第６図以下の指し手。△３三同桂▲２一角△２二玉▲３二金△同金▲同角成△同玉▲３一金△２二玉▲３三桂成△同玉（投了図）
まで、一公の勝ち。
私は何も考えず△３三同桂と取ったが、空いた地点に▲２一角と打たれ、飛び上がった。
これを△２一同玉は▲４一竜以下詰み。よって△２二玉と寄るしかないが、これで不詰みなのは僥倖だった。
しかし紛れをなくすという意味では、▲３三銀を△同銀と取り、▲同桂成△同玉まで、私の勝ちだった。
本譜△２二玉に▲２一金は、△３二玉で後手勝ち。中飛車氏は▲３三桂成と最後のお願いだが、冷静に△同玉と取り、中飛車氏が投了した。
大将戦で勝てて、私はホッと一息。隣は野澤氏が勝ち。やはり野澤氏は強かった。
四将のAbe氏は相手の女性に指導しているふうだったので勝ちと思いきや、負けていた。七将の女性戦も相手の勝ち。このチームの女性は強かった。
しかしチーム成績は４勝３敗で将棋ペンクラブの勝ち。終わってみれば薄氷の勝利であった。
きょうは４階でLPSAが出展している。出席女流棋士は、中倉宏美代表理事、藤森奈津子女流四段、島井咲緒里女流二段、そして渡部愛女流三段だ。
渡部女流三段が来ている、と誰かが教えてくれたが、私のこの頭では、行くのが憚られる。
それに、行って渡部女流三段に気を遣わせるのもイヤだ。
さて、最終４回戦は「丸紅OKI3」と。Kid監督の予定では私が四将だったが、私が３連勝したのと、山野氏が３連敗したので、考えが変わってきた。
「大沢さんは三将でお願いします」
とKid監督。しかししばらく考えて、「いや、大将でお願いします」
こういうことがあるから、事前のオーダー決めは一長一短があるのだ。ともあれ私は、久しぶりの大将連投となった。
スターティングメンバ―は、副将山本、以下Abe、山野、Fuji父、Kid、Akuの各氏。ただ、さっきFuji息子君から連絡があり、参戦予定である。
しかし息子君が到着しない。ほかのチームはもう対局を始めていて、私たちも指すよりなくなった。つまりこのままのメンバーである。Akuさんはきょう４局目で、お疲れ様である。
また私の後手で対局開始。▲７六歩△３四歩▲２六歩。相手の大将とは以前も指した記憶がある。私は△４四歩とし、振り飛車で行くことにした。
四間に振ると、丸紅氏は▲５七銀と上がり、穴熊のニオイ。そして▲７八金と締まり、▲９八香と上がった。
私は腰掛け銀から銀冠に組み、こちらも十分。というか、これで振り飛車が悪くても、挽回できる形である。
途中、丸紅氏が席を外し、ほかの選手の戦いぶりを見ていた。ものすごい余裕だが、こうして気分転換を図るのも、いい手かもしれない。
第１図以下の指し手。△６五歩▲６八飛△６六歩▲同角△同角▲同銀△６四歩▲５五銀△同銀▲同歩△４六歩▲５四歩△同歩▲３一角△３二飛▲６四角成△同金▲同飛△６三銀打▲６七飛（第２図）
△６五歩はこう仕掛けるところ。対して▲同歩なら△７七角成で、▲同銀は△６五桂。▲同桂は△４九角～△７六角成だ。そこで丸紅氏は▲６八飛と迎え撃ったが、この手を軽視していた。
以下角銀総交換となり、さらに角金交換の強襲をされた。こうなってみると、こちらは多少の駒得でも対穴熊なので、割に合わない。
第２図以下の指し手。△４五角▲６四歩△５二銀▲６八飛△４七歩成▲６三銀△６七歩▲７二銀成△同金▲６七金（第３図）
私は飛車を狙って△４五角。丸紅氏はそれを横目に▲６四歩。そこで△６七角成は指せなかった。
▲６八飛に△４七歩成も大きな手だが、▲６三銀～▲７二銀成で薄くされ、芳しくない。その前、△６七歩では△５七とだった。そして第３図▲６七金までの局面は、公平に見て穴熊ペースであろう。
それなのに私は、次の手をしくじった。
第３図以下の指し手。△４六角▲６三銀△同銀▲同歩成△同金▲６四歩△同金▲５七歩△６六歩▲５六金△同角▲同歩△６七銀▲１八飛（第４図）
△４六角はすごい迫力に見えるが、緩手。ここは素朴に△５九銀だった。▲６九飛なら△５八とで、以下どう指しても後手優勢。
２度目の▲６三銀には、恐いが△同銀と取って清算した。どこかで▲６七金が動いて△６三金を抜く手がありそうだが、幸いなかったようである。
とはいえ▲６四歩△同金の交換は、金にヒモが付いたので、ありがたかった。
私の△６七銀では△６八角成で飛車が取れるが、角を２枚渡すと▲５三角がより厳しくなるため、控えた。
丸紅氏の▲１八飛では▲６七同飛△同歩成▲５三角もあるが、△６二銀で耐えていそうだ。
しかし第４図で指す手が分からなかった。
第４図以下の指し手。△９六歩▲同歩△９七歩▲同香△８五桂▲８六銀△９七桂成▲同銀引△５八と▲４七歩△５七角成▲６一角△７二銀▲４三角成△１二飛▲６五歩△６三金▲６四金（第５図）
私は△９六歩と端攻めをした。歩切れの相手に歩を渡すのでアレだが、代わる手も分からなかった。
△８五桂には捨て置かれてなんでもなかったが、▲８六銀と一枚使ってくれたので、だいぶラクになった。
私は△５八とと入り、△７八香を狙う。▲４七歩には勢い△７九角成といきたいが、先と同様の理由で、安易に角は渡したくない。これでなんとかいけそうな気がしたが、本譜▲６四金もイヤな絡みだ。
第５図以下の指し手。△７八香▲６三金△同銀▲６四歩△同銀▲５四馬△５三金▲同馬△同銀▲６五桂△６四銀▲６三金△６五銀▲７三金打△９二玉（第６図）
ここで△６二金は、▲８六桂がイヤミだ。私は無視して△７八香。以下丸紅氏はシャニムニ攻めてきたが、私は丁寧に応接する。
▲７三金打△９二玉で何とか受け切ったかに見えたが、まだイヤな手があった。
（つづく）
