CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

チョコレート革命

2008-07-09 21:30:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
チョコレート革命 作:俵 万智

最近短歌というか、川柳の長いヤツというか
五七五七七に凝っておりまして、
折角なので、古典じゃないのを読んでみようと
随分と懐かしい臭いのするそれを読んだ次第であります

すわ、女

私は短歌というのを侮っておりました
凄い、歌風と呼んだらいいのか、
たった数行のそれの中で、凄い個性とアクが出ること出ること
もの凄い女を意識させる、柔らかいといえるような、
芯の強いといえるような、生暖かいといえるような
そういう歌をたくさん読んだのでありました

いつごろ創刊というか、作出されたのか
よく知りませんが、なんともかんとも
時代臭ではないんだろうが、酷く人間臭いというか
その人、俵万智の輪郭がぼんやりずっしりと嗅げるような
凄い内容というか、見事な歌風に中たって大変
そんな、何編というのか、いくつかの
主題とテーマに沿って詠われておりました

本の性質上なのか、最初は
ライトな感じから始まって、世界放浪記みたいなのとか
人間というか世界というか、そういうのを考えさせられるような
風刺でもない、何かうやむやしたそれこれが詠われる
それを読んでて、暗い作風だ、などと思っておりましたが
あるギター少年へのオマージュという形で詠われた一遍は
これが凄く爽快というか、それまでとまったく違う歌風で
驚きの連続、ここで初めて
短歌というものの表現の凄さに気付かされた次第

その編が終わったあとも、他人のことであったり
自分(一人称)であったりと
思ったこと、感じたこと、見た景色が
含みをもって詠われており、情緒すげぇなと舌を巻くのでありますが
時折、じゃなくて、突然始まる
不倫にまつわるあれこれの歌が怒濤というか
これを詠みたいがために、この本出したんじゃねぇだろうかと
連綿と、という表現でよいのか
なんか、小池田マヤの四コマ漫画みたいな
次の四コマ、次の四コマと
歌がリレーしていくような具合で圧巻

妙に生々しいような、見たことないけど
そういうもんなんだろうなと思わせる
うまい表現もあったり、チョコレート革命とは
そういう意味だったのかと唐突に知らされて
読んだことを少しだけ後悔したりと
なかなか面白かったのでありました

しかし、流石なのかなんなのか
鋭いでもなし、嫌味でもなし、驕っているわけでもなし
実にうまく、何かを切り取ったような歌が見事で
読んで損はないなぁと改めて思いましたところ
これはなかなかステキだと感じたのであります

最近短歌を読んでんだが
わずか数十片程度でへこたれ気味というか
もう、似たような句調しか出てこねぇ自分に絶望してましたが
この人の凄いところは
破調をとてもさりげなく、とてもスムースに使って
ややもするとポエムとかわらないそれを詠うところにあると思う
というか、形式ばった詩集じゃないのかこれ
そんなことを思ったりしたのでありました

とりあえず、句の内容にどれこれ感心もしたけど
何より、凄い情景への肉薄やら、情緒への探求やらが
わずかな言葉でできると教えてくれるだけで
十分楽しい本でありましたとさ

みだれ髪のチョコレート語訳も読もうかと思いましたが
みだれ髪自体をよろしく知らない内に読んではならぬ気がして
今は封印中でありますが、短歌、面白い
ステキでありました

意思決定のための分析の技術

2008-07-09 00:04:25 | 読書感想文とか読み物レビウー
意思決定のための分析の技術  著:後 正武

珍しくビジネス書なんぞ読んでみました
以前に、金持ち父さんシリーズでちょっとだけかじりましたが
今回はより具体的な内容であります
このあたりからして、自分の年齢を改めて考えるのですが
それはさておき
意思決定という、非常に重要らしいことについて
あれこれと書いてある本でありました

ざっと読んでみて、要約してしまうと
こういう本は価値がなくなるのが通例でありますが
ともあれ、ちゃんと考えていけば、ちゃんとなんとかなるだろう
そういうお話であります
理論づけていけば、少なくとも大きな間違いは起こさないと思うよ
そういうアドバイスをしてくれる本
そういう印象であります

きちんと分析をする、とりわけ
分析と、感情とが入り交じったりして
正しい判断ができなくなることが多いから
こういう点に気を付けて考えてみようね
なんていう語り口で、分析というものが
物事を分解して考える、あるいは整理することで
その際に、分解の仕方やら、整理の仕方やらを
懇切丁寧に書いてありました

MECEだったと思うのですが、
分解する際に、重なり合わず十分条件となること
つまり、分解したら、それぞれの因子は独立しているが
どれ一つ欠けたとしても、元の者に戻らない
そういう分解の仕方をなさいな
そういうお話、これが一番の収穫であります
ありがちなのですが、何かを分析するに従って
どつぼにはまって、同じレベルのものを混合してしまい
正しい結果にどうやっても近づけなくなったり
プライオリティがつけられなくて
にっちもさっちもいかなくなったりとか、そういう時に
どうやったらよいかしらと

書いてあった本であります
それなりに勉強となったし、考える時
どういう探りかたをしたら近道かがわかったようにも思ったりして
値段の割にはよかったんじゃないかなと
最終的に、そんなところに落ち着いた
よくよくできた本だと思ったのでありましたとさ

まぁ、こういうのは読んだあと実戦できてなんぼですねと
今更ながらにつくづく思います