CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】告白の余白

2017-02-06 19:48:30 | 読書感想文とか読み物レビウー
告白の余白  作:下村 敦史

京都を舞台にしたミステリーでした
京都、とりわけ、京女の行き方、考え方
それそのものがミステリーだといわぬばかりに、
言葉の裏を読むことが主軸となって展開して
まぁ、なんというか疲れた
最終的な種明かし的なものが、えらい説明で出てくるんだが
なかなかどうして、これを瞬時に判断しないといけないと思うと
京女はごめん被ると思わされるのであります

高知県出身の自由を愛する男が
京都で何かあったらしい
その男の双子の弟が、その謎を解き明かしに京都へという具合で
「よそもん」の扱いから、京都内に潜む、
老舗といけずと舞妓はんの応酬が
なかなか楽しいといえば楽しい、怖いといえば怖い
そんな風に進む話でした

主題には、縛られること、囚われること
そこへの反発みたいなものがあるのですけども、
それすらも、意識に囚われているという
矛盾めいたものに突き当たったりして
なかなか面白い内容でありました

大半が京都風俗紹介のようでもあり、
風土に馴染んだしきたりめいたものや、
葵祭に関する様々なお話なんかもちりばめられていて
京都好きの人にはたまらん内容ではなかろうかと思うところ

最終的に晴れ晴れとする話でもなく、
また、うやむやと終わったようであり、
さりとて、なんとも嫌らしい話だったとも思えたりで、
種明かしをしてもしても、その本当のところまではたどり着けない
京都っぽい印象のまま終わる物語が
なかなかどうして、読み終えて疲れたと言わしめる一本でありました

最終的には女心はわからんというオチだったようにも読めるけども、
なんだろうか、打算ではないが、ロマンがないという
これもまた、男が夢見る何かをあざ笑うようで
面白いものだったとも感じるのでありました
高知の男は純朴だという内容だったのかもしれない