一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2023年・一公的将棋10大ニュース

2023-12-26 22:19:05 | ランキング
今年も残すところあとわずか。では、私的2023年の将棋10大ニュースを記そう。

第1位 藤井聡太竜王・名人、八冠達成(10月11日)
藤井竜王・名人が永瀬拓矢王座を3-1で降し、21歳2ヶ月で八冠を達成した。ドラマやマンガでも現実離れし過ぎていて設定にもならない事態が、本当に発生した。

第2位 藤井竜王、七冠達成(6月1日)
八冠達成の陰に隠れてしまったが、20歳10ヶ月での七冠達成も現実離れしている。これだって八冠達成に匹敵する偉業である。

第3位 藤井竜王、20歳10ヶ月で名人奪取(6月1日)
七冠達成で目立たなかったが、20歳10ヶ月で名人奪取、というもうひとつの記録も素晴らしい。
1983年に谷川浩司八段が21歳で名人を奪取したとき、この記録は破られないと誰もが思った。だがそれさえも、藤井名人・竜王は破って見せた。

第4位 藤井竜王、六冠達成(3月19日)
20歳8ヶ月で六冠も現実離れしている。まったく、すべてが規格外の記録だ。

第5位 羽生善治九段、王将戦七番勝負で藤井竜王と激突
羽生九段と藤井竜王・名人とのタイトル戦が実現するとは思わなかった。まさに千両役者の対決。また見たいものだ。

第6位 佐々木大地七段、棋聖戦と王位戦の挑戦者に
当ブログでひそかに注目していたC級2組在籍の佐々木七段が、2つのタイトル戦に登場。この際、C級2組のままタイトルホルダーになってほしい。

第7位 伊藤匠五段、竜王戦5組から挑戦者に(8月14日)
竜王戦で5組からの挑戦は初。きょう棋王戦の挑戦者にもなったし、藤井竜王・名人に次いでの若手実力者といえる。

第8位 磯谷祐維女流棋士、LPSAに入会(9月1日)
これはけっこう衝撃的なニュースだった。いままでにも新規入会はあったが、クリアな状況でLPSAを選んだのは初めて。磯谷女流1級の今後の活躍に注目である。

第9位 宮嶋健太四段誕生(8月19日)
第73回奨励会三段リーグで、15勝3敗の1位で四段昇段。大野八一雄門下初の棋士(四段)となった。苦労人・宮嶋四段の今後に期待したい。

第10位 上野裕和六段、石川陽生七段が引退
私が応援していた棋士が現役を引退した。とくに上野六段はまだ46歳。実力の世界だから仕方ないとはいえ、厳しい。上野六段も石川七段も文才があるので、著述のほうで頑張ってもらいたい。お疲れ様でした。


今年1年、藤井竜王・名人(八冠)一色だった。将棋400年、とんでもない天才が現れたものだ。
10大ニュースはほかにも、「渡辺明九段と永瀬拓矢九段が無冠に」「藤井竜王、一般棋戦4つにすべて優勝」「棋士編入試験で小山怜央四段が誕生する」「西山朋佳、里見香奈で女流四冠を分け合う」などがあったが、選外とした。
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「将棋ペン倶楽部」掲載タイトル一覧・2023年版

2023-12-25 00:18:07 | 将棋ペンクラブ
「将棋ペン倶楽部」に掲載されたタイトルをまとめておこう。前回のアップが2021年2月16日だったから、2年10ヶ月ぶりの更新である。

・「青春の大阪」(会報37号・2002年春号)
・「運命の端歩」(会報39号・2003年春号)
・「旅先での将棋」(会報41号・2004年春号)
・「『まった』の是非」(会報43号・2005年春号)
・「将棋のご縁 関東交流会レポート」(通信25号・2005年夏号)
・「『共感の法則』とその周辺」(会報45号・2006年春号)
・「『LPSA』の未来はバラ色」(通信29号・2007年夏号)
・「文化祭1982」(会報48号・2007年秋号)
・「真部一男九段との思い出」(会報49号・2008年春号)
・「勇者の涙と己の恥」(通信31号・2008年夏号)
・「船戸陽子女流二段の決心」(会報50号・2008年秋号)
・「金曜日の楽しみ」(会報51号・2009年春号)
・「聖夜前日のドラマ」(会報52号・2009年秋号)
・「手つきについて」(通信34号・2009年冬号)
・「第六回将棋寄席」(会報53号・2010年春号)
・「奇跡の光景」(会報54号・2010年秋号)
・「将棋の文庫本」(通信36号・2010年冬号)
・「天童の美女」(会報55号・2011年春号)
・「忘却の角」(会報56号・2011年秋号)
・「忘却の角<完結編>」(会報57号・2012年春号)
・「聖夜の将棋寄席」(会報59号・2013年春号)
・「天狗の鼻を折られた日」(会報60号・2013年秋号)
・「女流棋士と駒落ちの話」(会報63号・2015年春号)
・「米長哲学の真意」(会報65号・2016年春号)
・「元日の観戦記2017」(会報67号・2017年春号)
・「将ペン駒落ち道場 天使か、鬼か」(会報68号・2017年秋号)
・「15歳の将棋」(通信51号・2018年夏号)
・「新春CI寄席」(会報73号・2020年春号)
・「ライバルとの戦いでの連敗記録」(通信56号・2020年冬号)
・「プロ棋戦での詰め上がり」(会報75号・2021年春号)
・「銀の妙手」(通信57号・2021年夏号)
・「投了図で双方持駒なしはあるか」(会報76号・2021年秋号)
・「美馬和夫祝勝会レポート」(会報78号・2022年秋号)
・「第35回将棋ペンクラブ大賞贈呈式レポート」(通信62号・2023年冬号)

前回より5本増えて、34本になった。2021年春号から秋号まで連続掲載。その前の2020年冬号を合わせると、怒濤の4号連続掲載である。
「プロ棋戦での詰め上がり」は、プロの実戦で詰み上がりまで指してしまった局面を載せた。プロでそこまで指すことは滅多にないが、思わぬ見落としや、投げるに投げられない悔しさなどが相まって、稀に出現する。
掲載した局面は雑誌に掲載されたものを、私の記憶を頼りに編集した。プロが探せばもっとあると思う。
「銀の妙手」は、名棋士の銀の妙手を載せた。升田幸三九段の「△3五銀」、中原誠名人の「▲5七銀」、羽生善治五段の「▲5二銀」、藤井聡太七段の「△6二銀」などである。銀はフットワークがいいので、妙手が出やすいのかもしれない。
「投了図で双方持駒なしはあるか」は、表題通り、投了の局面で双方に持駒がない場合を調べた。
結論から言うと、極端に早投げした場合を除き、そのケースはなかった。でもそこはそれ、これは……という局面も載せている。
「ライバルとの戦いでの連敗記録」も含め、この4本は我ながら面白い。よく書き切ったと思う。
「美馬和夫祝勝会レポート」は、第29回シニア名人戦東地区大会で優勝した、美馬和夫氏の祝勝会の模様を書いている(発起人:将棋ペンクラブ)。
…と、こう書けば威勢がいいが、実際は美馬氏が東西決戦で負けている。それには目をつぶり、「祝勝会」と銘打つところが、将棋ペンクラブ流である。
当日、美馬氏による東西決戦の自戦解説は爆笑モノだった。
そして今号の「第35回将棋ペンクラブ大賞贈呈式レポート」である。実はこの冊子を居間にほっぽっといたら、オヤジが「お前、文章がうまいじゃないか」と言った。表紙に私の名前を見つけ、読んだようだ。
オヤジが拙文を読んだのは初めて。オヤジは、同誌に33回も投稿が掲載されたことは知らない。もちろん、私がブログを15年近く書き続けていることも知らない。それでいいと思う。
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D級から落ちても

2023-12-24 00:07:37 | 将棋雑記
順位戦でC級2組から降級した場合、その復帰規定は、けっこう大変である。一般的なのは「直近30局で勝率.650以上」だが、そのほかにも棋戦ごとに規定がある。だがそれも大変で、その成績が取れるくらいなら、そもそもC級2組から降級しない、という理屈が成り立つほどだ。
白玲戦・女流順位戦でD級から降級した場合も、復帰規定がある。ちょっと、列記してみよう。

・清麗戦…予選決勝進出
・マイナビ女子オープン…本戦2回戦進出
・女流王座戦…本戦2回戦進出
・女流名人戦…女流名人戦リーグ入り
・女流王位戦…挑戦者決定リーグ入り
・女流王将戦…本戦2回戦進出
・倉敷藤花戦…ベスト8

これがどのくらい大変なのか。復帰まで何勝が必要か、書き直してみよう。

・清麗戦…7連勝など
・マイナビ女子オープン…4勝
・女流王座戦…4勝
・女流名人戦…4~5勝
・女流王位戦…3~4勝
・女流王将戦…4勝
・倉敷藤花戦…3~4勝

清麗戦は、再挑戦トーナメントがあるからややこしいが、とりあえず初戦から6連勝ないし7連勝すれば本戦に進出し、女流順位戦D級復帰となる。
どこかで負けても再挑戦トーナメントに組み入れられ、ここでも同程度の勝数で本戦に進出できる。
マイナビ女子オープン以下は、負けたら即終了である。予備予選1勝、予選2勝、本戦1勝の計4勝で復帰できる。
女流王座戦は一次予選2勝、2次予選1勝、本戦1勝の計4勝で復帰できる。
女流名人戦は、4連勝ないし5連勝でリーグ入り(復帰)できる。
女流王位戦は、3連勝ないし4連勝でリーグ入り(復帰)できる。
女流王将戦は、予選3勝、本戦1勝で復帰できる。
倉敷藤花戦は、3勝ないし4勝でベスト8となり、復帰できる。

こうしてみると、棋戦とクジ運によっては、3勝で女流順位戦D級に復帰できるのだ。
中でも穴場なのは女流王位戦だろうか。挑戦者決定リーグは紅白6名、しかも強豪ばかりが残留しているので、彼女らと戦わなくて済むのが大きい。さらにリーグ戦の5局が約束されるのも大きい。
いずれにしても各棋戦、男性の順位戦に比べて復帰規定が緩い気もする。しかしこれは、男性棋戦が順位戦の成績如何で現役の進退が懸かるのに対し、女流順位戦はその棋戦の参加・不参加だけを決めるものだからだろう。主催者だって、女流棋士に対局してもらいたいのだ。
もし、自分は実力があるのに……と自覚しながら不運にも降級してしまった女流棋士、あるいは降級しそうな女流棋士は、降級してもすぐ復帰して見せる、くらいの気概で戦えばよい。
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長財布をなくした!?

2023-12-23 15:11:07 | プライベート
先日、1日ヒマだったので、昼前にかかりつけの病院に行こうと思った。降圧剤と胃薬をもらうためである。
ところが、バッグから黒の長財布を取ろうとしたら、なかった。そんなはずはないだろうとバッグをひっくり返し、隅々まで調べたが、やはりなかった。
ふだん使いのリュックサックやセカンドバッグを探しても、ない。狭い我が家で私の行動範囲は限られているので、ほかに探すところもない。
最後に財布を見たのは前日の夜9時で、最寄りの駅でSuicaに1000円をチャージし、お釣りの9000円を財布に入れたのまでは覚えている。
ということは、そこで財布をバッグに入れ損ね、エスカレーターのあたりで落とした可能性が高い。しかしまったく気づかなかった。
なぜ1000円をチャージしたか。病院の会計のとき、壱万円札を出すのはアレだと思ったので、わざわざ崩したのだ。そのどうでもいい配慮?がアダとなった。
私はとりあえず最寄り駅の改札口に行く。駅員さんに聞くと、財布の落とし物は届いていない、とのことだった。まあ、そうであろう。
私はダメ元で近くの交番へ行く。だが、やはり届け出はなかった。これで万事休すである。現金は24,000円余。それにクレジットカードの類がいっぱいある。ANA、ヨドバシカメラ、多慶屋、三菱UFJなどである。さらに運転免許証、保険証、各病院の診察券、すべて入っている。
財布を誰かに拾われたとして、いまだに届け出が出ていないということは、現金はすべて使われているだろう。
クレジットカードは暗証番号が必要だから簡単には使われないと思うが、中には暗証番号なしでも使えるところもある。やはり安心はできないのである。
2日後には長崎旅行を控えているのに、どうするんだ!? とにもかくにもおカネを下ろすしかないが、カードを紛失したいま、そのカネがおろせないのだった。
「あなた、運転は毎日します?」
と警官。
「いえ、父親を病院に送っていくときしか運転しませんから」
「ああそうですか。しばらく運転はしないでください」
それから、警官の勧めで、紛失届を書いた。意味はないと思ったが、後日落とし物を届けてくれることもあるという。いや、ないと私は思う。
「日本人はそこまで親切じゃないです」
私は断言した。
ともあれ書類一式を書いて、私は自宅に戻った。もう昼だから午前中の病院は、無理。
財布を無くしたいま、いっぱいやることはあるが、とりあえず多慶屋のクレジットカードを停止してもらうことにした。
ところが、肝心のスマホの電話が使えない。なんだか知らぬが、機内モードになっていた。
それで、黒電話から電話する。オペレーターに繋がり、話始めたところだった。
「一公!」
便所からオヤジの声がした。
あれは数年前、北海道に旅行する直前、ANAカードがないことに気づいた。私はそのまま渡道したが、現地に着き、ANAカードのクレジット機能を停止してもらうよう、スマホから電話を掛けた。
その途中、私のスマホに割り込み電話が何度も入ったが、私は無視し、そのままANAカードを停止した。
が、その電話がオヤジからで、ANAカードが見つかった、とのことだった。私が工場に置き忘れたのを、オヤジが見つけてくれたのだ。しかしもう、遅かった。私がオヤジの電話に出ていたら、再発行してもらうことはなかった。
その轍を踏むまいと、私はオヤジの声に耳を傾けた。すると、私の財布が便所にある、とのことだった。
あ、あった!?
私は慌てて電話を切る。
私はバッグから財布を取り出し、セカンドバッグに移すつもりだった。ところがその途中に便所に入り、財布を窓際に置いたまま、出てきてしまったのだ。まったく記憶になかった。
ああー、でもオヤジが便所に入ってくれて本当によかった。一度クレジットカードを停止しちゃうと、再発行に手間とカネがかかるからだ。
ともあれ、一度は無くしたと思った財布が出てきた。このときのよろこびを思えば、ここまでの悩みなどどうでもよくなった。この瞬間だけは。
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挑戦者決定二番勝負の行方

2023-12-22 23:39:36 | 将棋雑記
本日行われた、第49期棋王戦挑戦者決定二番勝負第1局は、敗者復活組の伊藤匠七段が、勝者組の広瀬章人九段に勝った。これで、最終第2局にすべてを賭けることになった。
棋王戦はそもそも、ほかの棋戦と同じく、挑戦者決定戦は一番勝負だった。
しかし、勝者組が無敗で勝ち進んだのに、挑戦者決定戦の1敗で敗退するのは不公平だということで、勝者組には1勝のアドバンテージが与えられ、1敗が可能となった。つまり、完全2敗失格制となったわけだ。変則二番勝負の誕生である。
では、施行された第18期からの勝敗を見てみよう。左が勝者組、右が敗者復活組。勝者組から見た星である。

1992年 第18期 谷川浩司☆○佐藤康光
1993年 第19期 南芳一☆○佐藤康光
1994年 第20期 森下卓☆○村山聖
1995年 第21期 高橋道雄☆●○村山聖
1996年 第22期 森下卓☆○中原誠
1997年 第23期 南芳一☆●●郷田真隆
1998年 第24期 藤井猛☆●●佐藤康光
1999年 第25期 森内俊之☆●○島朗
2000年 第26期 郷田真隆☆●●久保利明
2001年 第27期 佐藤康光☆●○郷田真隆
2002年 第28期 郷田真隆☆●●丸山忠久
2003年 第29期 谷川浩司☆●○深浦康市
2004年 第30期 森内俊之☆●●羽生善治
2005年 第31期 森内俊之☆○郷田真隆
2006年 第32期 深浦康市☆●●佐藤康光
2007年 第33期 羽生善治☆○阿部隆
2008年 第34期 木村一基☆●●久保利明
2009年 第35期 佐藤康光☆○山崎隆之
2010年 第36期 広瀬章人☆●●渡辺明
2011年 第37期 郷田真隆☆●○広瀬章人
2012年 第38期 渡辺明☆●○羽生善治
2013年 第39期 三浦弘行☆●○永瀬拓矢
2014年 第40期 羽生善治☆○深浦康市
2015年 第41期 佐藤康光☆●●佐藤天彦
2016年 第42期 千田翔太☆○佐々木勇気
2017年 第43期 永瀬拓矢☆●○黒沢怜生
2018年 第44期 広瀬章人☆○佐藤天彦
2019年 第45期 本田奎☆●○佐々木大地
2020年 第46期 広瀬章人☆●●糸谷哲郎
2021年 第47期 永瀬拓矢☆○郷田真隆
2022年 第48期 佐藤天彦☆●●藤井聡太
2023年 第49期 広瀬章人☆●?伊藤匠

第18期から第48期までの31回で、勝者組の20挑戦、敗者復活組の11挑戦。勝者組に1勝のアドバンテージがあるから当然といえば当然だが、第1局の勝敗だけを見ると、勝者組11勝、敗者復活組20勝と、真反対の結果が出ている。1敗の余裕がある勝者組と、もうあとがない敗者復活組の対戦は、「死に物狂い」の敗者組が勝つようだ。
そして第2局の勝敗は、勝者組9勝、敗者復活組11勝となる。つまり、敗者復活組が第1局を勝てば、その勢いで第2局を制する確率のほうが高くなるのだ。
こうなると、今期の棋王戦も、第2局は伊藤七段が有利、ということになる。第2局は26日(火)。楽しみに待ちたい。
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