CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ブスの本懐

2017-02-03 20:33:31 | 読書感想文とか読み物レビウー
ブスの本懐  著:カレー沢薫

ブスというテーマで一冊書いてみた
そんな感じで、著者本人も語るとおり、
何一つ残らないエッセーというか、コラムというか、
読み物でありました
一言でいうと、酷い、何が酷いのかというと、なんだろう
そう、ゲシュタルト的な崩壊を催す感じで、
ブスについて、こんこんと語ったというか、
もうブスとつければ、なんでもいいやみたいな
かなりいい加減な心持で紡がれている文章で
凄いなと、感心してしまったのであります

ブス大喜利みたいな感じで、
ありとあらゆる「○○ブス」というテケトーなテーマを与えられて、
それにまつわるような、実際は関係ないようなということを
つらつらと何本も書いているという文章でありまして
これはこれで、凄いことだなと思うわけだけども、
誰のためでもない、みんなが不幸になる悪口を並べているようでもあり、
賽の河原のような、地獄を見たように感じるのであります

個人的に、この本は男性が読んではいけないのだと、
心強く思わされたのでありまして、
ことあるごとに、というか、女と書いて「ブス」と読む、
そういう訓読みだか、音読みだかが存在するんじゃないかと
それくらい安売りされるブスという言葉を浴び続けて、
気付いてみると、そこらで見かける女性も、
なんとかというブスではなかろうかと、そんな風に見えてきて
非常によろしくない、大変よくない、危ない、この本

読んでいるだけならば、非常にくだらなくて、
一笑を得るものなのでありますが、
「動かざること山の如きブス(顔は武田信玄)」とかいう、
畳み掛けてくるブス談義フレーズが、
本当にもう、身体にというか、精神に悪いと思わされつつ
ブスという非業の生き方みたいなのを
連綿と、まぁ、これでもかと思いつくままの
悪し様で綴ってあって、なんとも哀しいでもないが、
どうともいえぬ感情を抱いてしまったのでありました

面白かったけども、本当にもう、得るものがない本であった
これが褒め言葉になるんだから、恐ろしい一冊である