CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】九十歳。何がめでたい

2017-02-11 18:52:28 | 読書感想文とか読み物レビウー
九十歳。何がめでたい 著:佐藤愛子

齢90にしてエッセーをしたためる
そんな感じで、意気軒昂に老いを語った本でした
かくしゃくとしているというか、
おばあちゃんコラムとでも呼びたくなるような、
世の中、成り立ち、人生様々なことへのお小言が並んで
楽しい一冊でありました

平たくいってしまうと、
昔はこうだった、というお話なのでありますけども、
言葉選びと、小言の交え方が非常にうまい
高所大所の無闇な正論ではなくて、
もっとせせこましい話題や、こまごましたことに対しての
老人的不満をぶちまけているという具合でありました

いずれやってくる老いというものに対して、
こうまで大変なのかということを
笑いを交えて教えてくれるようでもありまして、
もうちょっと年食ってから読むと
より味わい深いのかもしれないと思いつつも
大好きだという、人生相談に対する複雑な思いというか
私ならこう答える、というか、答えた、
だめだ、これでは連載が続かないみたいな
このやきもきした感じが、なんとも楽しいのであります
不思議な魅力だと思うのであった
あと、年寄りは怒りやすいのかもしれない(酷い感想だ)

ある種、高度な皮肉を年寄りだからごめんあそばせ、みたいな感じで、
古くはいじわる婆さんに出てきたような手法でやられていて、
エッセーとしての読み応えも十分であったと思うのであります

こういう頭のいいお年寄りになりたいものだと
せつせつ、思い知った一冊であります