矢沢永吉

今夜は不覚にも寝てしまった

エビス５００を一本飲んで寝てしまった

目が覚めて水を一杯飲んでテレビをつけた　灯りをつけた

７１歳、矢沢永吉が独特のアクの強い顔で若者に話している

「お金？　ロックにお金関係ないなんて誰がいったの？

金はプライドだよ　プロのスポーツ選手たちがね『おれの右腕いくらで買ってくれる？』って言うでしょプライドだよ

自分を売り込む、そういう人ほど良い仕事するでしょ」

「上に行こう上に行こうと全力で力一杯突っ走ったおれだった、上に行きたいというのを別の言い方すると『安全な場所に行きたい』ということなんだよ

安全な場所というのは、おれが全力で突っ走って必死にやってかなりのところに来た頃、誰かが『えいちゃん、もうきみが言う安全な場所に来たよ

もう大丈夫だよ』と言った、でも無視してまた何年も必死で全力で突っ走った、そしたら誰の声も周りに聞こえなくなった

それで周りを見たら誰もいない、そして後ろを見たら遙か遠くにゴールが見えたんだ、それで本当に安全な場所にいることがわかった」

「７０過ぎて、いいおっさんになって、体もあちこち痛くなって『さておれはこれからどうやって生きていくのか』考えたとき、もう十分やったから

これからはのんびりやりたいことをやって、旅行とか！　だけどやりたいことって言うのは一週間もするとたいてい飽きちゃうもんだよ、そうだろ

おれは思ったね、ステージでマイク握っているときが一番気持ちいいんだよね、だからこれはやめられない」

これを見せたくて神様はおれを起こしたのか

「少しは感じろよ！　ロックしろよ！　やっと７１だぜ」って

（矢沢さんのセリフは順番、言葉そのものは思い出しながら書いているので実際とはかなり違いますが、内容はほぼ同じと思います）