8月28日(日)は、社団戦の第3日目があった。ここまで我が将棋ペンクラブは7部で2勝6敗、20チーム中14位だった。もはや何の目標もないが、個人的には、出場する対局はベストを尽くすのみである。
産業貿易センター台東館へは、気分を変えて、JRと地下鉄で行ってみた。しかし浅草駅から会場まで遠く、路線バスで行くより時間がかかってしまった。
定期券の関係で路線バスのほうが交通費が高いが、その見返りはあったわけだ。
さて会場へはまた早く到着したようで、徐々にメンバーと合流する。Kid監督(以前Kod氏と書いていたが、誤りだった)はLineに、4試合のスターティングメンバ―と順番を書いていた。私は「三将、三将、大将、四将」になっていた。
まことにお疲れ様なことだったが、選手の好不調は日によって変わるので、現場で順番が変わることも考慮しなければならない。
1回戦は「ねこまど」と。北尾まどか女流二段プロデュースのチームで、何となく級位者が多いイメージがある。
我がチームは木村晋介会長、A氏が休み。けっこうギチギチで、今回は社団戦スタッフも兼ねているKan氏にも参戦してもらった。スターティングメンバ―は、大将が山野氏。以下山本氏、私、Abe氏、Kan氏、Kid監督、Akuさんの7名となった。
そのとき、「棋譜取らせてもらっていいですか」と、相手方の控え氏が言った。
それはもちろん大丈夫だが、北尾女流二段の教えだろうか。こうした棋譜取りが、実力の向上に繋がる。このチームは侮れないと思った。
主催者代理の開会の言葉があり、12時15分、私の先手で対局開始となった。▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩に▲7七銀と応じ、矢倉を志向した。
私はガッチリした矢倉を指したかったのだが、「棒銀対スズメ刺し」のような牧歌的な指し手はもう絶滅らしく、後手氏は米長流急戦矢倉できた。じっくりした矢倉も急戦矢倉も、米長邦雄永世棋聖の得意だったというのが面白い。
第1図以下の指し手。△5五歩▲4七銀△6五歩▲同歩△5四銀▲6四歩△8六歩▲同歩△6二飛▲3七桂△5六歩▲同銀△6四飛▲4五桂(第2図)
△5五歩は当然。これを▲同歩は△6五歩以下攻め潰される。▲4七銀の応手も当然だろう。
ねこまど氏はそれでも△6五歩。以下△6二飛まで、ねこまど氏はこの戦型を指し馴れている感じだった。
私は▲3七桂。ここらで反撃の味を見せておかないと、後手にいいようにされてしまう。
私が▲4五桂と跳ねた局面、私にはイヤな手があった。
第2図以下の指し手。△5五歩▲5三歩△4二金右▲4七銀△4五銀直▲同歩△同銀▲2四歩△同歩▲2五歩△5六銀▲同銀△同歩(第3図)
あっちのほうではすでに感想戦が始まっている。六将のKid監督が何かを教えている口調だったので、彼は勝ったと思った。
第2図でねこまど氏は△5五歩としたが、角と銀2枚が止まったため、ありがたかった。
ここは△5五銀左と決戦に来られるのがイヤだった。それには▲5三歩と叩いて攻め合いになるのだろうが、まったく自信はなかった。
私は▲5三歩を利かし、▲4七銀と引く。この取り引きはまずまずである。
しかしねこまど氏の△4五銀直もなかなかの手で、どうもスピード負けしそうな気がする。
私は▲2四歩から▲2五歩だが、この継ぎ歩攻めもちょっと遅い。
ねこまど氏は△5六銀とすりこみ、△5六同歩。5筋の歩が伸びて、こちらはいよいよ猶予がなくなってきた。
第3図以下の指し手。▲2三銀△同金▲2四歩△5七歩成▲同角△6五桂▲8四角△5五角▲2三歩成△5三金▲5一銀△3一銀(第4図)
私は▲2三銀と放り込んだ。一刻の猶予もないから、非常手段だ。これに△5五角は▲4六銀があるので、ねこまど氏は△2三同金。私は▲2四歩と取り込み、銀損の見返りに半手スピードアップできた。
もっともそれはねこまど氏も同じだったらしく、△5七歩成から△6五桂ときた。
しかし私の▲8四角が幸便で、これは私がポイントを稼いだと思った。
△5五角の飛車取りには、構わず▲2三歩成とする。△2八角成なら▲5一金△3一玉▲2二銀まで。この詰み手順があるから、先の△6五桂に疑問符が付いたのだ。
△5三金はいかにもつらく、私は▲5一銀。これは勝ったと思ったのだが……。
第4図以下の指し手。▲4二歩△同銀▲同銀成△同玉▲5一銀△5二玉▲3二と△6三玉▲2五飛△3七角成▲6二角成△5四玉▲4五金(投了図)
まで、一公の勝ち。
私は▲4二歩から清算して、再び▲5一銀。しかし△5二玉に考え込んでしまった。▲6二金△4一玉▲4二歩△3一玉▲3三歩を考えたが、最後の▲3三歩は二歩だ。じゃあ第4図からの▲4二歩が悪手だった、▲3二歩とすべきだった……いや、だからその▲3二歩が二歩なのだ。もう一息で勝ちなのだから、二歩だけは気を付けないといけない。
私は▲3二と。これが冷静な手だったか。
△5五角に▲2五飛と浮き、△3七角成に▲6二角成以下、私が勝った。
だいぶよれよれだったが、勝てれば帳消しになる。
ほかをあたると、計2勝4敗だった。Kid氏は勝ったと思ったら、実は負けていた。
結局チームは3勝4敗で、また負け。チーム7敗のうち3-4負けが6回とは、どういうことだろうか。ポイントゲッターがもうひとり欲しいと思った。
(3日につづく)
産業貿易センター台東館へは、気分を変えて、JRと地下鉄で行ってみた。しかし浅草駅から会場まで遠く、路線バスで行くより時間がかかってしまった。
定期券の関係で路線バスのほうが交通費が高いが、その見返りはあったわけだ。
さて会場へはまた早く到着したようで、徐々にメンバーと合流する。Kid監督(以前Kod氏と書いていたが、誤りだった)はLineに、4試合のスターティングメンバ―と順番を書いていた。私は「三将、三将、大将、四将」になっていた。
まことにお疲れ様なことだったが、選手の好不調は日によって変わるので、現場で順番が変わることも考慮しなければならない。
1回戦は「ねこまど」と。北尾まどか女流二段プロデュースのチームで、何となく級位者が多いイメージがある。
我がチームは木村晋介会長、A氏が休み。けっこうギチギチで、今回は社団戦スタッフも兼ねているKan氏にも参戦してもらった。スターティングメンバ―は、大将が山野氏。以下山本氏、私、Abe氏、Kan氏、Kid監督、Akuさんの7名となった。
そのとき、「棋譜取らせてもらっていいですか」と、相手方の控え氏が言った。
それはもちろん大丈夫だが、北尾女流二段の教えだろうか。こうした棋譜取りが、実力の向上に繋がる。このチームは侮れないと思った。
主催者代理の開会の言葉があり、12時15分、私の先手で対局開始となった。▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩に▲7七銀と応じ、矢倉を志向した。
私はガッチリした矢倉を指したかったのだが、「棒銀対スズメ刺し」のような牧歌的な指し手はもう絶滅らしく、後手氏は米長流急戦矢倉できた。じっくりした矢倉も急戦矢倉も、米長邦雄永世棋聖の得意だったというのが面白い。
第1図以下の指し手。△5五歩▲4七銀△6五歩▲同歩△5四銀▲6四歩△8六歩▲同歩△6二飛▲3七桂△5六歩▲同銀△6四飛▲4五桂(第2図)
△5五歩は当然。これを▲同歩は△6五歩以下攻め潰される。▲4七銀の応手も当然だろう。
ねこまど氏はそれでも△6五歩。以下△6二飛まで、ねこまど氏はこの戦型を指し馴れている感じだった。
私は▲3七桂。ここらで反撃の味を見せておかないと、後手にいいようにされてしまう。
私が▲4五桂と跳ねた局面、私にはイヤな手があった。
第2図以下の指し手。△5五歩▲5三歩△4二金右▲4七銀△4五銀直▲同歩△同銀▲2四歩△同歩▲2五歩△5六銀▲同銀△同歩(第3図)
あっちのほうではすでに感想戦が始まっている。六将のKid監督が何かを教えている口調だったので、彼は勝ったと思った。
第2図でねこまど氏は△5五歩としたが、角と銀2枚が止まったため、ありがたかった。
ここは△5五銀左と決戦に来られるのがイヤだった。それには▲5三歩と叩いて攻め合いになるのだろうが、まったく自信はなかった。
私は▲5三歩を利かし、▲4七銀と引く。この取り引きはまずまずである。
しかしねこまど氏の△4五銀直もなかなかの手で、どうもスピード負けしそうな気がする。
私は▲2四歩から▲2五歩だが、この継ぎ歩攻めもちょっと遅い。
ねこまど氏は△5六銀とすりこみ、△5六同歩。5筋の歩が伸びて、こちらはいよいよ猶予がなくなってきた。
第3図以下の指し手。▲2三銀△同金▲2四歩△5七歩成▲同角△6五桂▲8四角△5五角▲2三歩成△5三金▲5一銀△3一銀(第4図)
私は▲2三銀と放り込んだ。一刻の猶予もないから、非常手段だ。これに△5五角は▲4六銀があるので、ねこまど氏は△2三同金。私は▲2四歩と取り込み、銀損の見返りに半手スピードアップできた。
もっともそれはねこまど氏も同じだったらしく、△5七歩成から△6五桂ときた。
しかし私の▲8四角が幸便で、これは私がポイントを稼いだと思った。
△5五角の飛車取りには、構わず▲2三歩成とする。△2八角成なら▲5一金△3一玉▲2二銀まで。この詰み手順があるから、先の△6五桂に疑問符が付いたのだ。
△5三金はいかにもつらく、私は▲5一銀。これは勝ったと思ったのだが……。
第4図以下の指し手。▲4二歩△同銀▲同銀成△同玉▲5一銀△5二玉▲3二と△6三玉▲2五飛△3七角成▲6二角成△5四玉▲4五金(投了図)
まで、一公の勝ち。
私は▲4二歩から清算して、再び▲5一銀。しかし△5二玉に考え込んでしまった。▲6二金△4一玉▲4二歩△3一玉▲3三歩を考えたが、最後の▲3三歩は二歩だ。じゃあ第4図からの▲4二歩が悪手だった、▲3二歩とすべきだった……いや、だからその▲3二歩が二歩なのだ。もう一息で勝ちなのだから、二歩だけは気を付けないといけない。
私は▲3二と。これが冷静な手だったか。
△5五角に▲2五飛と浮き、△3七角成に▲6二角成以下、私が勝った。
だいぶよれよれだったが、勝てれば帳消しになる。
ほかをあたると、計2勝4敗だった。Kid氏は勝ったと思ったら、実は負けていた。
結局チームは3勝4敗で、また負け。チーム7敗のうち3-4負けが6回とは、どういうことだろうか。ポイントゲッターがもうひとり欲しいと思った。
(3日につづく)