
本書は、本屋の平積みで見つけた。
ちょうど、葛城の道など踏破後で、弾みで、ゲット。
しっかりした本で、たいへんためになった。
神社の数は、8万ぐらいある中で、八幡神社は、8千弱という。
本書では、八幡だけではなく、最強11社(他の神社についても説明あり)について、その歴史、祀ってある神々、ご利益等、すっきり説明してくれる。
お寺だと宗派とか、その開祖とか、比較的由来があり、わかりやすいのだが、神社の場合、まず神々の数、種類がやたらに多く、混乱する。
本書では、最初に神社で祀っている神々を、記紀に出てくる神々、その後、日本の歴史の進行の中で出てくる神々、人が神々になったものの3種に分類できるという。
その中で、八幡神社は、日本の歴史の進行の中で、生まれてきた神社だ。
最初に出てくるのが、737年。記紀編纂の後だ。新羅との関係が悪化した時に、宇佐神宮に祈った記録が最初という。
その後、応神天皇と習合し、八幡信仰が広がった。さらに、奈良の大仏が建立された時に、八幡神上京。道教の託宣事件で、さらにクローズアップ。
宇佐八幡の史料を分析すると、八幡様は、韓国の神と考えられるという。同じように、韓国からの神を祀ったのが、三井寺の護法神という。
このように、驚きの考察が展開され、目から鱗。
本書を読んでキーワードは、習合。元の神が、実在の人物や、仏様と習合し、様々な展開をしていく。変化(へんげ)と言ったら、いいすぎか。明治維新までは、長い間、仏様と神様は、同じように祈りの対象だった。そこから、また分離したので、由来が、ますます混沌とし、それを掘り起こすのは、特に神道側は、難しくなっている。
いずれにしても、神社、神々に興味のある方は、ぜひ一読すべき一書だろう。極めて興味深い考察が展開される。