一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

将棋ペン倶楽部 通信第49号

2017-06-25 00:16:51 | 将棋ペンクラブ
今日25日は第28回社団戦の第1日目である。今日は私も参戦するが、出場の機会を与えられたら、力いっぱい戦いたい。

   ◇

19日に「将棋ペン倶楽部」通信49号が送られてきた。今日はその紹介をしよう。

●関西交流会レポート 白鳥士郎…P2~P7
「りゅうおうのおしごと!」の作者によるレポート。交流会初参加のドキドキ感が手に取るように分かり、ぐいぐい引き込まれる。さすがに文章のプロである。
なお、機関誌への投稿は原稿料が出ないのだが、プロへ依頼した場合はどうなるのだろう。当然「出ない」と信じたい。

●千駄ヶ谷と私 北野新太…P8~P11
筆者は若い頃千駄ヶ谷に住んでいた。高校も千駄ヶ谷だった。現在も千駄ヶ谷とは縁があるわけで、その「奇縁」を面白く記している。

●将棋川柳 ゲノゲのきたろう…P13
中野隆義氏の絶筆。今回も酒の話が出てくる。本当に酒を愛した人だったんだなあ、と思う。

●将棋狂の詩4 楽しきかな将棋合宿 美馬和夫…P14~P19
伊東での将棋合宿の模様を面白おかしく記す。筆者はこの3日間を「パラダイス」と表現したが、同じ環境は私も体験したことがあるので、その通りだと思う。

●これ詰みますか? 編集部…P20~P22
新聞観戦記の投了図で、詰みの説明が省かれるときがある。実例を挙げ、これ、読者の皆さんは解けますか? と問う。

●暑中見舞いの名刺広告…P23

●本朝小将棋作物事始3 北村憲一…P24~P30
初代名人・大橋宗桂の詰将棋集から何題か紹介する。「作物」とは詰将棋のこと。

●俳句と将棋―日本文化「間」の世界― 水野保…P31~P34
将棋を題材にした俳句を紹介する。筆者は将棋と俳句の類似性を模索するが、「詰将棋と俳句」の類似性の看破に、私は大いに共感するものがあった。

●将棋の発想起源2 将棋盤9×9の謎 湯川博士…P35~P41
「八」という数字を重んじる日本が、どうして将棋盤は「9×9」にしたのか。筆者の鮮やかな推理が展開される。

●映画『聖の青春』を鑑賞 榊原智…P42~P43
エッセイの後半に、自身について触れているが、なかなかに壮絶である。筆者がこの映画に共感した理由がよく分かった。

●将棋ストリッパーAさん 村川健司…P43
筆者が16歳の女子高生と駒落ち将棋を指す。その結果は…。
できれば続編を読みたい。

●第29回将棋ペンクラブ大賞推薦作一覧…P45~P46

●編集日誌 湯川博士…P48


次回は私も投稿する予定。しかし執筆時間はたっぷりあるのに、どうも筆が進まない。
そうこうしている間に就職活動で忙しくなって、また焦ることになりそうな気もする。かように文章を書くのはむずかしいのだ。
今号も力作ぞろいで面白かった。執筆の皆様、お疲れ様でございました。
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愛、ふたたび(後編)

2017-06-24 01:09:12 | 女流棋士の指導対局会

第3図以下の指し手。▲2四飛△同歩▲2一歩成△6二銀▲1一角成△2九飛▲5五馬△5四歩▲6六馬△1九飛成▲4四香(第4図)

第3図で▲4二同飛成は△同金で上手に隙がない。以下▲4四飛は△4三飛があるし…いや4二金にはヒモがついていた。
そこで私は▲2四飛と角を取った。これが場合の好手だったと思う。
△2四同歩に▲2一歩成が▲5三桂の先手。△6二銀に▲1一角成と香得した。香を取りながら▲1一角成、は私がいちばん好きな手である。
△2九飛にはいったん▲5五馬と引く。次の狙いは▲4四香~▲4五馬である。
渡部愛女流初段は△5四歩と馬を追ったが、ここで1歩使わせたのは大きい。
私は遠慮気味に▲6六馬と引き、△1九飛成に▲4四香。これは優勢になったと思ったのだが…。

第4図以下の指し手。△7四桂▲8八馬△6六香▲同銀△4四飛▲5七銀引△3四飛▲2三角△5一金左(第5図)

▲4四香に△4三桂なら、泥臭いが▲3五桂と打ってどうか。
渡部女流初段の指し手を待っていると、△7四桂。そうか! 以下▲8八馬に△6六香と、馬筋を遮断されてしまった。
してみると、▲6六馬では▲7七馬が正着だった。本譜は▲6六同銀に△4四飛とされ、この取引は下手がしくじったかに見えた。
しかし気を取り直して▲5七銀引とすると、今度は飛車取りが受けにくい。△6六香とも打てないので渡部女流初段は△3四飛だが、私は▲2三角と打って、まだ優位が持続できていると思った。

第5図以下の指し手。▲4六歩△同銀▲3四角成△4七歩▲同銀△同銀成▲同金△6七銀(途中2図)

▲6七同玉△6九竜▲6八香(第6図)

奥の和室では、大野八一雄七段の三面指しが行われていた。渡部女流初段との指導対局が終わった人が、追加料金で指せるのだ。「あっ!」とTag氏が叫んだ。何か見落としがあったようだ。
局面。第5図の△5一金左はつらい手で、先の△6二銀で△5二金左としていれば、▲2三角はなかった。
W氏が、「愛ちゃん、大沢さんはニコニコしているよ」と、暗に投了?を促す。しかし渡部女流初段は、
「渡部は負けません!」
と明るい。
私は▲4六歩。飛車銀の連絡を絶つ手で、こちらも恐いところがあるが、決断した。
渡部女流初段は決然と△同銀。オンナは堂々と取るのである。「以前飛車をタダ取りされたことがありますけど、これは見落としじゃありませんから」
と、渡部女流初段がW氏に言った。
私は▲3四角成と飛車を取って温泉気分。さすがに勝ったと思った。
だが渡部女流初段は△4七歩から銀を交換して、△6七銀!!(途中2図) まったく読みから外れていて、私は飛び上がった。
これに▲7九玉は△5八銀不成だから取るよりないが、△6九竜と回られて、さっきの温泉気分はどこへやら、負けにしたかと思った。
戻って、先の▲8八馬が▲7七馬だったら△6七銀はなかった。将棋はつねに最善手を指さねばならぬと痛感した。

第6図以下の指し手。△6六香▲同銀△同桂▲同馬△5八銀▲5七玉△4七銀成▲同玉△6八竜(第7図)

最初、▲6八香には△5八銀と打たれて負けと読んだのだが、上手の持駒は金だった。それで渡部女流初段は△6六香。以下△6八竜まで迫ったが、これでは下手陣がサッパリしてしまった。
たとえば△6六香▲同銀の局面で、△5八金はなかったか。△6八竜までの詰めろで、これでも冷静に考えれば下手に受けがあるはずだが、私は混乱しているから、正着を指せた自信がない。
それにしても、▲3四角成の局面から、こんなに追い込まれるとは思わなかった。これだから将棋、いやプロの力は恐ろしいのだ。

第7図以下の指し手。▲8四桂△8二玉▲7二飛△同金▲同桂成△同玉▲8四桂△同歩▲8三銀△同玉▲8四馬(途中3図)

△8四同玉▲7五金△8三玉▲8四香(投了図)
まで、99手で一公の勝ち。

第7図で下手の持駒は「飛銀銀銀桂桂香」。これだけあれば詰むだろう。
私は▲8四桂。以下△8三の地点をこじあけ、▲8三銀。△同玉に▲8四馬(途中3図)が決め手となった。
以下▲8四香まで、「負けました。ピッタリ詰められました」と、渡部女流初段が投了した。

なお第7図の直前、△4七銀成▲同玉を入れなければ下手の持駒に銀が1枚増えないが、その場合は▲7五金で▲8六香と打ち、△8五合▲7五金で、やはり詰む。
私としては馬の引き場所でミスはあったが、まずまずうまく指せた一局。とくに序盤、▲3五歩と歩を取った手を褒めてやりたい。ただまあ、前局がヒドかったので、今回は渡部女流初段が緩めてくれたのだ。
まだ25分残っていたが、私はこれでアガリ。余裕が生じた私は、ここで指導対局の風景を1枚撮った。いまはスマホで手軽に写真を撮れる時代。便利になったものだ。
右の対局者は、終盤で競り負けて敗退した。感想戦では、終盤の入口で下手に勝ち筋もあったようで、惜しかった。
「大沢さん、写真ってむずかしいものだね」
とW氏が言う。渡部女流初段を撮っているが、うまくいかないみたいだ。「ブログの天童の室谷さんの写真でも、いっぱい撮ったんでしょ?」
「そうだね。アップした10倍は撮ったね」
まあ10倍はオーバーだが、相当数撮った。ただ、そのほとんどが失敗作である。私のようなカメラ初心者がブログに写真を上げようと思ったら、それなりの数を撮らねばならないのだ。
ここで定刻の5時30分になったが、渡部女流初段の厚意で、何となく続行される。
遅れてきた人は惜敗。奥の扇子の人は快勝したようだ。
これで残ったのがKur君である。局面はKur君が劣勢だが、闘志は満々である。
さらに指し手が進行して、下手玉は受けなし、上手玉は詰まない局面になったのだが、Kur君は指し継ぐ。聞けばKur君は近々に将棋大会があるとかで、負けグセはつけられないのだ。
しかしKur君、投了。ただ、Kur君がこんなに一局の将棋に執着するとは思わなかった。驚いた。この調子なら、大会でもいい成績を残すだろう。
これで今回の指導対局は終了。定刻をオーバーして、渡部女流初段はお疲れさまでした。渡部女流初段は指導の合間に下手とおしゃべりを挟み、とても和やかな会だった。
大野教室は今後も定期的に女流棋士との指導対局会を行うそうで、渡部女流初段は秋に再登場する予定。また来月9日は宮宗紫野女流初段が登場するが、これも楽しみである。
私は失職間際で人生の崖っぷちに立たされているが、今日はその憂いをいっときでも忘れることができた。渡部女流初段に厚くお礼を申し上げます。
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愛、ふたたび(前編)

2017-06-23 01:00:10 | 女流棋士の指導対局会
22日は女流王座戦の上田初美女流三段VS渡部愛女流初段戦があった。
これが相当な熱戦で、終盤は渡部女流初段にも勝機があったと思うのだが、惜敗した。
また、次の機会ですね。

   ◇

10日(土)は大野教室プレゼンツ「第3回・渡部愛女流初段の指導対局会」があった。
5月、大野教室ブログに告知された後、申し込みをしばし迷っていたら、もう残り2名になっていた。私は慌てて申し込み、セーフ。渡部女流初段の人気たるや恐るべしで、あやういところだった。
10日は3コマ目、つまり午後4時からだったので、それまでのんびり過ごした。最近は平日がヒマなのだが、土日は世間も休みなので、心が安らぐ。
午後から上野に出て、ディスカウントショップでお菓子類を買った。そのまま足を伸ばし、TSUTAYAでFLASH、FRIDAY、週刊プレイボーイも買う。読みたい記事もないのに買ってしまうこの病気、早急に治すべきだ。
ディスカウントショップに置いてなかったガムがあったので、ひとつ先の駅の本店に向かう。ここでめでたく入手したが、「小梅ちゃん」が安売りされていたので、これも意地で3つ、買い直した。この余計な買い物が、また私を太らせる。
そのあと小諸そばに寄り、二枚もりを手繰った。蕎麦は若干伸びていたが、まあ美味かった。

京浜東北線の快速に乗り、4時の5分前ごろ、大野教室の表に着く。すれ違った若いアベックが「あの指導対局で4,000円なら…(満足)」と話していたが、ペアで受けたのだろうか。
教室に入ると、渡部女流初段は洋間にスタンバイしており、5つの盤は半円状に置かれていた。前回は和室で盤面が横一列だったから、渡部女流初段は指すたびに横にずり寄っていた。今回の配置なら指導側が動く必要がなく、うまい改善策と思った。
私はW氏に指導料を納め、定刻に指導対局開始となった。ただ、一人はまだ到着していなかった。
右の男性は角落ち。数手指し、私の番である。「平手で、よろしいでしょうか」とへりくだると、「いつも(私と)駒落ちで指してたみたいじゃないですか」と、渡部女流初段が笑った。
か、かわいい…!!
と感激したところで対局開始。

初手からの指し手。▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛▲4八銀△5五歩▲6八玉△3三角▲3六歩△6二玉▲7八玉△7二玉▲5八金右△4二銀▲6八銀△5六歩▲6六歩(第1図)

渡部女流初段は初夏らしい装い。そのままだと膝頭が見えるので、それをハンカチで隠している。
私は盤面に集中して▲7六歩。△3四歩には▲2六歩とした。3月の前回は飛車を振って惨敗したから、本局は居飛車で存分に戦うつもりである。
渡部女流初段は4手目に△5四歩と応じ、ゴキゲン中飛車の雰囲気。渡部女流初段は居飛車党だがもとは振り飛車党だから、あり得る作戦である。
私の左にはKur君が座っている。平手戦で、渡部女流初段に「穴熊にしない三間飛車」を所望した。
「あ、それ!」
と渡部女流初段が叫ぶ。左手奥の男性が持っていた扇子が藤井聡太四段の「大志」だったからだ。「それ、入手できたんですね」
何日か前に東京と大阪の将棋会館で売り出し、数十分で完売したというやつだ。
奥の男性氏はLPSAのイベントなどでよく見かける。扇子発売当日も、それを伝えるワイドショーのVTRにチラッと映っていたから、私は彼の購入を知っていた。
局面。私は超速も視野に入れ▲3六歩としたが、▲3七銀は控えて▲7八玉と寄る。渡部女流初段は△5六歩とし、飛車角を通す。私はじっくり指そうと▲6六歩。

第1図以下の指し手。△5五角▲3七桂△5七歩成▲同銀左△3五歩▲5六歩△4四角▲3五歩(途中1図)

△3六歩▲4五桂△3五角(第2図)

遅れていた男性氏が到着した。道に迷ったようだが、大きな遅れでなくて何よりである。
右の男性氏は飛車を振り十分な態勢。左のKur君は右銀が4八に上がったので居飛車を選択したように見えたが、三間に飛車を振った。そのあと玉は左側に移動した。よく分からないが、左玉戦法というべきか。Kur君がこんな力戦を指すとは思わなかった。
渡部女流初段は△5五角。これに▲1八飛では元気が出ないので、▲3七桂と跳ねた。
傍で見ていたW氏が、「(2人の対局姿を)記念に写真を撮ってあげようか?」と申し出てくれたが、断る。
女流棋士をスマホに収めたいのはヤマヤマだが、自分自身は写りたくないからだ。
△3五歩には▲5六歩△4四角を交換したあと、▲3五歩(途中1図)と戻した。数日前の将棋ペンクラブ・M氏のブログに、森下卓九段が△3五歩の桂頭攻めに堂々と▲同歩と取って快勝した記事が紹介されていて、その手を拝借したのだ。
本局はその後△3六歩▲4五桂。下手はこの桂が取りきられるまでに、一仕事しなければならない。

第2図以下の指し手。▲3八飛△4四歩▲3六飛△3四歩▲6五歩△4三銀▲2四歩△同角▲2二歩△5四銀▲3四飛△4五銀▲4四飛△4二飛(第3図)

私は▲3八飛。▲2六飛と浮けるものだと錯覚していたので、こちらから歩を取りに行く。
▲3八飛には△5七角成▲同銀△4九銀や、▲5七同金△3七銀も気にしたが、指導対局ではやってこないと思った。
角を守る△3四歩に、▲2四歩と突くか迷ったのだが、まず▲6五歩。△4五歩には▲1一角成があるので渡部女流初段は△4三銀と立ち、そこで私は▲2四歩とした。
「そうか…」と渡部女流初段がつぶやく。△2四同角に▲2二歩が狙い筋で、△2二同飛は▲5三桂不成がある。よって渡部女流初段は△5四銀と、この銀で桂を取りにきた。
指導対局の私のスタイルは、数手まとめて指す早指しだが、本局は一手一手考える感じである。△5四銀のあとも考えてしまい、渡部女流初段が一手も指せずこちらを素通りした。
私は▲3四飛と走り、△4五銀に▲4四飛。金銀両取りだから△4二飛の一手。ここで次の手がいい手だったと思う。

(つづく)
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6月4日の4時から男(後編)

2017-06-22 00:04:33 | 新・大野教室
3局目はHon氏と戦う。この季節、Hon氏は職業柄忙しく、教室の滞在時間も短いようだ。私と指すのも久しぶり。
先番Hon氏の三間飛車に、私は居飛車。飛車先の歩を△8四で止めていたらHon氏は石田流に組む。私も気分を変えて△1二香とするとHon氏も穴熊に潜り、二人の対戦では珍しい相穴熊戦となった。
中盤はいい勝負。Hon氏が△6四銀と呼んでから▲5四歩と突きだしたのが好手で、次に▲6五歩を見せられた私はグズグズできない。△9五歩と反発した。
ここから激しい戦いになったが、私が馬を切って△3八銀としたところで、Hon氏が投了した。まだ粘れそうに見えるが、この諦めのよさがHon流である。

穴熊は久しぶりにやったが、随所で感覚が違い、私には合わなかった。次はふつうに舟囲いにしよう。
4局目はあの女性と実戦。手合いは私の八枚落ちで、私が自由に指していいことになった。
対局開始。△3二金▲2六歩△5二玉▲2五歩△7二金▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2八飛。
ここで△6四歩と突いたら、▲2四歩と合わされて参った。以下△同歩▲同飛△2三歩に▲6四飛とされ、上手指しようがない。八枚落ちはこんなに大変なのか。
数手後女性は▲6六角と上がり、▲8五桂と跳ぶ。次の▲9三桂成△同金▲同角成が狙いで、私は△8四歩(第1図)と突いた。これは▲同角でタダなのだが、とにかく誤魔化すしかない。

果たして女性は考え込んでしまい▲9三桂成としたのだが、ここでW氏から「う~ん、待ったにしましょう」が入った。
ええっ!? 待ったが入るの?
これを待ったにされちゃあ上手の勝つ手がないが、初心者相手では私以外全員敵だからしょうがない。
▲9三桂成を▲8四同角に代え、以下むずかしい戦いとなる。△7七歩~△7八歩成は周りが見逃してくれ?、女性もそれなりにうまく指し、最終盤となった。

私が△5七金と王手し、ここで取った歩を△7四に打った局面(第2図)。
以下▲5五馬△6七玉▲7七馬△5六玉▲5五成桂(投了図)まで、女性が勝った。

女性はなんで自分が勝ったか分からないふうだったが、まあよい。彼女に読み筋を聞くと、最終▲5五成桂で▲9六竜も考えたという。以下△4五玉▲4四馬までを解答できれば、それも立派な正解である。ともあれ女性さん、お見事でした。

今日はHomma君も来ていて、彼と指そうとしたのだが、もう帰るとのこと。それで、Og氏に教えてもらうことになった。
Og氏の四間飛車に、私は棒銀を採る。こちらは昨日、大野八一雄七段らにさんざん講義を受けたから、この展開は自信満々である。
私は端歩を突いて攻撃準備完了。しかし▲3五歩と行く前に△3二飛と先受けされたので、私は▲9八香と待ってから▲2四歩と攻めた。これはいよいよ加藤流だ。
数手進んで私は端の香を交換したが、肝心の棒銀が捌けず、あまりポイントを挙げていない。ここでOg氏は△2五歩。これに▲同銀△同桂▲同飛は駒損になるので指しきれず、私は▲3七銀と辛抱した。とたんにOg氏が「やっぱそうですよねー」と嘆いた。
棒銀はこの位置で遊ばせておきたかったのに、お手伝い(△2五歩)をして銀を活用させてしまった、というわけだ。ただ私のほうも見落としていて、この▲3七銀の局面で△4五桂の銀の両取りがあるのをうっかりした。もっともOg氏は、この順を掘り下げなかったようである。

さらに局面は進み、第1図(局面は不正確)から▲6六香△7六銀▲6二香成△8七香成▲6九玉△6二金▲5五角と進んだ。部分的に角香交換になったのだから、これは先手有利と断じてもいい。
ところがこの後、私は敵玉頭への攻めを躊躇したことりして、徐々に形勢が詰まってきた。

第2図の▲4三馬に、Og氏は△5四香打。そこで私は▲3四馬としたが、よくなかった。▲5五桂、と頭突きで受けるべきだった。
こうなったら振り飛車ペースである。以後Og氏の指し手に同調する形になって形勢逆転、最後は私の投了となった。
Og氏は元奨励会だから強いのは承知しているが、まだ3、4回しか勝ったことがない。もう少し勝ててもよさそうなものだが…。
ともあれ局後もみっちり講義を受け、なかなか濃密な半日だった。…と思いきや、先の女性は、まだ大野七段から講義を受けていた。もう8時を過ぎてるぜ!?
W氏が強制終了を宣言して、食事に行くことになった。今日は大野七段、W氏、Og氏、Hon氏、Tod氏、Shin氏に、女性氏も加わる豪華版である。いつものインドカレー屋に行った。
ではここで、席の配置を記しておこう。

     壁
W 女性  Tod Shin
            壁
Og 大野  一公 Hon

私たちはいつものセットメニューを頼む。食後はおしゃべりとなった。
女性が参加していても、私たちは構わず将棋の話題に終始する。彼女は既婚らしいし、私もカッコをつける理由がない。
Tod氏がかばんから将棋を取り出す。バカが、ここじゃやめろって!!
さすがに指し将棋はしなかったが、握り詰みたいのを始めた。Shin氏がおもしろがって駒を配置するが、うまくいかない。
それを見かねた大野七段が作ったのが、下の3手詰である。何のことはない、大野七段がいちばんの将棋バカであった。

これを女性が悪戦苦闘して解いた。彼女はどこまで強くなるだろう。
ほかにうれしかったのはTod氏がまた自由業になったことで、世間の常識の反対を行く生き方に、私は深い感銘を受けた。私はTod氏を目指さないが、いくらか重圧感から解放された。ありがとう、Tod氏。
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6月4日の4時から男(前編)

2017-06-21 00:04:44 | 新・大野教室
20日の朝方は、将棋を指している夢を見た。角換わり系で、先手は▲3七金、▲4七銀型だった気がする。

   ◇

4日(日)は前日に続いて大野教室に行った。といっても「4時から男」で、これなら席料は2,000円で済む。いずれにしても連投は久しぶりである。
もう夕方なので、大野八一雄七段の指導対局はいくつか空きがあった。
奥の和室にはOk氏がいた。先日将棋会館でお会いしたが、ここでは久しぶりである。Ok氏は昨年から家でいろいろあり将棋どころではなかったが、気持ちに余裕ができたようだ。
1局目はU君と指す。U君は翌週に将棋の全国大会を控えているとかで、私に「ゴキゲン中飛車を」の指定つきだった。
対局開始。私は中飛車に振り、U君は▲8八玉~▲7八金、と穴熊の気配。そうなる前に△4五銀と動いた。

数手進んだ第1図から、▲4六歩と突かれ、シビれた。当初は△4四角と飛車取りに出てよしと思ったら、▲1六飛△1五歩の時、▲4五歩が角に当たるのだ。以下△1六歩▲4四歩△同歩▲4三角は後手敗勢。よって私は△5四銀と辛抱したのだが、▲5六金と歩を払われ、早くも不利になった。
その後私は△6二飛から△6五歩▲同歩△同飛と1歩を駒台に乗せる。「歩切れは喉の渇き」で、持駒に歩がなければ何もできない。
ここから私が持ち直して、互角になったと思った。
ところが…。

第2図の▲4四歩を△同歩と取ったのがマズかった。つづく▲4八飛に△4五歩もマズく、▲4四歩△3二金▲5五銀が厳しい。銀交換は後手に隙がありすぎてもたないのだ。
その後私も頑張り、最終盤は詰めろに迫る順があったものの、それを見送ってしまい、敗戦。またも悔しい負けとなってしまった。
感想戦。やはり第2図が私の最大のチャンスで、いろいろ検討して、△5六飛と飛び出す手を発見した。以下▲同金△同成銀。そこでA▲4三歩成は△6六角があるからB▲7七銀引だろうが、△4四角と取ってどうか。後手は飛車金交換の駒損だが陣形が低く、まだ楽しみがあった。
△5六飛は、Sar君ならノータイムで指す。私はゴキゲン飛車を指さない弊害が出てしまった。
つづく本譜△4五歩でも、△4五成銀と引き付けるべきだった。
アマ五段相手に2手連続で疑問手を指しては勝てない。ただしかし、不慣れな戦法でもそこそこの勝負になったのは、収穫だった。
ところで今日は見慣れない成人女性が来ている。大野七段が何度か口にしていたひとで、初心者なのに熱意があるらしい。今も大野七段の講座を熱心に聞いている。
私の2局目はShin氏と。Shin氏も4時から男で、土日教室はこのパターンが多い。
私の先手で▲7六歩△3四歩▲6六歩△3三角。振り飛車のニオイがするので私は居飛車にスイッチ。角道を止めたのがアレだが、しょうがない。

第1図からの指し手。△5五歩▲同歩△同銀▲5六歩△4六銀▲同銀△6四歩▲5八飛△4四歩▲4三銀△6二飛▲3四銀成△4二金▲3三成銀△同桂▲5五歩△4三金(第2図)

△5五同銀に▲5六歩△4六銀▲同銀と進み、指しやすくなったと思った。なお手順中▲5六歩で▲5五同銀は、△同飛▲5六歩△5一飛で、これは後手の注文どおりだろう。
本譜△6四歩には▲5八飛とし、△6五歩なら▲5五歩△6六歩▲同金で先手よし。
Shin氏は△4四歩としたが、▲4三銀ともたれた。以下角銀交換の駒得になっては、もう負けられないと思った。
△3三同桂には▲2二角があったが、厳しさに欠ける気がして、指し切れなかった。とはいえ▲5五歩はいかにも悠長で、一手パスに近かった。

第2図以下の指し手。▲2一角△3二銀▲5四歩△2一銀▲5三歩成△同金▲同飛成△3二銀▲5八竜(第3図)

▲2一角に手ごたえを感じた。△3二銀と一枚使わせて▲5四歩。これで先の▲5五歩が生きた。
ただし▲5三同飛成に△3二銀がいい活用で、私は後手陣を攻略できない。そこで▲5八竜と、負けない手を指した。

第3図からShin氏は△3九角と打ち、▲4九金△5八銀▲同金寄…と進んだのだが、▲同金寄では▲3九竜で明快な勝ちだった。
もっとも以下も私の有利に進み、最後は私が勝った。
感想戦。最終盤でShin氏が△5二飛と▲5八の金取りに回り、私は手堅く▲4九金打としたのだが、そこでShin氏が凡手を指して負けた。ここは△5七銀が、Shin氏自身が発見した手で、調べてみたら先手に受けがなかった。
第2図の▲2一角、私はいい手と思ったが、変化を調べると、先手はそれほどでかしていない。Shin氏は△3二銀と打って手ごたえを感じたそうで、どうもShin 氏の大局観が正しかったようである。
また第3図では△4五桂と跳ぶ手も相当で、これもけっこういい勝負になった。
こうしてみると、いいと思った局面でも、随所に落とし穴がある。ここが将棋の恐ろしいところだ。私は悲観派なのだが、本局は楽観が幸いした形となった。
(つづく)
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