次の衆議院選挙も、もうそろそろだが、前回のチーム小泉の勢いはすごかった。
本書は、それを当事者として、または間近で見ていた竹中氏の本だ。
もう2年以上も前の本で、特に、昨今の経済情勢で、色褪せて見えるが、当時は、賛美に近い称賛と浴びていた。確かに、あの勢いがなかったら、郵貯民営化などありえなかったろう。それがよかったか、意味がなかったかは別にして。
確かに、竹中蔵相の間、景気は、どん底からスタートして、順調に回復した。しかし、今から思うと、欧米のバブルのおこぼれをもらっていたにすぎなかったのかもしれない。余計な規制を入れないことで、そのおこぼれは享受できたが、欧米の行き過ぎを抑える動きはできず、結局その煽りをもろに受けた。
社会主義を維持する国は、数えるほどしかなくなったが、資本主義の国々の中で、自由と規制のバランスをどこに置くかは、まだ揺れ動いているといえる。自由に任せば、効率があがり、景気が上向き、税収が上向き、みんなハッピーという単純な構図ではないことは確かになってきた。
確固たる信念を持って、きちっとしたプロセスを経た政策決定・実行が必要なことは確かと思うのだが、それをやろうとしているように見えるのが、日銀総裁と、蔵相だけというのは、いかにもさびしい。

サブプライムがらみの本は、多く読んだが、本書は、一番初心者にもわかりやすく書いてある本かと思う。
本書によれば、この状況は、5年ぐらい続く。過去5年間にあるべき成長率を上回る成長を世界経済が遂げてきた反動である。
ここ数カ月は、マーケットは、結構楽観的になってきているようにも見えるが、各国政府のカンフル注射の効果も大きいだろう。これは、最終的には、財政の圧迫、カンフル効果がなくなった時の反動につながる。カンフル注射は、永久にはうち続けられない。
実物投資への効果が上がりにくい状況が続いている中で、金融市場への投資の方が、効果が上がること自体、永続する道理がない。
この経済危機で、資本は相当傷んだものの、まだちゃんと残っているわけで、それを、中小企業対策、途上国中産階級への食い込み等、日本経済回復に資する投資に回すべきで、そのアイデアも盛り込まれている。
バラマキではなく、伸ばすべきところへの投資を、辛抱強く行っていくべき時期なのだろう。
”昭和41年 ウルトラマン誕生”というDVD付本が出ている。
小学校2年の時に、ウルトラマンに出会ったような我々世代には、感涙ものだ。
まさに、秘話満載(マニアの人には、秘話でも何でもないのかもしれないが)。プロジェクトXにも使えるような内容だ。
急遽放送が終わってしまったように子供ながらに感じたが、まさに、番組作りが間に合わなくなった末の、急遽の放送終了だったと明かされている。
元々、スケジュール的には、かなりきつい番組制作で、怪獣も、東映映画や、ウルトラQの怪獣を改造して、どうにか間に合わせる計画だったという。
ゴジラ→ジラース、ペギラ→チャンドラーは、流石に知っていたが、バラゴン→ネロンガ、ベムラー→ギャンゴ、パゴス→ガボラ、ガヴァドン→ザンボラーなどは、言われればわかるのだけど、知らなかった。
伊豆や、裏磐梯や、日本のいろんなところで、ロケしていたことも分かった。
DVDでは、ウルトラマンを作ったスタッフの苦労話などが語られる。
世界的キャラクターであるウルトラマンの元祖をもっと知りたい人は、是非どうぞ。


マリンタワーが、久し振りにオープンした。ランドマークタワーという怪物が近くにある中、厳しいとは思うが、流石に、今日は、再オープンの日。30分待ちぐらいだった。
レシート番号は、1135番。再開後、1135組目の入場者だったのだろうか。
開港100周年(=My Brith Year) に建てられた(正確にいうとその2年後だが)この灯台兼展望台のマリンタワー。どうにか、再オープンに漕ぎつけた。2年半前のクローズの時にも訪れたが、再オープンできてよかった。

低層階は、大幅に生まれ変わった。骨格は、変えようもないが、細かな工夫が見られる。前は、流石に、どんくさかった。ブリキのおもちゃ博物館は、それなりの存在感をしめしていたが。

横浜をイメージにしたモザイク画が、壁面を飾る。

今日の天気は、いまいちだったが、さすがに眺めはいい。今、整備の最終段階の象の鼻地区も、もうほとんど出来ているようだ。横浜全体を南側から俯瞰できたり、ベイブリッジがすぐ間近というところでは、マリンタワーからの景色の方がいい。

東京タワーと同じように、床から下が見下ろせるようになった。もうちょっとガラスが大きくてもよかったけど。構造の関係で、この大きさが限界なのだろう。エレベーターも、ガラス張りなので、なかなかよい。

その後、山下公園あたりをぶらぶらしてみた。
ニューグランドは、流石の存在感を示している。

山下公園の大道撃ヘ、いつもプロ級。勝手に盛り上がる。

日本最初の埠頭とも言える”像の鼻”エリアは、現在整備中で、間近に迫った開港150周年その日に合わせてオープン予定であるようだ。

ユニークシリーズ興亡の世界史シリーズの中で、『地中海世界とローマ帝国』は、最もオーソドックスな巻だ。もっと言えば、そう見える。
塩野さんローマ人の物語をずいぶん読んだせいもあるかもしれない。あの長編も十分ユニークだったから、それを上回るものを一冊で、上回るのは、不可能だろう。
でも、やっぱり面白いローマの歴史。
ひとつには、世界史の一角に必ずローマ史があるからかもしれない。
地球において、Rest of the World が、いかに多いことか。