11日に行われた第33期竜王戦ランキング戦1組出場者決定戦・5位決定戦1回戦で、広瀬章人八段は阿部健治郎七段に負け、2組降級が決まった。
広瀬八段は前期の七番勝負敗者、いわゆる「前竜王」である。しかし竜王戦に本戦シードはないので、一律ランキング戦からの参加になる。そして竜王戦は第19期から1組の降級者が3名から4名に増えたため、2連敗で即降級となったわけだ。
ちなみに順位戦A級は竜王戦1組に相当するが、「前名人」が即降級した例はない。それだけ竜王戦のシステムが厳しいといえる。
では、「前竜王」が即2組に降級した例を記そう。
第4期 羽生善治棋王 ●脇謙二七段→●南芳一王将→●加藤一二三九段(残留決定戦)
第27期 渡辺明二冠 ●屋敷伸之九段→●藤井猛九段
第28期 森内俊之九段 ●佐藤天彦七段→●藤井猛九段
第33期 広瀬章人八段 ●佐藤天彦九段→●阿部健治郎七段
以上4例。
第4期は、羽生棋王が3連敗し2組に降級。前竜王でも降級してしまう、これが竜王戦のシステムなのかと、みなが改めて驚愕したのであった。
第10期は、羽生五冠(前竜王)が●村山聖八段→●米長邦雄九段(出場者決定戦)となったが、残留決定戦で伊藤果七段、中村修八段に勝ち、辛くも残留を決めた(第18期までは、2連敗者4名でミニトーナメントを行い、勝ち抜いた1名が残留するというものだった)。
なお伊藤七段(現八段)は、順位戦は最高位でC級1組だったが、竜王戦は第1期の4組からコツコツ昇級を重ね、第8期に1組に昇級した。翌第9期は、米長邦雄九段に勝つ活躍を見せた。
第27期は、竜王9連覇の渡辺二冠が連敗で、即降級してしまった。
藤井九段との5位決定戦は千日手になり、指し直し局は藤井九段の先手中飛車で相穴熊となった。中盤、藤井九段のと金攻めが冴え、藤井九段優勢。その終盤戦を見てみよう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/64/640c1836d4d6d81522c164e18deb835f.png)
第1図から、▲7三歩△8三飛▲5五歩△4五金▲5三と△7三飛▲4二と△同銀▲5二と△3三銀右▲5四歩△5一歩▲4一と△5二歩▲5三歩成△同歩▲4三歩(投了図)まで、藤井九段の勝ち。
終盤は歩(と)の符号だけでイビアナに勝ってしまった、珍しい例である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/57/8b52a928e7fa5c6f86761a72fa0bb953.png)
「前竜王」は第33期までのべ16名に上るから、2割5分の確率で落ちたことになる。かように1組は恐ろしいクラスだが、竜王戦はどのクラスからでも挑戦できる。広瀬八段の巻き返しを祈る。
広瀬八段は前期の七番勝負敗者、いわゆる「前竜王」である。しかし竜王戦に本戦シードはないので、一律ランキング戦からの参加になる。そして竜王戦は第19期から1組の降級者が3名から4名に増えたため、2連敗で即降級となったわけだ。
ちなみに順位戦A級は竜王戦1組に相当するが、「前名人」が即降級した例はない。それだけ竜王戦のシステムが厳しいといえる。
では、「前竜王」が即2組に降級した例を記そう。
第4期 羽生善治棋王 ●脇謙二七段→●南芳一王将→●加藤一二三九段(残留決定戦)
第27期 渡辺明二冠 ●屋敷伸之九段→●藤井猛九段
第28期 森内俊之九段 ●佐藤天彦七段→●藤井猛九段
第33期 広瀬章人八段 ●佐藤天彦九段→●阿部健治郎七段
以上4例。
第4期は、羽生棋王が3連敗し2組に降級。前竜王でも降級してしまう、これが竜王戦のシステムなのかと、みなが改めて驚愕したのであった。
第10期は、羽生五冠(前竜王)が●村山聖八段→●米長邦雄九段(出場者決定戦)となったが、残留決定戦で伊藤果七段、中村修八段に勝ち、辛くも残留を決めた(第18期までは、2連敗者4名でミニトーナメントを行い、勝ち抜いた1名が残留するというものだった)。
なお伊藤七段(現八段)は、順位戦は最高位でC級1組だったが、竜王戦は第1期の4組からコツコツ昇級を重ね、第8期に1組に昇級した。翌第9期は、米長邦雄九段に勝つ活躍を見せた。
第27期は、竜王9連覇の渡辺二冠が連敗で、即降級してしまった。
藤井九段との5位決定戦は千日手になり、指し直し局は藤井九段の先手中飛車で相穴熊となった。中盤、藤井九段のと金攻めが冴え、藤井九段優勢。その終盤戦を見てみよう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/64/640c1836d4d6d81522c164e18deb835f.png)
第1図から、▲7三歩△8三飛▲5五歩△4五金▲5三と△7三飛▲4二と△同銀▲5二と△3三銀右▲5四歩△5一歩▲4一と△5二歩▲5三歩成△同歩▲4三歩(投了図)まで、藤井九段の勝ち。
終盤は歩(と)の符号だけでイビアナに勝ってしまった、珍しい例である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/57/8b52a928e7fa5c6f86761a72fa0bb953.png)
「前竜王」は第33期までのべ16名に上るから、2割5分の確率で落ちたことになる。かように1組は恐ろしいクラスだが、竜王戦はどのクラスからでも挑戦できる。広瀬八段の巻き返しを祈る。