(第61期王位戦リーグ・対稲葉陽八段)
【名局賞】
第32期竜王戦七番勝負第5局 広瀬章人竜王VS豊島将之名人

最優秀棋士賞は、豊島竜王・名人と渡辺三冠の一騎打ちである。豊島竜王・名人は、タイトル戦こそ2勝2敗だったが、「竜王」「名人」の大二冠を圧倒的な強さで奪取したのが光った。
渡辺三冠も三冠を有し、順位戦21連勝のおまけをつけて名人挑戦(これはタイトル1期に相当する)を決めたが、やはり竜王・名人のタイトルは重いと思う。
よって、豊島竜王・名人を最優秀棋士賞。渡辺三冠を優秀棋士賞にしたい。
敢闘賞は木村王位としたい。対抗は永瀬二冠でこちらも立派な成績なのだが、46歳のオジサンが青年名人からタイトルを奪取したことは大殊勲だ。優秀棋士賞に推してもいいくらいだ。
新人賞は、棋王戦挑戦を決めた本田五段とする。
升田幸三賞はよく分からない。本来升田幸三賞は、序盤の優れた構想にスポットを当てるものだろうが、昨年の大賞は、藤井聡太七段の「△7七同飛成」だった。また同特別賞が丸山忠久九段の「一手損角換わりの研究」で、「えっ? いまごろ⁉」という違和感は拭えなかった。
それで私は、24日の王位戦リーグで指された、藤井七段「▲7三成桂」を推す。

寄せの足場になりそうな駒を捨てるなんて、私には一生考えても浮かばない。藤井七段の将棋には華があり、見ていていつも感心する。
名局賞もよく分からないのだが、竜王戦第5局はドラマがあり、名局に値する将棋だったと思う。
最後にひとつ、藤井七段の「3年連続勝率8割達成」である。同じプロが戦って勝率8割を3年連続とは考えられず、特別賞を差し上げたいところである。

続いて女流棋士編。

■2019年度の結果
第12期マイナビ女子オープン 西山朋佳女王3-1里見香奈女流四冠
第30期女流王位戦 里見香奈女流四冠3-1渡部愛女流王位
第1期清麗戦 里見香奈女流五冠3-0甲斐智美女流五段
第41期女流王将戦 西山朋佳女王2-1里見香奈女流王将
第27期倉敷藤花戦 里見香奈倉敷藤花2-1伊藤沙恵女流三段
第9期女流王座戦 西山朋佳女流二冠3-1里見香奈女流王座
第46期女流名人戦 里見香奈女流名人3-0谷口由紀女流三段
第5回YAMADA女流チャレンジ杯 山根ことみ女流初段○-●伊奈川愛菓女流初段

【最優秀女流棋士賞】
西山朋佳女流三冠
【優秀女流棋士賞】
里見香奈女流四冠
【女流名局賞】
第9期女流王座戦五番勝負第2局 里見香奈女流王座VS西山朋佳女流二冠

最優秀女流棋士賞は、西山女流三冠でいいと思う。出場できる3棋戦すべてでタイトルを獲ったのだから文句なし。
里見女流四冠も素晴らしいが、対西山戦のタイトル戦0勝3敗が引っかかる。もし女流王将戦の結果が逆になっていたら、里見女流「五冠」を推した。
女流名局賞は難しいが、女流王座戦の第2局とする。里見女流王座の強力な攻めを、西山女流二冠が手筋を駆使して全力で受ける。まさに手に汗握る攻防で、見応えがあった。これ、攻め方が里見女流王座以外だったら、西山女流二冠が受け切っていただろう。2人のレベルの高さが窺われた。
コメント (2)
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