かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

シルクロード

2021年08月21日 | Books


今日、明日とゴルフ。
先週と違っていい天気。
朝焼けがすばらしい。
本物は、もっと赤かった。
今だと、ちょうど5時頃が日の出タイム。



関東平野の西の端から、見下ろす。
スカイツリーまで見えた。
スコアは普通だが、悪くなかった。



本書は、5月に出た新書。
著者の中村さんは、NHKの最初のシルクロードの取材班団長。
その後も、シルクロードに関わり続けた。
80歳になった時に、本を出すよう勧められ、本書となった。
今までの講演録等を再編集した内容のようだ。

シルクロードの歴史を、いろんな角度から、わかりやすく説明してくれており、濃い内容の1冊だった。
シルクロードファンであれば、いろんなレベルの人に、楽しめる内容になっている。

本書を読んでわかるのは、シルクロードは、研究が制限された期間が長く、まだまだ未解明な部分が多いこと。
大探検隊の時代から、NHKのシルクロードまで、まったく立ち入りができなかったし、その後も、研究は制限されている。
近頃のウィグル問題で、ますます入境が難しくなるだろう。

一方、日本人のシルクロードへの憧れは、引き続き大きい。
今は、イスラム圏で、文化的にも異なるのだが、そこから発掘されるものは、日本の古代の文化とのつながりが感じられる。
まさに、シルクロードの終着点は、奈良と言われる所以だ。
有名なところでいえば、シルクロードで20年ほど前に見つかった西域のモナ・リザは、敦煌の壁画、法隆寺の壁画につながる手法で描かれていた。
手法は、言葉では伝えられていたが、現物は、今まで失われていたものだ。
このようなお宝が、砂漠の中にまだまだ多く埋もれているはずなのだが、なかなか発掘が難しく、それが、またシルクロードのロマンにつながっていくという循環。

私は、いろんな展覧会に行ったり、書を読んだりして、本書の内容を理解できるが、初心者だと、図版の少なさがネックになるかもしれない。
版権の関係で、載せられなかったのかもしれないが、白黒でもいいから、もう少しビジュアルなところもあっても良かったかもしれない。

面白かった。
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戦いの音楽史

2021年08月20日 | Music

今日もいい天気。
西日本では、まだ雨が続いているとのことで、気を付けて欲しい。



本書も、本屋で見つけた。
著者のみのさんは、全然知らなかったのが、YouTuberであり、ミュージシャンでもありという方のようだ。
1990年生まれとあるから、まだお若い。

本書は、いわゆるポップスの歴史を、コンパクトに簡潔に、1冊にまとめた本。
というと、簡単そうに見えるが、100年に渡るポップスの歴史を1冊にまとめるのは、結構難しい。
それを、うまくポイントをピックアップしてまとめてある。
みのさんは、相当、頭のいい人かもしれない。

もちろんそのためには、相当の部分を端折らなくてはいけないし、端折ってあるのだが、幹の流れは、しっかりとらえていて、かつ、日本の音楽シーンの流れまで、取り上げているのだから立派。
さらに、ちょっとだが、トリビア情報も交えて、音楽通の読者を、にやりとさせるところもある。

ポップスの歴史は、たかが100年なのだが、実際、我々が目にしているのは、その一部に過ぎない。
本書のデータによれば、歳を重ねるにつれ、音楽の関心は、薄れ、特に新しいタイプの音楽への関心は、なくなっていくそうだ。
私の場合、音楽への関心は薄れてはいないが、新しいタイプの音楽には、ほとんど関心がない。
本書でいえば、4章までは、興味津々だが、5章以降は、へーぇって感じ。
みのさんは、それではいけないから、本書を著したというが、そういった意味では、その期待には応えられていない。
ただ、5章以降で取り上げられている分野の音楽も、4章以前の音楽からの流れからとらえることができることにも、気づかされる。

日本の音楽と、洋楽との違いも明らかにされ、今の日本の音楽は、J-POPとして括られつつあるが、それも平成歌謡とも呼べるものかもしれず、民謡からの流れを汲む歌謡秩序の中にとどまっているのかも。

ポップスの歴史は、たかが100年、日本史、世界史の長さと比較すると、かなり短い。
かつ、大きな流れは、結構研究されており、本書で説明されている幹を意識しつつ、いろんな音楽を聴けば、全体像が、よりリアルに把握できるものと思う。

一方、日本の音楽史があまり研究されていないと本書は説くが、たぶん一時的なブームや、洋楽のマネで終わるケースも多く、音楽の流れというよりは、ミュージシャン、作曲家、作詞家の流れで、説明せざるを得ないところにその原因があるような気もする。

ポップスの全体の流れを、まず押さえたい人にお勧め。

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聖徳太子展&聖林寺十一面観音展

2021年08月19日 | Culture・Arts



今日は、夏空。
久しぶりに、特別展ダブルヘッダー。
すばらしい景色。



時間制になっており、ゆったりと見れる。
まずは、平成館の”聖徳太子と法隆寺展”



待ちに待った展覧会。
というのも、この写真の左側の仏像は、いつも金堂の中にあり、薄暗い中ほとんど見えない。
それが、360度、間近で見れる。

右の聖徳太子像は、聖霊院の中にあり、いつも建物の前は通るのだが、御開帳のタイミングで行けたことはなかった。
今回は、聖徳太子が亡くなってから、1400年ということだが、本像は、500年を記念して作られたもの。
長い間、聖徳太子は、慕われてきた。

その他にもお宝勢ぞろいで、正倉院に並ぶ、文化財の宝庫であることがわかる。
伝橘夫人念持仏寿司も展示。
この厨子は、いつも見れるのだが、今回は、厨子から念持仏が出されて展示されていたため、じっくり見ることができた。
この仏像の芸術性は、他を圧倒するかもしれない。

東洋館や、法隆寺館でも関連展示がある他、救世観音、百済観音の8K映像など、すばらし企画が、東京国立博物館全体で、開催されている。
古代の文化に関心のある方は、見逃す手はない。

本当は、奈良国立博物館での本展にも行きたかったのだが。
特に、五重塔塑像が、東京展で展示されなかったのは、残念だった。
この塑像群も、普段は、じっくり見れない。



ランチをいただいてから、午後は、本館での聖林寺十一面観音展へ。
本館の正面階段は、ドラマで何度見たことか。



この観音様は、2度、現地で拝んだことがあるのだが、今回は、東京で360度じっくり見れる機会。
展示はこじんまりしているが、こんなにじっくり見れる機会は、ない。
奈良時代の仏像の傑作。
前から見た時は、気づかなかったのだが、後ろから見ると、観音様が11面でないことがわかる。
この仏様は、廃仏毀釈の犠牲になり、聖林寺が引き取ったものだ。
その経緯の展示もある。
かつては、大神神社の神宮寺であった大御輪寺の本尊であった。
その脇侍は、正暦寺に、地蔵菩薩像は、法隆寺が引き取った。
特に、この地蔵菩薩像は、見事なものである。
こちらは、平安時代のものとされる。

ちなみにこの写真は、模造の方だが、本格的なもので、実物と見まごう出来だ。
東洋館の休憩室に展示されている。



博物館前では、ABBのロボットが絵を描いていた。
その技術は、見事なものだが、スピードが遅く、炎天下でもあり、早々に切り上げた。
オリンピックの選手の動きを表したものだそうだが、波がうねっているような感じだった。
砂地に書いているので、毎日書いては消して、翌日また新作を作るということだろうか。

本展、特に、聖徳太子と法隆寺展には、是非足を運んで欲しい。

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ジョン・レノン 誰が彼を殺したのか

2021年08月18日 | The Beatles
首都圏は、ようやく雨が止んだと思ったら、今度は、暑い。
勝手なものだ。



本書は、本屋で見つけた。
まだ、先月出たばかり。

題名は、12月8日のことを取り上げた本と思わせるが、ジョンレノンの個性的な伝記というべき本だろう。

著者は、ジャーナリストだが、かなりのインサイダー情報、人脈を持っていて、今まで注目されなかったような情報や、写真なども多く、そういった意味では、興味深かった。
ただ、面白かったかと言われると、結局、ジョンは?ヨーコは?という疑問への回答は、出されておらず、いろんな情報が、てんこ盛りになっていて、後は、読者任せという感じか。

情報の入れ方も、強弱が激しく、前半は、ジョンの幼少期の環境について、後半は、解散後のジョンに影響を与えた人についての情報が多い。
特にヨーコについては、結構昔ながらのネガティブな情報が多い。
これは、インタビューをした人が本当に感じたことなのだろうが、個人的な感想に過ぎない。
シンシアについても、ネガティブな書きぶりだ。
ヤノフ医師についても、こき下ろしている。
逆にメイ・パンについては、肯定的。
現に、著者は、関係者の証言が、時を追うにつれて、変わっていくことが多いことについて触れている。証言を鵜呑みにしていては、事実は、明らかにならないということ。
ただ、その証言を積み上げることにより、事実を一つ一つ確認し、都市伝説を訂正していく部分もあり、それは、成果と言えるだろう。
関係者の高齢化が進む中、このような試みの繰り返しが、重要だとは思う。

知らなかった事実も多いが、エプスタインとの危ない関係や、アルマ・コーガンという女性にぞっこんだっという話など、興味深い。

写真では、ジョンが亡くなった後の、1983年にヨーコとショーンが軽井沢に行った時の写真は初めて見たと思う。
1980年12月6日のインタビューアとジョンとヨーコの写真も初めてだったが、この時のジョンの顔の写真が、私の持っているシンシアの描いたリトグラフの題材であることに気づいた。
このインタビューアであるアンディは、ジョンの死後のヨーコの生き方に強い疑問を呈している。
アール・スリックは、デビットボウイのコンサート&トリビュート・コンサートで見たが、ジョンの最後のアルバムで、重要な役割を担っていることも知った。

私にとっては、新情報が多い伝記本として、興味深かった。
ジョンの伝記本の1冊目として読むのは、どうかと思うが。
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LAYLA revisited

2021年08月17日 | Music


これは、Derek & The Dominosが、残した唯一のアルバム"LAYLA"を、Tedeschi Trucks Bandが、完コピしたライブ盤。
2019年のライブだが、CDとしては出たばかり。
予約注文したら、デカジャケが付いて来たのだが、扱いに困る?

元のアルバムよりも、演奏はこちらが上?
あの大所帯のバンドに、2人の名ギタリストが加わり、分厚い演奏になっている。
ボーカルが、男性と、女性で、合わせにくかったところもあるのだろうが、それを感じさせぬ、勢い、迫力のある演奏。
そして、Derek Trucks の思い入れの詰まった、超絶演奏。
特に、Duan Allman顔負けのスライドギターが映える。
おじさんが、The Allman Brothers Bandにいたわけだし、ECのツアーに、今回も参加したドイルと共に、参加していて、ECとは血のつながりと言っていいうぐらい。

LAYLAのアルバムジャケットは、小さい頃から、家に飾ってあったという。
ECとのツアーの際は、あまりの迫力に、何度も行った。
考えてみると、あの時のツアーでは、本アルバムからの曲も多かったように思う。
留守電に、ECから、ツアーへの参加要請が録音されていたとある。
最近のECのセトリは、ソロになってからの曲の方が多いような気もするが。

ロックファン、ブルースファンならば、是非聞いてもらいたい。
コロナ禍で鬱屈した気分を晴れ晴れとしてくれる。
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