かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

スキタイと匈奴

2008年09月02日 | China・Mongolia


講談社の興亡の世界史シリーズは、極めてユニークだ。まず、テーマの選び方がマニアック。かつ、著者が個性的。かつ、何の枠もはめないで、書かれているから、何の統一性もない。中には、99%理解できなかった巻もあった。その点、この「スキタイと匈奴・遊牧の文明」は、まだ理解できた方だ。一冊の本書の中で、考古学的新発見の話から、過去に歴史論争の分析まで、バラエティに富んでいるが。

ヘロドトスと、司馬遷の書が一応ベースにあるからある程度理解できるのだと思う。しかし、この騎馬民族の活動範囲の広さは、どうだろう。そして、この活動力があったからこそ、ユーラシア大陸の東と西が出会ったと考えると、これこそロマンだ。
真のシルクロードは、まず彼らにより築かれたと言える。玄奘三蔵法師は、彼らに仏法を説くことにより、インドに導いてもらった。張騫も、中国と、シルクロードを牛耳る騎馬民族の間を取り持つための、冒険だった。

この本によると、記録の少ない騎馬民族だが、考古学上の画期的な発見が相次いでいるそうだ。しかし、似たものが、数千キロ離れたところで、発見されたりして、今だにその実態はつかめない。モンゴルとロシアの国境から、黒海の北側まで、存在していた確かな足跡が残されているのに。欧羅巴を席巻したフン族が何者かがわからないなどまだ謎だらけなのである。



トルファンにある交河故城の外(写真)で発見された遺跡なども、画期的なものだったそうだ。とにかくまだわからないことだらけなのだ。新発見のニュースを楽しみに待ちたい。

明日から、また日本を離れる。今度は、ちょっと長め。しばらく更新しないが、ごめんしてね。
コメント
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