一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

大山の名局・8

2019-07-26 00:09:22 | 名局
日付変わって今日7月26日は、大山康晴十五世名人の命日である。1992年の没だから、もう27年も経ってしまった。
当時私はリストラで会社を辞め、当日は北海道を旅行中だった。旭川から自宅へ定期連絡を入れると、オヤジが散文的に「あと大山が死んだ」と教えてくれた。私は、ついにこの日が来てしまったか……と、世の無常を思ったものだ。

さて今年の「大山の名局」は、1992年3月2日に指された、第50期A級順位戦最終局・対谷川浩司竜王戦をお届けする。大山十五世名人が亡くなる5ヶ月前の将棋である。
この期の挑戦者争いは、2位の谷川竜王と6位の高橋道雄九段が6勝2敗。4位の南芳一九段と7位の大山十五世名人が5勝3敗で追う展開だった。高橋九段は塚田泰明八段との対戦で、どちらが勝つか分からない。ただ谷川竜王は大山十五世名人に相性がよく、ここまで14勝5敗(不戦勝1を含む)。A級順位戦に限っては5戦全勝だった。しかも竜王のほかに棋聖、王位、王将と保持し、脂が乗りきっていた。
いっぽうの大山十五世名人は前年秋にガンの手術をしており、体調が万全ではない。68歳の高齢もあいまって、どこから見ても谷川竜王の優位は動かなかった。
という背景があり、最終局が始まったのである。

▲十五世名人 大山康晴
△竜王 谷川浩司

初手からの指し手。▲7六歩△8四歩▲5六歩△8五歩▲7七角△3四歩▲8八飛△5四歩▲6八銀△6二銀▲4八玉△6四歩▲3八玉△4二玉▲6六歩△3二玉▲5八金左△5二金右▲2八玉△5三銀▲3八銀△3三角▲4六歩△4四歩▲3六歩△2二玉▲5七銀△1二香(第1図)

▲7六歩△8四歩に▲7八飛の三間飛車は有力だったが、大山十五世名人は▲5六歩と中飛車も匂わす。谷川竜王は△8五歩と伸ばしたが、今度はその歩を狙って▲8八飛。とはいえ大山十五世名人の向かい飛車は珍しかった。
谷川竜王は右銀を早めに上がり、△4四歩から△1二香。穴熊の明示である。

第1図以下の指し手。▲3七桂△1一玉▲4五歩△4三金▲4七金△2二銀▲6八飛△3一金▲6五歩(第2図)

大山十五世名人は右桂をなかなか跳ねないが、本局は▲4七金や端歩まで後回しにして跳ねた。
さらに▲6八飛から▲6五歩。序盤に△6四歩と突かせたから、ここで1歩交換が可能となった。ここでは対穴熊といえども、振り飛車まずまずではなかろうか。

第2図以下の指し手。△8六歩▲同歩△6五歩▲同飛△6四歩▲6九飛△7四歩▲4四歩△同角▲4五桂△7七角成▲同桂△4四銀▲4六歩△3五歩▲6四飛(第3図)

谷川竜王は△8六歩と味をつけるが、やはり△6五歩と戻すよりなく、大山十五世名人は▲同飛から▲6九飛と引き満足である。
▲4五桂が大山十五世名人らしからぬ跳躍だが、角交換のあと△4四銀と上がらせれば、先手は▲4六歩と収めて十分である。
だがこの形になったことで、谷川竜王はある攻め筋を決行することになった。

第3図以下の指し手。△4五銀▲同歩△7三角▲4六角△3四桂(第4図)

谷川竜王は△4五銀と桂を取り、4六の地点をこじあける。そして△7三角の準王手飛車が狙いだった。
大山十五世名人は▲4六角と受けるが、谷川竜王は△3四桂。これが前譜△3五歩の意味だった。
これに▲3七角は△4六歩が飛車金取り。よって一本取ったと谷川竜王は見たのだが……。

第4図以下の指し手。▲6三飛成△4六桂▲同銀△5二角▲6八竜△8六飛▲6四歩△6六歩▲同竜△6二歩(第5図)

△3四桂に角を逃げられず先手が困ったようだが、素朴に飛車を成るのが好手だった。
谷川竜王はとりあえず角を取るが、▲4六同銀と取った形は先手の金銀4枚が集結し、先手十分となった。谷川竜王は読み筋通りに運べたのに局面が思わしくなく、困惑したことだろう。
いや、角銀交換の駒損なれど、この局面で指せる、と見た大山十五世名人の大局観が素晴らしかったのだ。
非勢を自認した谷川竜王は△5二角と据えたが、ここに打つようでは駒得のアドバンテージが消えてしまった。

第5図以下の指し手。▲4四桂△4一角▲5五歩△8八飛成▲5四歩△同金▲5二歩△8四角▲5六竜△5五歩▲6七竜(第6図)

▲4四桂が待望の反撃で、△4一角に▲5五歩。先手は5筋の歩を切るのが肝要で、ここに歩が立てばいくらでもと金を作れる。
△8四角には▲5六竜~▲6七竜。竜は攻めに強いが、受けにも強い。前述の通り、先手はと金攻めができれば、ほかの攻め駒は要らないのだ。

第6図以下の指し手。△2四歩▲8九歩△同竜▲8五歩△9五角▲4三銀△5三金▲3四銀成△5二金▲同桂成△同角▲3五成銀(第7図)

△2四歩は自らアキレス腱をこじあけるので好ましくないが、△4一角を世に出すためにはやむを得ない。
大山十五世名人は▲8九歩と竜筋を逸らして▲8五歩。実に芸が細かい。
さらに▲4三銀から▲3四銀成とし、△4一角の活用を封じた。
谷川竜王は△5二金と駒損を甘受したが、大山十五世名人は3手後に▲3五成銀と引き、落ち着いたもの。将棋は勝ち急いではいけない、という大山十五世名人最後の教えである。

第7図以下の指し手。△9九竜▲5四歩△4八歩▲3九金△7五歩▲同歩△7六歩▲同竜△7九竜▲5三歩成△4一角(第8図)

△9九竜に▲5四歩と垂らす。先手は5筋でと金を製造すればいいのだから、ラクだ。
△7五歩にも落ち着いて▲同歩と取っておく。ここ慌てて▲5三歩成は△7四角で、△4七角成を見られてめんどうである。こんな角に金と交換させるわけにはいかない。
△7九竜には▲5三歩成と行く。ここで△7七角成なら勝負だったが、谷川竜王は△4一角と引いた。この瞬間勝負がついたと、河口俊彦八段は「将棋マガジン」の対局日誌に書いた。
という第8図で、大山十五世名人最晩年の名手が出る。

第8図以下の指し手。▲6七金(途中図)△7三桂▲6三歩成△3二角▲5四歩△6五桂打▲同桂△7六竜▲同金△7九飛▲4二と(投了図)
まで、113手で大山十五世名人の勝ち。

▲6七金が名手。こうして相手の手を殺すのが大山流である。谷川竜王は△7三桂だが、これは一手の価値がない。以下▲4二とまで、谷川竜王の投了となった。

本局の大山十五世名人の勝利と高橋九段の敗戦、南九段の勝利によって、何と四者プレーオフとなった。
大山十五世名人は手術前のA級の成績が3勝3敗だった。その時、「まだ目がある」とつぶやいて入院した。周りは「もう降級の目はほとんどないが、慎重な大山先生らしい」と感心した。
ところが大山十五世名人の真意は「まだ名人挑戦の目がある」だったのだ。
谷川戦の1週間後、大山十五世名人は高橋九段とのプレーオフに臨んだ。当時は将棋会館で解説会が行われたが、プレーオフ第1戦としては異例の企画だった。
将棋は大山十五世名人が全盛時を思わせる指し回しを見せ必勝の局面を作ったが、飛車を転回する決め手を逸し、惜敗した。投了の局面は詰み上がっていて、私は、これが最後の順位戦と覚悟していた大山十五世名人が、少しでも長く勝負の場に浸っていたかったから、と推察した。
なお、この谷川竜王戦の日に誕生したのが、誰あろう里見香奈女流五冠である。
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2019年ゴールデン・ウィーク旅行(4)

2019-07-25 13:21:31 | 旅行記・G.W.編
タブロイド判の公式ガイドを見ると、あす4日はカーネーションステージで「STU48」のステージがある。しかし撮影は禁止である。
むかし博多どんたくで、結成間もない「HKT48」が15人ほど出場したことがあったが、撮影は可だった。今はネット拡散や肖像権の問題で、撮影不可がほとんどだ。やむを得ないこととはいえ、ファンを取り巻く環境は厳しい。
「三次きんさい祭企画実施本部」は、横断幕を3人のキャンペーンガールが持っている。こうした配慮はありがたい。
「FF企画実施本部 鯉城やっさ」は、白の浴衣に「やっさ」のうちわを持って踊る。なお鯉城(りじょう)とは、広島城の愛称である。
ここで一般の部に戻る。「日本ボーイスカウト広島県連盟」「ガールスカウト広島県連盟」は凛々しく行進する。
次はお待ちかねのFF花車で、その名も「新時代に届け!フラワーファンファーレ号」である。今度は「広島観光親善大使」と「ミス岩国」が3人ずつ乗っている。いや素晴らしい光景である。しかし例によって、向こう側のミスの顔は見えない。残念である。
「バトントワリング&マーチングバンド」のPart2となる。
皮切りは「広島バトン」で、演者の中に、昨年も拝見した、武井咲似(小野ゆかりアマ?)の女性を認めた。今年も華麗なバトン捌きであった。
「広島県警察音楽隊」は、赤い制服のフラッグ嬢がかわいらしい。彼女らに逮捕されたいと望んでいるマニアはいっぱいいるはずだ。
さらに「広島バトンジュニア」「段原学区子ども会バトン部」と続いた。
「YAYOIバトンスクール」の少女たちもいい笑顔である。谷口由紀女流二段の中学生時代を彷彿とさせる少女がいるが、錯覚だろうか。皆さん動きがピッタリで素晴らしい。
「広島市消防音楽隊」も、女性陣の白の制服が、マニアには堪らないところである。
貫禄ある婦警さんに続き、「広島市消防団」。こちらはおなじみの制服だ。しかし男衆は粋なハッピに纏や鳶口を携え、いなせである。
チーム変わって「幾田バトンスタジオ」。白のコスチュームが涼しげだ。やはりこの類がいちばんいい。あれっ? 矢内理絵子女流五段そっくりのバトントワラーがいる。…いや、木村さゆり女流四段か? じゃあこの2人はお互い、似ているということになる。
「陸上自衛隊第13音楽隊」は安定感のある演奏である。
ここで一般の部に戻り、「広島銀行」は、巨大な折りづる神輿を担いでの登場。
「FF企画実行本部 カープパレード」は、300人の大応援団。もちろんカープTシャツの着用である。こうして大通りを練り歩くだけでも楽しいんだろうなと思う。
「マツダロードスターファンクラブ」は、ロードスター30周年記念のパレード。20台近くのオープンカーが走行するさまは壮観だ。
「福山自動車時計博物館」は、ボンネットバスを走らせる。私はこちらに興味が湧いたりする。
「広島電鉄」は、花バスはいいとして、7人乗りの自転車が面白い。
「広島市・マツダ・岩谷産業・日本EVクラブ」は、電気自動車のPRである。
「イズミゆめタウン」は、女子ハンドボールチーム「メイプルレッズ」が、イズミの企業チームになったことのお知らせである。
「もみみ☆まつり実行委員会」は、まさかのコスプレ。博多どんたくもそうだが、大イベントには必ずこうした団体が出る。もちろん私は好きである。
「86S広島実行委員会」は、痛車で走る。もうなんでもありで、それゆえ日本の平和を実感できる。
「広島県呉市」がパレードする。イメージカラーはブルーだ。





















ここから「Dancing Parade」になる。「HDC広島ダンスカンパニー」は数百人規模で、そろいの赤のハッピが鮮やかである。
「K.D.S.ダンススクール」は水色のトレーナー、「STUDIO TOVOS & LINKS」は白のTシャツと、それぞれ個性を出している。
「STUDIO UNITY」も白のTシャツだが、こちらはブルーのイメージがある。
何だかダンススタジオは、どこも大人数だ。「ダンス&フィットネススタジオG1」も然りで、こちらも数百人で構成されている。もう広島市内の未成年は、全員ダンスクラブに通ってるんじゃなかろうか。
「ダンススクールBRED」はこぢんまりとしていて、ホッとした。
「DANSPORT&STUDIO FLEX」は少女の割合が高く、皆さんスリムである。
「CHARI DANCE STUDIO」は一転してギラギラの衣装である。こちらは年齢層がバラバラで、そこからティーンの女性を探すのが楽しい。
「Dream Star」の衣装は、中近東の女性のイメージだろうか。
「Posifit」はまた白シャツに戻る。前半小中学生、中ほど小学生低学年、後半その親御さん、という構成。ビートルズ「Love me do」に乗って踊った。
「LIVELY BOND」は黒のTシャツ、次の{LOVE ART}はピンクのTシャツである。
「スタジオ ワンセルフ」はメイクが派手め。スカートにふわふわのものを付けていた。
ここで一般の部に戻る。「中国新聞社」は、花自動車にゆるキャラが乗っている。平和の象徴・鳩を模したもので、「ちゅーピー」というらしい。
「FF企画実行本部・花舞台」は、ついに「2019ミスユニバース広島」らの登場である。
凄まじい美しさで、私はポカンとするばかりである。





















次は「バトントワリング&マーチングバンド」のPart3である。いよいよ大詰めだ。
私は歩きづめだが、実は今履いているスニーカーは今回の旅行用におろしたもの。大きさが微妙に合わず、足の親指が悲鳴を上げている。しかし履き替えるわけにいかず、我慢するのみである。
「尾長バトン同好会」「広島市立安西中学校吹奏楽部」「修大協創中高等学校バトン部」「広島市立安佐中学校吹奏楽部」「広島市立翠町中学校吹奏楽部」は、うち3つがパレードタイトルに「風」を入れている。5チームすべてに風を感じた。
「山陽女学園カラーガード部」「同・高等部マーチングバンド部」も、息がピッタリ合っていた。
いよいよ最後のチームである。「広島吹奏楽団」は大人のチーム。DA PUMPの「U.S.A.」をしっかりと演奏した。今年もこの曲は、あっちこっちで演奏されそうである。
「FF実行委員会事務局花車」が登場する。こちら側には、広島祭委員会会長、広島市副市長、そして広島観光親善大使のお嬢さん3名である。親善大使がひたすら美しい。
さらに「JAPAN 2020 Parks事務局」。来年のオリンピックに向けて、若者がハツラツとした行進を見せた。
最後に大きなトレーラーがきた。荷台にはBMX(Bicycle Motocross)の簡易コースが設けられている。そこを選手が自由に行き来したので驚いた。最後の最後で、ずいぶんな見せ場があったものである。













これにて3日の総合パレードは終了した。今年も素晴らしいパフォーマンスの数々で、私は大いに満足した。そしてこのあとは、各所のパフォーマンスの鑑賞である。
(29日につづく)
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2019年ゴールデン・ウィーク旅行(3)

2019-07-24 12:09:51 | 旅行記・G.W.編
(22日のつづき)
人が失敗した時、失敗者の関係者(上司)は当然怒る。だけど失敗者は当然反省しているわけだから、そこをグチャグチャ言うのは愚の骨頂、という考え方もできる。つまりここでの怒り方…叱り方次第で、相手のヤル気も天と地ほどに変わってくると思う。叱り方が適切なら、失敗者は今後ノーミスで頑張ろうと誓うだろうし、過剰な怒りなら、失敗者は退職云々まで考えてしまうかもしれない。
JR西日本の運転手も当然反省しているはずだし、こんなクズブログでその時の状況を蒸し返しても意味がないので、先を急ぐ。
列車は定刻の09時01分を4分遅れて、糸崎に着いた。
反対ホームには、五日市行きの列車が入線していた。2015年春に投入された227系で、「Red Wing」の愛称を持つ。車両は広島東洋カープに雰囲気が似ていて、いよいよ広島が近くなってきたと思う。
私はシートに座るが、列車は発車しない。その間にスマホを繰ると、本日、東横イン徳山に空きがあった。が、6,160円では泊まる気がしない。楽天トラベルを見ると、ホテルα―1小郡が5,700円だったので、もうこちらを予約した。とりあえず2泊目の宿も確保し、一安心である。
Red Wingは定刻を6分遅れの09時18分に出発した。
外は快晴で、今日も酷暑が予想される。車内は徐々に客が増えてきた。広島には定刻を4分遅れの10時37分に着いた。
駅前から、「ひろしまフラワーフェスティバル」会場方面行きのバスに乗った。袋町で降り、しばらく歩くと、平和大通りに着いた。さあ今年も、「FF」の鑑賞である。
ちょうどパレードが始まったところで、スポーツ選手と思しき2人が、採火トーチを持って走っていた。後に続くは体操服姿の小学生だ。
続く「FFチアガール」は、ピンクのTシャツも愛らしく、「FF」のフラッグを持って行進している。
すぐに各都市ハーレー会の面々が続く。ハーレーというと中倉宏美女流二段を思い出してしまうが、この光景を見たら何というだろう。
「トップス広島・サンフレッチェ広島」の応援チアリーダーが続く。彼女らはどう見ても中学生か高校生で、あまりの健康的光景に、私はクラクラする。
ここから「バトントワリング&マーチングバンド」の部に入る。「比治山女子中学高等学校バトン部」「広島市矢野中学校吹奏楽部」「広島なぎさ中学校・高等学校バトン部」「広島レッドリーブスマーチングバンド」と続く。バトン部の衣装はどちらも見覚えがあるが妖艶で、皆さん実年齢よりアダルトに見える。
「ヨーコ・ラブリーバトン」は小学生から高校生まで参加し、かわいらしい。
「広島市立五日市中学校吹奏楽部」は衣装も凝っていて、キリッと演奏する様は、やはり大人びて見える。いい歳をして無職の自分が情けなく思えてくる。
「安芸津バトンサークル」は、マジでアダルトの人も混在した。
「ロイヤルスカーレッツバンド」は、演者がイギリスの近衛兵を模している。威厳が備わってなかなかよい。
ここで一般団体に戻り、「創価学会広島県富士鼓笛隊」「同音楽隊広島吹奏楽団」である。創価学会はグループの結びつきが強いので、いつも水準以上の演奏を聴かせてくれる。現在は「銀が鉄道999」を奏でている。
FF企画実行本部の花舞台が現れた。舞台に乗るは各地のミスで、演奏の合間の美女鑑賞である。こっち側には玉名、九重、由布市、宇佐市のキャンペーンガールが乗っている。しかし向こう側の女性は当然見えず、いつも消化不良に陥ってしまう。















上でも書いたが今日は快晴で、水分補給には十分注意しなければならない。ここがひとり旅のわびしさで、体調管理は自身で行わねばならないのだ。
今日はものすごい人出だが、私は徐々にスタート地点に近づき、なるべく人の少ないところで鑑賞する。どんなに人の多いところでも、人の少ないエアポケットは存在する。それを見つけるか否かがカギだ。
「広島ふれあい委員会」「ウクレレピース!!ひろしま」は市民の参加で、お揃いのTシャツなどがよく似合う。
「日本法輪大法学会」は雅かつ荘厳な演出だ。
「立正佼成会」はハッピ姿で登場。これは意表を衝かれた。
「天理教少年会広島教区団鼓笛隊・同広島教区雅広会」は、対照的に毛色が違うが、どちらも小学生中心で好ましい。
「PL広島第一MBA」は久しぶりのバトントワラー。皆さん髪を後ろで留めてアップにしているので、同じ顔に見える。そして笑顔が素晴らしい。
「JWO2019広島実行委員会」はジャパンウイメンズオープンテニス2019のPRだ。
「広島県立総合技術高等学校吹奏楽部」は緊張感が漂っていてよい。
「ラグビースクール協議会」は、ラグビーワールドカップ2019のPRも兼ねている。
「広島市沼田高等学校吹奏楽部」は、ジャージ姿での演奏が高校生らしくてよい。
「日本赤十字社広島県支部」は、各種の救急車が総登場である。
「ひろしま愛郷倶楽部」は、おなじみ南一誠が花車に乗っての登場である。躯体には「がんばろう!倉橋」とあるが、それがどこのことを云っているのかは分からない。「今年のテーマは和気あいあいです!」と叫んでいた。
ここから「世界と日本の伝統芸能」に入る。「在大阪インドネシア共和国総領事館」「在日本大韓民国民団広島県地方本部」「駐広島大韓民国総領事館」は当然、国民色豊かである。
「サンバ連合ホーザ・ジ・ヒロシマ」は地元のサンバチーム。ラテンの音楽を奏でてみなが軽快に踊る。ダンサーさんの衣装も刺激的だ。この暑さにふさわしいといえよう。
「広島グアナファト親善協会」はメキシコのチーム。彼らは当然、ソンブレロをかぶっている。
「FF参加世羅町実行委員会」は涼しげな浴衣姿で登場。日本には夏専用の着衣があったのだと気付かせてくれる。
「沼田石見神楽鬼軍団」は、私はひそかに楽しみにしていた。しかし近くの子供は鬼の恐ろしさに泣きだしてしまった。日本では鬼が出没する祭りが点在するが、これも日本独特の風習であり、残していってほしいと思う。
しかし今年も恐ろしかった。
「広島エイサー隊」は、ドンドンといい音を奏でている。
「広島県民謡協会」は、そろいのきものに「広」の文字が鮮やかである。
「琉球國祭り太鼓」も当然よし。私はここ数年沖縄にご無沙汰しているが、また行きたくなってきた。

























(つづく)
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「第31回 将棋ペンクラブ大賞」決定

2019-07-23 01:04:44 | 将棋ペンクラブ
先週、将棋ペンクラブから「第31回将棋ペンクラブ大賞」の発表があった。

【観戦記部門】 

●大賞
白鳥士郎 第3期叡王戦決勝七番勝負第1局 金井恒太六段VS高見泰地六段(ニコニコニュース)

●優秀賞
田中幸道 第89期棋聖戦五番勝負第5局 羽生善治棋聖VS豊島将之八段(産経新聞)

【文芸部門】

●大賞
野澤亘伸「師弟」(光文社)、「師弟 少年時代に交わした二つの約束 畠山鎮七段×斎藤慎太郎王座」(将棋世界)

●優秀賞
北野新太「最終局」(小説野性時代)

●優秀賞
佐川光晴「駒音高く」(実業之日本社)

【技術部門】

●大賞
杉本昌隆「将棋・究極の勝ち方 入玉の極意」(マイナビ出版)

●優秀賞
西尾明「コンピュータは将棋をどう変えたか?」(マイナビ出版)


最終選考委員は例年通り、木村晋介将棋ペンクラブ会長(弁護士)、西上心太氏(文芸評論家)、所司和晴七段だった。
文芸部門は、先崎学九段の「うつ病九段」がぶっちぎりで獲ると思ったが、優秀賞にもかからなかった。
観戦記大賞も含め、文章の評価は人それぞれなんだな、と感じた次第。

なお、大賞贈呈式は、9月20日(金)、東京都千代田区の「レストランアラスカ パレスサイド店」で行われる。
私は先日まで出席できる感じだったのだが、18日に会社を辞めた関係で、また未定になってしまった。
自業自得ではあるが、なんだかもう、疲れた。
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2019年ゴールデン・ウィーク旅行(2)

2019-07-22 12:40:02 | 旅行記・G.W.編
適当なところで上に上がると、左手にグリコの大看板が見えてきた。これぞ大阪のイメージのひとつで、東京でいえば新宿「ALTA前」となろうか。
辺りは観光客でごった返し、みなが記念写真を撮っている。しかし「特等席」にあたる部分は、どこかのバカが自転車を置き、何かの商売をしている。こういうのは警察が取り締まるべきであろう。
なんばセンター街に入り、そこを抜けると、「なんばグランド花月」があった。ここは将棋でいえば将棋会館みたいなところで、お笑いの殿堂といえよう。軒下には西川きよし、桂文枝、オール阪神巨人、月亭八方、トミーズ、ザ・ぼんち、Wヤング……と、錚々たる名札が打ち付けられている。
隣接の高いビルの5階には、「よしもと漫才劇場」もあった。





さて、さすがに遅い昼食を摂ろうと思う。私はなんば南海通りに戻り、さっきの蕎麦屋に入った。月見うどんのチケットを購入する(220円)。かけうどんが170円だから生卵は50円になる計算だが、やや高いか。ここは40円に負けてもらいたかったところ。
うどんはつるつるしていて、美味かった。通勤圏にこの店があれば、毎日でも通いたくなる店だった。
短すぎる大阪観光を終え、とりあえず西に向かう。なんばから地下鉄御堂筋線に再び乗り、梅田下車。ここでJR経路に戻り、大阪発17時22分のJR神戸線快速に乗った。車内はもちろん混んでいる。17時38分、芦屋着。17時44分、今度は新快速に乗り換え、18時35分、姫路に着いた。
でもよく考えたら、17時30分大阪発の新快速に乗っても同じことだった。
さて姫路には2年前に訪れたこともあり、素通りである。5分の待ち合わせで、網干行きの普通列車に乗る。岡山に行くならこの次の列車でも同じだが、網干駅前の喫茶店に入りたかった。
18時52分、網干着。早速喫茶店に向かうが、店は閉まっていた。というか、自動ドアに貼り紙がある。すごくイヤな予感がして近寄ると「閉店のお知らせ」で、何と昨年の12月27日に閉店していた。
こ……ここもか!
喫茶店「Conservo」は列車待ちの時一度だけ入ったことがある。店の雰囲気はよく、飲み物も良心的な値段で、しかもお菓子をサービスしてくれたものだ。私の旅行はいつも何かに追われていて、しかも独身男のひとり旅だから、つねに虚しさを内包している。でもこの喫茶店では、すべてを忘れてのんびりすることができた。
またひとつ、私のお気に入りの店が消えてしまった。



網干発19時16分の岡山行きに乗る。車内は適度な混み具合で、座って座れないこともないが、立っていく。
スマホで、今日のホテルを探すが、満室が多い。昨年は倉敷のホテルに泊まったが、割とスンナリ取れた記憶がある。今年はどこを探してもダメで、いやむろん金に糸目を付けなければ部屋はあるが、ただ寝るだけの場所で高額は払えない。
ネットカフェを調べると、岡山にコミックバスターが1軒あった。私は以前、ネットカフェの会員証群が入っていた封筒を紛失してしまったので、再発行を望まない私は、入れる店が限られている。ここコミックバスターは、幸いに会員証が残っていた。今宵はここに泊まろうか。
岡山駅20時34分着。とりあえず晩飯である。昨年は駅前のアーケード街で、風情ある大衆食堂に入った。それを探すのだが、どこにあったのか判然としない。恐らくシャッターが閉まっているからだろうが、ややテンションが下がる。
カプセルホテルがあった。1泊3,500円である。ここに入ってもいいが、私はもう、ネットを使うイメージが出来上がっており、とりあえず見送りとする。
以前も入った「宮本むなし」があったので、入る。ここはライスのおかわりが可で、カレーライスも無料で大盛りにしてくれる。歳を取ってくると、こういう無料のサービスに涙が出てくるのである。
カレーライス大盛り450円。美味かった。
コミックバスター岡山駅前店は、デパートの地下1階にあった。営業を終えたデパートに入るのは違和感がある。
店はあったが簡易的な造りで、手続きはセルフだった。だが私の会員証が反応しない。どうもこのシステムになってからだと私の会員証は古いようで、替えてもらう。10時間パックをオーダーした。
外装の造りは簡素だったが、ブースに入ればどこも同じである。
無料のシネマチャンネルを適当にいじっていると、黒木い●みという、かつて私が大ファンだった女流棋士そっくりの女優に当たった。これをどう見るべきか。
明日の宿も当たってみる。東横インを調べると、徳山に3軒あったのだが、いずれも高い。
もうよく分からなくなり、とりあえず横になった。

翌3日(金・祝)。コミックバスターは支払いもセルフである。1泊2,646円はまずまずだったか。
岡山駅に入る。構内に「キムラヤのパン」なる店があって、どうも老舗のパン屋っぽい。私はパンが大好物というわけではないが、ここは買う一手であろう。メロンパンとあんぱんを買った。
改札を抜けると、07時13分発の下りが出たところだった。私は07時34分の列車に乗るつもりで準備したのだが、その前の列車にも乗れたのだ。
私は今回も時刻表を携行せず、スマホの乗換案内でまかなっているのだが、ダイヤを俯瞰で見られない弊害がここで出た。
07時34分の列車が入線した。私は3年連続でこの列車に乗車することになる。岡山からの下り、しかも休日なので、私と同乗の客はあまりいない。
乗車し、私はメロンパンを頬張る。これが至福の時間である。
列車は定刻に発車した。空は曇り模様だが、やがて晴れてくるだろう。列車に快適に揺られ、私は車窓を愛でる。私は「乗り鉄」に分類されると思うのだが、となるとこの時間がいちばんよいのだろう。
東福山を過ぎた時、列車が急停止した。
(24日につづく)
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