一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

藤井竜王、圧巻のV10

2022-09-08 00:08:42 | 男性棋戦
この5日、6日にお~いお茶杯第63期王位戦第5局が行われた。ここまで藤井聡太王位の3勝1敗。防衛濃厚で、何局目に決めるか、というところ。
将棋は先番豊島将之九段の注文で、角換わりになった。もはやおなじみの戦型である。
以下難しい戦いになったが、素人目には、豊島九段が指しづらく見えた。
いっぽう藤井王位の玉は三段目にいるが、何となく余裕がある。この懐の深さが、藤井将棋の真骨頂である。
将棋は徐々に藤井王位が優位を拡げ、最後は相変わらずの見事な収束でフィニッシュ。4勝1敗で防衛、王位3連覇となった。
これで藤井竜王(五冠)は、若干20歳にして、10期目のタイトル。タイトル初獲得が17歳11ヶ月だから、そこから2年2ヶ月で達成というハイスピードである。その間、負けなしなのが素晴らしい(恐ろしい)。
その内訳を記してみると、

第91期棋聖戦 藤井聡太3-1渡辺明
第61期王位戦 藤井聡太4-0木村一基
第92期棋聖戦 藤井聡太3-0渡辺明
第62期王位戦 藤井聡太4-1豊島将之
第6期叡王戦 藤井聡太3-2豊島将之
第34期竜王戦 藤井聡太4-0豊島将之
第71期王将戦 藤井聡太4-0渡辺明
第7期叡王戦 藤井聡太3-0出口若武
第93期棋聖戦 藤井聡太3-1永瀬拓矢
第63期王位戦 藤井聡太4-1豊島将之

である。時の竜王や名人相手にほぼ圧勝で、合計35勝6敗。勝率は.854で、これは通算成績の.832を上回る。シリーズで2敗したことは1回しかなく、それも○●○●○だった。つまり、負け越しが2になったことがないのだ。
前述のように、対戦相手は竜王、名人を含め、勢いのある棋士ばかりだ。そこを抑えてこの成績は、驚異というほかない。
今回の豊島九段も、これで今年度12勝6敗となったが、このうち4敗がこのシリーズである。豊島九段が力を出せていないわけではなく、相手が強すぎるのだ。
参考までに、羽生善治九段のタイトル戦デビューから10回は、以下のごとくである。

第2期竜王戦 羽生善治4(1持)3島朗
第3期竜王戦 谷川浩司4-1羽生善治
第16期棋王戦 羽生善治3-1南芳一
第17期棋王戦 羽生善治3-1南芳一
第59期王座戦 羽生善治3-0福崎文吾
第5期竜王戦 羽生善治4-3谷川浩司
第18期棋王戦 羽生善治3-2谷川浩司
第62期棋聖戦 羽生善治3-1谷川浩司
第34期王位戦 羽生善治4-0郷田真隆
第60期王座戦 羽生善治3-1谷川浩司

羽生九段の戦績もまた素晴らしく、9勝1敗は圧巻である。ただ、個々の勝敗は、31勝16敗。勝率,660は通算勝率より低い。フルセット勝ちが3回あり、まあ、これが普通なのである。
しかるに藤井竜王の戦績といったら、それら常識を飛び越えている。
藤井竜王はこれからますます強くなる。理屈からいったら、今後もタイトル戦で勝ち続ける。藤井包囲網としては、A級順位戦、王座戦、棋王戦を頑張って、少しでも八冠達成を遅らせるしかない。
コメント (4)
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